府中牝馬S
レース展望

エリザベス女王杯の前哨戦。過去10年で1番人気は[4−3−2−1]で7連対。01年にハイペースで失速したヤマカツスズランを除き3着以内を確保。前走重賞で連対した馬は[4−1−0−1]と堅実。今年の1番人気はヴィクトリアM8着のカワカミプリンセスか、マーメイドS3着のリトルアマポーラか。2番人気は[1−1−3−5]で2連対、3番人気は[1−2−1−6]で3連対。連対馬20頭のうち18頭が5番人気以内。馬連は10倍台までが6回と堅く収まることが多く、荒れても40倍台までに収まっている。

エリザベス女王杯の前哨戦になったことでメンバーのレベルが上がり波乱が少なくなった。年齢別では3歳[0−0−0−2]、4歳[6−5−9−43]、5歳[4−5−1−45]、6歳[0−0−0−22]、7歳以上[0−0−0−4]で4、5歳馬しか3着以内がない。ただし今年の重賞は4歳馬が不振で先週は毎日王冠を8歳馬のカンパニーが制したように高齢馬の活躍が目立つ。人気を分け合いそうなのは、6歳馬カワカミプリンセスと4歳馬リトルアマポーラ。調子や適性もあるが、世代レベルが問われる一戦になるかもしれない。

カワカミプリンセスは昨年の2着馬。ヴィクトリアMは07年10着、今年8着に終わったが、マイルが合わないこともあるのだろう。牝馬限定戦で芝1800m以上なら[4−2−0−0](エ女王杯1位降着は1着とカウント)。昨年は休み明けで12キロ増での出走だったが、2番手から34.0秒でまとめて2着を確保。昨年太めが残った失敗を陣営は考慮しているようだ。今年は他馬より1キロ重い56キロを背負うため、切れ負けの懸念が少しある。マツリダゴッホ、カンパニーと高齢馬を復活させた横山典騎手がまたひと工夫してくるか。

リトルアマポーラは昨年のエリザベス女王杯の勝ち馬。マイラーズCは7着、ヴィクトリアMは6着に終わったが、マイルより長い距離が合うといった感じのレースだった。前走のマーメイドSは3着に終わったが、トップハンデ56.5キロを背負い、大外枠スタートから終始外を回ったことを考えると内容は悪くない。春の3戦は調教でも実戦でも脚の回転が速過ぎて推進力が不足していた。春は気持ちと体のバランスが崩れていたのではないか。これまでの実績から秋から冬にかけて調子を上げるタイプ。まずは調教のフットワークに注目したい。

ベッラレイアはずっと善戦止まりが続いている。マーメイドSのように前に行くと伸び切れず、後方で脚をタメて追い込む競馬をすると届かない。最近は勝負どころでの反応が悪いことも応えている。東京芝1800m以上では[1−1−1−0]で昨年の府中牝馬Sはメンバー2位の33.3秒で3着に突っ込んだ。先週のカンパニーが少頭数で一変したように直線の長い東京で変わらないか。中1週で東京への輸送を克服できれば。今回は主戦の秋山騎手が秋華賞でモルガナイトにテン乗りで騎乗するため、テン乗りの勝浦騎手に乗り替わる。

ニシノブルームーンは500万条件から3連勝でオープン入りして臨んだマーメイドSは内ラチ沿いの3番手からしぶとく伸びて2着を確保。重賞でやれる目処を立てた。上がりが早いと切れ負けの懸念があるが、新馬戦の走りからステップアップする可能性もある。トールポピーは長期休み明けになるが、併せ馬で急ピッチに乗り込まれている。東京ではオークスを勝っているが、切れ負けの懸念を払拭できるかが鍵。今年の3歳牝馬は高レベル。ここでレベルの高いレースをする馬がいないとエリザベス女王杯は3歳馬が勝つ可能性が高まる。

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