スワンS
レース回顧

キンシャサノキセキはスタートを決めて好位につけ、直線で逃げたアーリーロブストを競り落としてレースを制した。例年は前半5F56秒台になるが、今年は流れが緩く前半5F57.2秒で前に行った馬が有利な展開。それが味方したのは確かだが、好位で折り合いをつけたスミヨン騎手による部分も大きい。前半は少し行きたがっていたが、道中馬の後ろに入れると上手く折り合っていた。スミヨン騎手はキンシャサノキセキが出走したレースのVTRを見て研究していたようだ。流れが遅かったため、レースのレベルは低い。その点は考慮しておきたい。次走はマイルCSに向かう予定。芝1600mは[2−0−1−5]。折り合い次第で距離はこなせる。

アーリーロブストは2番手からしぶとく粘ってクビ差の2着。前が残る展開になったことが有利に働いたこともあるが、距離短縮でレースぶりが一変した。エリカ賞、京成杯を連勝したことでクラシックを目指したが、芝1600mでは[1−2−0−0]と崩れていなかった。元々体型的に長い距離に疑問があった馬。適性は短い距離にあったということなのだろう。今回はレースのレベルが低く、展開に恵まれたこともあるが、この距離で連対したことで今後に向けて収穫はあった。先行してしぶとい馬。流れが向きそうなときは注意したい。

マルカフェニックスは中団からメンバー最速タイの33.4秒で伸びて0.1秒差の3着。前に行った馬が残る展開で外枠スタートから終始外を回るロスもあったが、最後は鋭く伸びてきた。58キロを背負っていたことを考えると上々の内容。使いながら調子を上げるタイプだけにようやく動ける状態になってきたのだろう。芝1400mは[1−0−3−1]で阪急杯で降着した以外は3着以内を確保。昨年制した阪神カップに出走してきたら要注意。

ショウナンカザンは内の3、4番手からしぶとく伸びて4着。最後は切れ負けしたが、しぶとく伸びていた。重賞初挑戦(別定G2)、経験の少ない芝1400mで今後の目処が立つ好内容。相馬眼的に芝で結果を出し始めた当時からオープンでやれるとしてきた馬。ここにきて馬体が充実してしっかりしてきたし、今後の活躍が期待できそうだ。相手なりに堅実に走るタイプ。オープン勝ち、G3勝ちと一歩ずつ着実に進んでいきたい。どこかで大噴火がある。

スズカコーズウェイは6番手から伸び切れず5着。折り合って好位置につけたが、直線で後藤騎手が追ってもピリッとした脚を使えなかった。パワータイプで馬力はあるが、後藤騎手がコメントしているように58キロが響いているのだろう。馬体の造り、気配は好調時のものに近いので、条件が揃えばそろそろ激走がありそう。能力が抜けた馬ではないため、今後も条件が揃うかどうかがポイントになる。

グラスキングはスタートが遅く後方を進み、3コーナーで挟まれて下がるロス。直線でも見せ場なく15着に終わった。3コーナーで挟まれたのは、武豊騎手が狭いところに頭を突っ込んだこともある。今後は力を出せなかったが、相馬眼的に重賞でやれるパフォーマンスを持った馬で能力はこんなものではない。今回の惨敗で次走は人気が落ちそう。重賞でも強気に狙っていきたい。

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