武蔵野S
レース回顧

ワンダーアキュートは途中からハナを切り、前半5Fは58.8秒。直線で後続を引き離してそのまま逃げ切った。サクセスブロッケンが外から早めに上がって強気な競馬をしたことで息の入れにくい展開になったことで外を回るロスがあった馬は壊滅状態。ワンダーアキュートは内ラチ沿いをロスなく回って持ち前の心肺機能の高さを生かし切った。安藤勝騎手がテン乗りで重賞を勝つのは珍しい。先行力としぶとさが安藤勝騎手の乗り方にマッチするのだろう。パドックでは馬体が14キロ減っていたが、煩いタイプで関東に輸送すればこれくらいは仕方ない。これで1600万条件から3連勝で重賞2連勝。まだ精神的に危うい部分があるが、一戦ごとにレースぶりは良くなっている。次走は半兄ワンダースピードとともにジャパンCダートでG1獲りを目指す。

ダイショウジェットは1枠2番から内ラチ沿いを進み、直線で内からしぶとく伸びて2着に入った。直線で前が壁になって追い出しを待たされたが、前がバテて馬群がバラけたところを捌いてきた。内をロスなく回ってきたこと、直線でタメが効いたことが良かったのだろう。地味な馬で人気になりにくいが、マーチSではエスポワールシチーに0.2秒差の3着がある。550キロを超える大型馬でパワータイプ。乾燥して力のいる馬場もプラスに働いたようだ。柴山騎手とは[1−2−0−1]と好相性。関東圏で柴山騎手が騎乗したときは要注意。

ワイルドワンダーは後方からメンバー最速タイの36.2秒で追い込んで3着。直線で前が壁になったが、蛯名騎手が外に出して上手く捌いてきた。東京ダ1400〜1600mは[4−1−2−0]で複勝率100%をキープ。今回は長期休み明けで腹目が少し太かったが、この条件では崩れない強味を発揮。本来はもう少し脚抜きのいい馬場の方が合うが、力のいる良馬場でこれだけ走れば大したもの。馬が走りに前向きで勝負根性がある。こういうタイプは堅実に走る馬が多い。今年7歳になったが、まだやれそうだ。

マチカネニホンバレは好位を進んだが、直線で伸び切れず4着。前半の行きっぷりが悪く押して好位を取りに行ったこと、外枠スタートから終始外を回ったことが応えた。外を回って前に行った馬の中では最先着だが、この馬の能力を考えると少し物足りない。良馬場で前半5F58.8秒という速い流れは今回が初めて。そのあたりが微妙に影響したのだろう。馬体の造り、能力から重賞を狙える馬。今後はジャパンCダートには向かわずにひと息入れる予定。来年のフェブラリーSに向けて、まずは賞金を加算したい。

ラヴェリータは出遅れて後方を進み、直線で大外からメンバー最速タイの36.2秒で追い込んだが5着が精一杯。前に行くと思われたラヴェリータが出遅れたことはワンダーアキュートに有利に働いている。いつもとは全く違う競馬になったが、大きく崩れなかったことは評価できる。まだダートでは底を見せていないため、次走のジャパンCダートでも侮れない。

トランセンドは中団から伸び切れず6着。最初の芝で流れに乗れず、終始外を回って位置取りが悪くなかったことが応えた。本来はある程度前につけて早めに抜け出すタイプ。現時点では東京ダ1600mは合わない。ダ1800mは[4−0−0−1]でスローの上がり勝負になったレパードS以外は勝っている。まだ少し非力な面があるため、直線が平坦なコースが合う。

サクセスブロッケンは外から早めに上がって2番手につけたが、直線で一杯になって10着に終わった。フェブラリーSの勝ち馬だが、不甲斐ない内容だった。フェブラリーSは稍重でレコードが出たが、今回は良馬場で力のいる馬場。南部杯でも直線で伸びなかったように現時点では良馬場で砂の深いダートは合わないようだ。脚抜きが良くなると水を得た魚のようになるので注意。

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