東スポ杯2歳S
レース回顧
ローズキングダムは外枠スタートから4番手を進み、直線で外からトーセンファントムが来るのを待って追い出すとしぶとく伸びて最後まで抜かせず頭差で制した。前半5F61.1秒のスローペースでレースのラスト3Fは11.4−11.2−11.8秒。新馬戦は前半5F62.5秒でラスト3F11.6−11.3−11.3秒。緩い流れでラスト3Fを高速ラップでまとめる競馬が合うようだ。ただ直線でのあのしぶとさは只者ではない。調教の動きはそれほど目立たず、どちらかというと実戦タイプ。パドックでは少し非力に映ったが、これはこの一族の特徴。これから馬体が成長すれば、クリアできるはずだ。次走は朝日杯FSに向かう予定。これまで2戦はいずれもスローの上がり勝負のため、流れが速くなったときに真価が問われる。ローズキングダムが勝った新馬戦はハイレベルで2着ヴィクトワールピサは未勝利、京都2歳Sを連勝した。相馬眼的にローズキングダムは皐月賞、ヴィクトワールピサはダービーで注目したい。
トーセンファントムは後方を進み、直線で馬群を割って鋭く伸びてきたが、最後はローズキングダムに競り負けて2着。上がり3Fはメンバー最速の33.4秒。ローズキングダムに競り負けたが、スローペースで前に行った馬が有利な展開だったことを考えると強い内容。抜け出すときに一気に脚を使ってしまったぶん、ラストは11.2−11.8秒に落ちたが、今後に向けて課題は見えた。テンションが高く返し馬をしなかったが、そのあたりがクリアできれば、もっと操縦しやすくなる。パドックでは馬体の造り、気配とも目立っていた。次走は朝日杯FSに向かう予定。再度ローズキングダムとの争いになりそうだが、芝1600mが2戦2勝なのは強み。松田国厩舎は東スポ杯2歳Sから朝日杯FSというステップでフサイチリシャールが制している。フサイチリシャールと同様にトーセンファントムもセレクトセールで約1億円で取引された馬。
レッドスパークルは大外からメンバー2位の33.6秒で追い込んで0.3秒差の3着。前の2頭には水をあけられたが、大外からしぶとく伸びてきた。もっと前に行ける馬だが、スタートでもたついて位置取りが悪くなったことが応えた。前走は好位からガツンと伸びて楽勝したが、そのときのレースのラスト2Fが12.4−11.7秒。これまで5戦は全て直線の短いコースだったが、直線の長い東京コースでパフォーマンスを引き上げた。勝ち上がるのに5戦を要したが、距離は2000mもこなせるし能力もある。母クリスタルコーラルはキストゥヘヴンの半姉。好走しても人気になりにくいタイプ。またどこかで穴をあけそうだ。
サンディエゴシチーは向こう正面で後方から一気に上がってハナを切り、直線で内を通ってしぶとく伸びたが4着。それほど切れる脚がないため、藤岡祐騎手がスローペースを嫌って逃げる手に出たが、途中で強引に行ったぶんもあり粘り切れなかった。それでも強引な競馬をして0.3秒差なら悪くない。馬体の造りがしっかりとした馬でレースが地力勝負になると強さを発揮するタイプ。条件が揃いそうなときは注意したい。
ニシノメイゲツは好位を進み、直線で伸び負けして馬群に沈みかけたが、そこからしぶとく伸びて6着。スローペースで前半掛かり気味だったことが応えたのか、切れる脚を使えなかった。小柄な馬でも脚捌きが豪快な走法から中山のように少し上がりの掛かる馬場の方が合う。新馬、芙蓉Sを連勝したが、メンバーは弱かった。次走は朝日杯FSは2戦2勝の中山芝1600mで真価が問われるレースになる。
レッドバリオスはスタートを決めて中団の前につけたが、直線で伸び切れず10着に終わった。4コーナーで手応えが悪く、直線で他馬と接触したこともあり伸び切れなかった。角居厩舎の管理馬らしい好馬体の持ち主だが、直線でフワフワしたようにまだ芯の入りが甘い面がある。新馬戦を尻上がり&持続ラップで勝ったように素質は高い。これから馬体に芯が入れば大きく変わる可能性がある。
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