福島記念
レース回顧
サニーサンデーは2番手を進み、直線で先頭に立ってそのまま粘り込み重賞初制覇。ラジオNIKKEI賞で13番人気で大穴をあけた馬がまた穴をあけた。前半5F57.5秒のハイペースで前に行った馬が直線で失速する中、最後までしぶとく伸びた。この速い流れで粘ったことは評価できる。中山芝1600mの500万条件をハイペースで逃げ切ったが、そのときが心肺機能の高さを感じさせる走りだった。今回は51キロの軽ハンデだったが、休み明け、距離を克服し、荒れ馬場で1分58秒6の好タイム。福島コースの適性は高く、この内容ならまた福島の重賞を勝つチャンスがありそうだ。母サニークラシックは2冠馬サニーブライアンの半妹。血統的なバックボーンもある。ハンデ重賞に強そうなタイプ。次走も要注意。
トウショウシロッコは中団の後ろを進み、直線で外に出して伸びてクビ差の惜しい2着。上がり3Fはメンバー最速の35.6秒。吉田豊騎手が上手く捌いてきたが、この速い流れで粘ったサニーサンデーを褒めるべきだろう。前走は前残りの展開で見せ場なく終わったが、今回は差し馬向きの展開で決め手を生かせた。ここ4走の上がり3Fはメンバー3、1、2、1位と着実に切れる脚を使っている。色気を出して前に行くと末脚が鈍るため、こういう競馬が合っている。重賞は[0−0−3−14]で未勝利だが、展開と位置取りがマッチしたときにチャンスがありそうだ。
トーセンクラウンは後方3番手から徐々に進出して直線で内からしぶとく伸びて3着。大外枠スタートだったが、江田照騎手が内に入れてロスなく回ってきたことが功を奏した。前3走は重賞で2桁着順に終わっていたが、軽ハンデ53キロと江田照騎手の好騎乗によって初めて重賞で馬券に絡んだ。オペラハウス産駒で荒れ馬場も合っているのだろう。今回は全てが上手くいった感が強いため、次走は真価が問われる。
デストラメンテは中団から徐々に進出し、直線でしぶとく伸びて4着。勝負どころでの反応が悪く、馬群に沈みかけたが、そこからしぶとく伸びてきた。七夕賞5着、アイルランドT6着、福島記念4着など勝ち切れない競馬が続いているが、少しずつ地力が強化されている。夏馬タイプだが、今年は寒くなっても調子が落ちていない。芝2000m前後、内枠、少し上がりの掛かる馬場など条件が揃ったときは注意。
トーセンキャプテンは後方から追い込んできたが6着止まり。勝負どころで馬群に包まれて動けず、直線でも前が壁になって追い出しが遅れるロスがあった。最後は鋭く伸びていただけにもう少しスムーズなら馬券圏内があったかもしれない。前走AR共和国杯を惨敗したが、気配は落ちていなかった。今回はスムーズさを欠いたが、芝2000mでは内を突く競馬が合っている。展開、馬場など嵌りそうなときは注意したい。
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