ステイヤーズS
レース展望

中山の内回りコースを2周する長距離重賞。過去10年で1番人気は[5−2−0−3]で7連対。最近5年はダイタクバートラム1着、デルタブルース1着、アイポッパー1着、トウカイトリック4着、フローテーション2着で4連対と堅実。2番人気は[0−2−2−6]で2連対、3番人気は[1−0−0−9]で1連対のみ。8番人気以下は[0−0−2−49]で3連対のみ。穴で計5連対の6、7番人気に注意。馬連は10倍台までが6回と堅い決着が多いが、1番人気が崩れると人気薄が連対して荒れる傾向がある。

前走AR共和国杯だった馬は[5−5−5−33]で10連対と連対馬の半数を占める。AR共和国杯で2番人気以内に支持された馬は[2−2−0−2]と堅実だが、今年は対象馬がいない。昨年のエアジパングのようにAR共和国杯で4コーナー10番手以降から追い込んだ馬が巻き返すことが多い。スタミナが問われる中山の長距離戦で距離&コース適性が問われる。ダイタクバートラムなど一度好走したステイヤーが再度好走することが多い。今年のメンバーでステイヤーズSで3着以内があるのは、昨年の勝ち馬エアジパング。

フォゲッタブルは前走菊花賞で内ラチ沿いの中団からメンバー2位の35.0秒で伸びてハナ差の惜しい2着。父ダンスインザダーク、母エアグルーヴという良血馬。スタミナの問われる長丁場で素質が開花した。芝2200m以上では[2−2−1−1]で超スローペースになったすみれS以外は3着以内を確保。今回は菊花賞2着の実績、スミヨン騎乗で人気になりそうだ。この中間は栗Pで入念に乗り込まれているが、春から休みなく使われ、菊花賞で目一杯に仕上げられたため状態面に注意。馬主の金子氏は今年重賞1勝のみ。

エアジパングは昨年の勝ち馬。中盤のラップが緩んで前に行った馬が有利な展開になったが、横山典騎手が内ラチ沿いを上手く立ち回って持ってきた。前走のAR共和国杯は5番手から伸び切れず見せ場なく13着に終わったが、昨年も15着だった。ただし昨年は後方から追い込んで直線で前が詰る不利があった。今年は1キロ増えて58キロになるが、札幌日経オープンを59キロを背負って勝ったように斤量はこなすタイプ。エルコンドルパサー産駒でスタミナ豊富な馬。今年は池添騎手の長丁場での腕が問われそうだ。

モンテクリスエスはダイヤモンドSの勝ち馬。フローテーションが掛かって飛ばしたことでスタミナが問われる展開になり、3分29秒4のレコード決着になった。近走は不振が続いているが、寒くなると調子を上げるタイプ。これまで12、1、2月は[2−4−0−0]で連対率100%。陣営もそれを知って秋は仕上げていなかった。松田国調教師がここを狙って仕上げてくると一変する可能性がある。日経賞3着馬で中山はこなせるが、開幕週だけに大外ブン回しで届くかどうか。柴田善騎手がどう考えてどう乗るか。

ポップロックは芝2400m以上で[4−2−3−5]の実績があるが、近走不振で今回は休み明け。デムーロ騎手でどこまで変わるか。トウカイトリックは芝3000m以上[2−3−3−7]の実績がある。ステイヤーズSは2、4、8着で年々着順を落としているが、前走のAR共和国杯6着の内容は悪くなかった。スノークラッシャーはダイヤモンドS3着馬。今回は格上挑戦で別定57キロを背負い、実績の少ない中山と条件は厳しいが、サッカーボーイ産駒でスタミナはある。持ち前の「ど根性」で伸びてくるか。

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