鳴尾記念
レース展望
06年から芝1800mの別定戦に変更された。06年と07年は阪神3日目に行われたが、昨年から初日に移動した。06年は1−2番人気、07年は8−3番人気、昨年は1−3番人気で決着。連対馬6頭のうち5頭が3番人気以内の人気馬。紛れの少ない阪神外回りの芝1800mで人気馬が結果を出している。スローペースになった06年と07年は先行−逃げ、ハイペースになった昨年は一転して差し−追込で決着。連対馬の脚質は展開に左右されやすい。今年は人気馬に差し追い込みタイプが多いが、どんな展開になるのだろう。
イコピコはジャパンCを除外され、ここから有馬記念を目指す。神戸新聞杯ではメンバー最速の33.7秒でリーチザクラウンを差し切り2馬身差で快勝。菊花賞はメンバー最速の34.8秒で追い込んで0.4秒差の4着。スタートで躓いて位置取りが悪くなり、4コーナーで大外をブン回したことが響いた。直線で内を突く手もあったが、前週にブエナビスタが降着したため、四位騎手は安全策を選んだのだろう。4着に終わったが、強い競馬をしている。芝1800mは[2−0−0−2]で守備範囲。今回はルメール騎手に乗り替わる。
ナムラクレセントは前4走で3勝でいずれも底力を感じさせる走り。菊花賞3着がある実力馬。重馬場の阪神大賞典で激走した反動が癒えてようやく本格化してきた。3走前に西宮Sを58キロを背負って1分44秒8の好タイムで勝ったが、阪神芝1800mを1分45秒0以下で走って連対した馬は、ブロードストリート(秋華賞2着)、レッドディザイア(秋華賞1着、ジャパンC3着)、スマートギア(京都大賞典2着)、スリーロールス(菊花賞1着)と重賞で好走している。今回は展開、位置取りがマッチするかがカギになりそう。
サンライズマックスは天皇賞(春)4着、AR共和国杯4着と距離をこなしているが、ベストは芝1800〜2000m。G1、G2では[0−0−0−6]だが、G3は[3−0−0−1]で直線で前が詰って脚を余した新潟大賞典8着を除き、全て勝っている。G1、G2で重い斤量を背負ってきた馬が、今回はG3で56キロで出走できるのは有利。ただし直線に坂のないコースの方が得意で、阪神では[0−1−1−2]で大阪杯では10、8着に終わっている。陣営が弱気なコメントを出し、横山典騎手が騎乗したときが勝負モード。
スマートギアは西宮Sでナムラクレセントにクビ差の2着。ナムラクレセントには4戦4敗で玄海特別、菊花賞、西宮Sとも接戦で負けている。京都大賞典は最後方からメンバー最速の33.8秒で追い込んで0.1秒差の2着。勝ったオウケンブルースリは先週のジャパンCでハナ差の2着に入った。AR共和国杯は内田博騎手がいつもより前につけて勝ちに行ったが、直線で失速して12着に終わった。まだ馬体が完全に本格化していないため、強気な競馬をするとモロさを露呈するようだ。このあたりを武豊騎手がどう工夫してくるか。
06年の2着馬で富士Sで久々に連対したマルカシェンク、安田記念5着が光るライブコンサート、一昨年の勝ち馬で2走前の毎日王冠で3着に激走したハイアーゲーム、NHKマイルCの2着馬レッドスパーダ、前走1600万条件を勝ってオープン入りしたアクシオン、博多Sを好タイム勝ちしたダイシンプランなど伏兵は多い。今年はイコピコ、ナムラクレセント、サンライズマックス、スマートギアがかなり強力なため、割って入るのはかなり大変そうだが、波乱があるとすれば開幕週で差し追い込みタイプが揃ったという点か。
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