ジャパンCダート
レース展望

昨年から阪神ダ1800mに変更された。過去9年で1番人気は[3−3−2−1]で6連対。牡馬なら[3−3−2−0]で複勝率100%。1番人気の武豊騎手は[3−1−0−0]で連対率100%。昨年の1番人気ヴァーミリアンは武豊騎手が落馬負傷による休養で岩田騎手が騎乗していた。1番人気は堅実だが、2番人気は[0−0−0−9]、3番人気は[0−1−0−8]と不振。最近4年は11、7、6、7番人気が連対し、馬連は59倍、15倍、13倍、215倍。阪神ダ1800mで行われた昨年は4−7番人気で荒れた。

連対した日本馬17頭のうち11頭は前走重賞3着以内に入っていた。前走6着以下は[1−1−0−37]で2連対。連対した2頭はJBCクラシック6着のシーキングザダイヤ(JCダート11人気)と武蔵野S9着のカネヒキリ(4人気)だが、2頭ともダートG1で連対があった。ダートG1実績のない馬が6着以下から巻き返すのは難しい。逆に言うと穴で前走惨敗したG1実績馬の激走に要注意。外国馬は[1−0−1−23]で1連対のみ。阪神ダ1800mで行われた昨年は12着(14人気)、13着(5人気)に終わった。

今年のメンバーでG1勝ちがある馬は、ヴァーミリアン(JBCクラシック3連覇など8勝)、サクセスブロッケン(JDD、フェブラリーS)、エスポワールシチー(かしわ記念、南部杯)、ボンネビルレコード(帝王賞、かしわ記念)、スーニ(全日本2歳優駿、JBCスプリント)の5頭。外国馬はサマーバードが骨折で回避し、ティズウェイ(G1勝ちなし)1頭になった。今年は3歳馬がこれまでの最多となる5頭が参戦してきた。最近のダート戦は3歳馬の活躍が目立つ。前2年は人気で不振に終わったが、今年は要注意か。

ヴァーミリアンは国内ダートG1[8−1−1−3]で前走JBCクラシックを3連覇。地方のダートは[9−1−0−0]に対し、中央のダートは[3−1−1−4]。地方では崩れたことがないが、中央では崩れることが多い。昨年のジャパンCダートは3着、今年のフェブラリーSは4着に終わったが、敗因は何だったのだろう。ヴァーミリアンの適性はどこにあるのか。国内で武豊騎乗なら[11−4−0−1]で今年のフェブラリーS4着以外は連対を確保。今週、武豊騎手は2年半ぶりにアドマイヤ・近藤氏の馬に騎乗する。

エスポワールシチーはダート[7−1−0−1]でかしわ記念、南部杯を連勝。かしわ記念ではカネヒキリ、南部杯ではサクセスブロッケンとフェブラリーSで先着を許した馬に雪辱を果たした。負けた2戦は平安Sがスローで切れ負け、ファブラリーSも上がりの競馬になり切れ負け。どちらも地力で負けたのではなく、ダートではまだ底を見せていない。ダ1800mは[3−1−0−0]で距離は守備範囲。今回は前に行く馬が揃ったが、1枠1番に入った。オーバーペースに巻き込まれず、ゴール前でひと踏ん張りできれば。

サクセスブロッケンはフェブラリーSの勝ち馬。秋は南部杯でエスポワールシチーに4馬身差の2着、武蔵野Sは10着に終わったが、この2戦は力の要る良馬場。G1のJDD、フェブラリーS勝ちは脚抜きのいい馬場だった。ダート重賞4勝のワンダースピード、JBCクラシック2着のマコトスパルビエロ、昨年の2着馬メイショウトウコン、前5走[3−2−0−0]のアドマイヤスバルなど伏兵は多い。ワンダースピードはフレグモーネの影響が気になるが、昨年のジャパンCダートは1枠1番からまともな競馬をしていない。

外国馬はアメリカの4歳馬のティズウェイが出走する。ダートは[3−1−2−5]で重賞勝ちはなく、初勝利を挙げるまで6戦を要した。今年は条件戦を勝ち上がり、前2走ダートG1で4着(1秒差)、3着(1秒差)。重賞勝ちのない馬が、なぜ日本のG1に出走してきたのだろう。ちなみにダ1600mは1分34秒0、ダ1800mは1分49秒1の持ちタイムがある。管理するジェームズ・ボンド調教師は、「007」の主人公と同じ名前。陣営は7番枠を熱望していたが、JRAの枠順決定システムは7番枠に入れてきた。

3歳馬はシリウスSと武蔵野Sを連勝したワンダーアキュート、ユニコーンSの勝ち馬で前走トパーズSを圧勝したシルクメビウス、前走JBCスプリントを制したスーニ、ダート[2−1−2−0]で相手なりに走るゴールデンチケット、ダート[5−0−1−1]の牝馬ラヴェリータが参戦してきた。ジャパンCダートで3歳馬は[3−0−2−19]で1番人気に支持されれば[2−0−1−0]。01年クロフネ、05年カネヒキリ、06年アロンダイトが制している。ヴァーミリアンは今年の3歳馬と対戦するのは今回が初めて。

ワンダーアキュートはオークランドRCTは5馬身、シリウスSは3馬身、武蔵野Sは1馬身3/4差をつけて3連勝。まだ精神的に危うい面が残っているが、3戦とも強い競馬だった。心肺機能の高そうな馬。G1の流れでどこまで踏ん張れるか。シルクメビウスはアドバンスウェイに5馬身差をつけたトパーズSが高レベル。エリザベス女王杯に続き、また田中博騎手の一発があるか。ラヴェリータは武蔵野S5着。出遅れて大外を回って追い込む大きなロスがあったが、内ラチ沿いを通ったワンダーアキュートとは0.4秒差だった。

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