根岸S
レース回顧
グロリアスノアは中団を進み、直線で外から伸びてサマーウインドを一気に差し切りレースを制した。上がり3Fはメンバー2位タイの35.5秒。前半3F35.6秒、5F59.2秒の平均ペースだったが、前走ハイペースで逃げ切ったケイアイテンジンは逃げて失速し13着。パサパサに乾いた馬場で前に行った馬にはラップ以上に厳しい展開だったのだろう。グロリアスノアは昨秋に故障して今回は放牧明けで重め残りが懸念されたが、当日は8キロ減で太くなかった。最終調教では鞍上の手が激しく動いても馬は反応しなかったが、手綱を緩めた状態だった点は見逃せない。矢作厩舎はいい意味でしたたかさが出てきた。ユニコーンSでシルクメビウスの2着に入り、エニフSではプロキオンSの勝ち馬ランザローテを子供扱いした馬。休み明けが不安視されて人気がなかったが、実力は上位だった。グロリアスノア、小林慎騎手とも重賞初制覇。次走はフェブラリーSに向かう予定。エスポワールシチーを相手にどこまでやれるか。
サマーウインドは2番手を進み、直線でラスト300mで仕掛けて先頭に立ったが、外からグロリアスノアに差されて0.2秒差の2着。最後はオーロマイスターに迫られたが、しぶとく伸びて2着を確保。道中外からスーニが掛かり気味に来てマークされたことで息が入らなかったのか、追ってからの伸びがひと息だった。それでも、初の左回り、重賞挑戦で2着なら今後の目処は立った。現時点では右回りのダ1200mがベストだが、距離をこなす下地はある。パドックで馬体の造りが目立ち、坂路調教での豪快なフットワークを見ても潜在能力はかなり高い。次走はフェブラリーSに向かう予定だが、賞金的に除外される可能性が高い。まずは重賞を使えるように賞金を加算していきたい。相馬眼的にダートG1を狙える馬。
オーロマイスターは後方を進み、メンバー2位タイの35.5秒で上がって3着。最後は外から伸びてきたが、2着サマーウインドにハナ差届かなかった。4走前からずっと馬体が増え続けているように絞り切れない面も多少影響しているのだろう。折り合って最後に切れる脚を使えるダ1400mは合っている。これでダートでは[4−3−1−1]。今後も重賞、オープンで相手なりに堅実に走りそうだ。
スーニは途中から掛かって前に行き、直線で一杯になりながらもしぶとく伸びて4着。大外枠スタートから馬を前に置けなかったことで折り合いがつかなかったが、それでも4着に粘ったのだから大したもの。58キロを背負っていたし、さすがにG1馬といった走りだった。今回はお釣りを残して仕上げられたため、本番のフェブラリーSでは上積みが見込める。時計の掛かる馬場ならチャンスがありそうだ。
セイクリムズンは好位を進み、直線で内を突いて一瞬伸びかけたが、最後は伸び切れず7着。勝負どころで少し遅れて外に持ち出せず、苦し紛れに内を突いたが、内から抜け出すほどの脚力はなかった。それでもダート重賞初挑戦で勝ち馬と0.4秒差なら悪くない。使いながらジリジリと地力が強化されている。現時点ではもう少し切れ味を生かせる軽い馬場の方が合いそう。いずれはダート重賞の常連になりそうだ。
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