阪神大賞典
レース展望
天皇賞(春)の前哨戦。過去10年で1番人気は[6−2−1−1]で8連対。1990年以降は[12−5−2−1]で複勝率95%。かなり堅実だが、08年は7歳馬のポップロックが3着、昨年は重馬場でオウケンブルースリが7着に終わった。2番人気は[2−4−1−3]で6連対だが、3番人気は[0−0−4−6]で連対なく不振。馬連は01年40倍、05年37倍、08年45倍、09年29倍を除く6年が10倍以下の堅い決着。G1馬が数頭出走するとガチガチの決着になるが、今年はG1馬がアサクサキングスしかいない。
連対馬20頭のうち7頭にG1勝ち、残る13頭のうち10頭に重賞勝ちまたはG13着以内があった。さらに連対馬20頭のうち14頭に芝2400m以上で勝ち星があった。G1前哨戦でハイレベル。基本的にこれらを満たす馬を狙いたい。連対馬20頭のうち16頭が前走4着以内。前走5着以下に敗れた4頭のうち3頭は天皇賞(春)または菊花賞で3着以内があった。前走はこれが目安になる。有馬記念から直行した馬は[2−2−1−4]で1、2番人気に支持されると[2−2−1−0]。今年はイコピコが直行で臨んできている。
アサクサキングスは長丁場で菊花賞1着、天皇賞(春)3着、阪神大賞典1着の実績がある。昨年の阪神大賞典は雨でかなり馬場が悪くなったが、中団から早めに動いて先頭に立ち、最後はヒカルカザブエとの激しい叩き合いを制した。続く天皇賞(春)は阪神大賞典で激走した反動が出て9着。秋は天皇賞(秋)18着、ジャパンC16着に終わり、今回は休み明け。2〜3月は3戦3勝(全て重賞)と崩れたことがなく、春に調子を上げるタイプだが、今年はどこまで仕上がってくるか。今回も前走騎乗した岩田騎手が引き続き騎乗する。
イコピコは神戸新聞杯を派手な大外一気で快勝。菊花賞は追い込み届かず0.4秒差の4着。外を回った馬が壊滅状態になる中、メンバー最速の34.8秒で鋭く伸びてきた。前週の秋華賞でブエナビスタが降着になったこともあり、四位騎手は安全策で外を回したのだろう。もう少し上手く捌いていれば勝ち負けに加わっていたのではないか。その後はジャパンCを除外されて歯車が狂い、鳴尾記念は4着、有馬記念は8着に終わった。今回はひと息入れて仕切り直しの一戦。天皇賞(春)に向けて目処を立てるか。鞍上はテン乗りの川田騎手。
メイショウベルーガは日経新春杯で大外一気を決め重賞初制覇。スタミナと末脚の威力を見せつける強い勝ち方だった。同世代の牝馬はレベルは低いと言われるが、相馬眼的に評価してきた馬はひと味違う。ようやく本格化した。1986年以降の阪神大賞典で牝馬の連対は1993年のタケノベルベットのみ。馬主の娘の要望で武豊騎手が手綱をとった。タケノベルベットは前年のエリザベス女王杯(京都芝2400m)を3馬身半差で圧勝。メイショウベルーガは前走京都芝2400mで3馬身差で圧勝。イコピコとの差し比べが楽しみ。
トウカイトリックは芝3000m以上で[3−3−3−9]の実績がある。前走のダイヤモンドSは5着に終わったが、直線で前が詰まって脚を余したもの。8歳馬でも力は衰えていない。ホクトスルタンは08年の目黒記念を勝ってから馬券圏内がないが、前走の京都記念は逃げて0.4秒差の4着に粘った。太めが残っていたため、型通りなら上積みが見込める。メジロ一族の天皇賞父子4代制覇が懸かった馬でここで好走して天皇賞(春)に繋げて欲しいと思っている競馬ファンは多いはず。陣営はテン乗りの武豊騎手を乗せてきた。
ベルウッドローツェは格上挑戦で臨んだダイヤモンドSで掛かり気味に先頭して2着に粘った。今回は別定戦で前走から4キロ増の56キロを背負い、メンバー強化と条件は厳しいが、持ち前のスタミナでどこまで踏ん張れるか。ジャミールは昨年から[4−3−3−0]で3着以内を確保。条件戦を大事に使われて、距離が延びて良さが出てきた。スリーロールス、トップカミングと戦ってきたことから重賞でもやれる下地はありそう。松元茂厩舎は昨年の天皇賞(春)でアルナスラインが2着。今年はジャミールで天皇賞(春)を目指す。
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