NHKマイルC
レース展望

3歳マイル王決定戦。過去10年で1番人気は[3−1−2−4]で4連対。前走重賞勝ち馬は[3−0−0−1]で休み明けでなければ[3−0−0−0](全て毎日杯)で勝率100%。逆に前走重賞で負けた馬は[0−1−2−3]で1連対のみ。2番人気は[2−0−0−8]、3番人気は[1−1−1−7]で各2連対のみ。人気馬同士で決着することは少ない。最近5年のうち4年で9番人気以下が連対しており、最近は波乱傾向が強まっている。馬連は10倍以下はなく、50倍以上が2回、万馬券が3回とかなり荒れている。

連対馬20頭全てが前走重賞で14頭が前走4着以内。前走5着以下から巻き返した6頭のうち5頭は前々走重賞3着以内、残る1頭は前々走オープン特別を勝っていた。前走5着以下はこれが目安になる。ニュージーランドTの勝ち馬は[0−1−0−8]、2着馬は[0−1−1−7]で各1連対と不振。中山芝1600mと東京芝1600mはコースが全く違うため過信禁物。ただし今年の勝ち馬サンライズプリンスは元々中山向きではない。一昨年は内から差した馬、昨年は前に行った馬で決着。展開と馬場に左右されやすい点に注意。

サンライズプリンスは[3−0−0−1]で出遅れたスプリングS以外勝っている。前走のニュージーランドTは4コーナー2番手から押し切って1分32秒9の好タイムで楽勝。不利な大外枠、出遅れ、大外ブン回しを克服し、早め先頭からメンバー2位の34.8秒で押し切ったのだから強い。まさに驚愕のパフォーマンスだった。2F目から最後まで11秒台のラップでまとめ、最後はまだ脚色が鈍っておらず、重心の低いフットワークでしぶとく伸びていた。陣営はダービーも視野に入れている。死角があるとすれば高速ラップか。

ダノンシャンティは毎日杯で大外を回ってメンバー最速の33.4秒で楽々と突き抜けた。レースのラスト3Fは11.5−11.1−11.5秒の高速ラップ。共同通信杯でも11.7−11.2−11.3秒の高速ラップの中、後方からメンバー最速の33.5秒でハナ差の2着まで追い上げている。これまで速い流れの経験がないこと、高速ラップでまとめられることからレースの流れが緩むと有利になる。地力タイプのサンライズプリンスとは違うタイプ。陣営はダービーも視野に入れているが、距離適性からここが勝負なのだろう。

エイシンアポロンは重賞で2、1、2、2着と堅実に走っていたが、皐月賞は11着に終わった。弥生賞は緩い流れで内枠からロスなく進められたが、皐月賞は平均ペースで外枠から外を回ったこと、いつもより位置取りが後ろになったことが応えたのだろう。地力勝負で距離適性の差が出た感もある。東京では京王杯2歳Sで大外から差し切っている。立ち回りが上手いため、広い東京がプラスになるかどうかは微妙だが、距離短縮はプラス。陣営はテン乗りの岩田騎手を乗せてきた。エイシン軍団は3頭出し。展開を作る可能性がある。

リルダヴァルは骨折明けの毎日杯は3番手からしぶとく伸びて0.3秒差の3着。前走の皐月賞は好位から伸び切れずに0.4秒差の6着。直線で狭くなって苦し紛れに内を突いたが、切れる脚を使えなかった。元々切れ味で勝負するタイプだけに稍重の馬場も影響したのだろう。野路菊Sでは好位からメンバー最速の33.2秒でまとめて、コスモファントムに0.4秒差をつけて楽勝している。レースのラスト3Fは11.3−11.0−11.2秒の超高速ラップ。前3走は好位づけ。NHKマイルCを目標にしてきたフシがある。

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