競馬アナリストGM
セントライト記念
レース回顧

クォークスターは後方2番手からメンバー最速の34.0秒で差し切り勝ち。直線では前とかなり差があったが、勝ち馬がバテていたため捕まえることができた。ヤマニンエルブが大逃げ。こういうレースでは好位につけた馬がなだれ込むことが多いが、大外からゴボウ抜きで勝ったのだから大したもの。プリンシパルSとラジオNIKKEI賞はスムーズさを欠いて脚を余して負けたが、今回は持ち味の末脚の威力をフルに発揮できた。これで中山芝は[3−2−0−0]。古馬になってからオールカマー、AJCCあたりで面白そうだ。藤岡祐騎手は中山ではいいイメージはなかったが、派手な大外一気で重賞制覇。サマージョッキーズシリーズ優勝でひと皮剥けたか。次走は菊花賞に向かう予定。ヤマニンエルブが出走して逃げれば、また展開が向きそうだ。

ヤマニンエルブは前半5F58.7秒のハイペースで飛ばして大逃げをしたが、直線で一杯になってクビ差の惜しい2着。上がり3Fは37.0秒。勝ったクォークスターは34.0秒。自分の競馬で力は出しただけに追い込みが利きにくい中山で大外一気を決めたクォークスターを褒めるべき。前脚を掻き込む強引な走法だが、最後まで持つのだから凄い。脚元に負担の掛かる走法で故障リスクはあるが、こういう走法でしぶとい脚を使える馬はそうはいない。心肺機能が高いのだろう。ただしこういう馬は惨敗して楽を覚えると急に走らなくなることが多い。次走は菊花賞に向かう予定。超スローペースだったダービーとは全く違うレースになりそうだ。

アロマカフェは内ラチ沿いの好位で脚をタメて直線で内から伸びて3着。最後までしぶとく伸びてきたが、切れる感じはなくジリジリだった。ハイペースの中、好位につけたことが応えているが、逃げた馬を交わせなかったのは少し物足りない。武豊騎手は馬場が渋っていればとコメント。良馬場では切れ不足の感触があるのかもしれない。上がりの掛かる消耗戦に強いタイプ。菊花賞でもそこそこやれるのではないか。

ゲームマエストロは後方からメンバー2位の34.4秒で追い込んで4着。最後は外から鋭く伸びてきた。馬体が12キロ減って少し華奢に映ったが、能力があることを示した。これから馬体が成長すれば、来年はエプソムC、富士Sあたりで面白そうだ。まずは馬体を戻して自己条件を勝ち上がりたい。

ダークシャドウは中団の外を進み、3、4コーナーで外から早めに捲くってきたが、直線で伸び切れず0.3秒差の5着。菊花賞の権利を獲るために四位騎手が早めに動いたが、そのぶん最後に止まった。思ったほど馬体、後肢の踏み込みが良くなってこないため、今後もそこが課題。まずは東京で見直したい。

ゲシュタルトは2番手から伸び切れず14着。大逃げの2番手で自分から動かないといけない立場だったこともあり、最後に力尽きた。久々でも太め感なく仕上がっていたが、タフなレースで久々というのがモロに出た感じ。ダービー4着馬があまりに不甲斐ない負け方。ダービー組の扱いは慎重にした方が良さそうだ。

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