競馬アナリストGM
神戸新聞杯
レース回顧
ローズキングダムは内ラチ沿いの中団を進み、直線で内から馬群を捌いて抜け出すと最後はエイシンフラッシュの追撃をクビ差凌ぎ切ってレースを制した。前半5F63.1秒のスローペースだったが、ラスト5Fは57.9秒と早くレースのレベルは低くない。ローズキングダムの上がり3Fはメンバー最速タイの33.3秒。3着には3馬身差をつけていた。内で脚をタメて直線で抜け出すほぼ完璧な内容。並んだら抜かせない持ち味を発揮して最後まで抜かせなかった。春は馬体が減って細く映る時期もあったが、馬体が22キロ増えて実の入りが良くなり、後肢の踏み込みが力強くなっていた。これでもうワンランク上を目指せそうだ。次走は菊花賞になるが、スローペースなら距離は問題なさそうだ。ただし流れが速くなってよりスタミナが問われると未知数。それでも今年のメンバーなら能力の高さで対応できるのではないか。
エイシンフラッシュは中団からメンバー最速タイの33.3秒で上がってローズキングダムに迫ったが、最後まで抜かせずクビ差の惜しい2着。道中狭いところで揉まれてストレスのかかるレースだったが、最後は地力を見せた。道中少し折り合いを欠き気味だったが、それで最速の33.3秒で上がるのだから大したもの。スローのダービーを制したのは、やはりダテではない。春から馬体の造りに大きな変化はなかったが、久々としては上々の仕上がりだった。休み明けでも走るが、使った方が力を発揮できるタイプ。使ったことで折り合いも違ってくるはずだ。最終調教ではバネのあるフットワークを見せていたが、ダービー前はもっとバネがあり推進力もあった。ダービー前の状態に持っていけるかどうかがひとつのポイントになる。東京芝2400mが合うため、菊花賞の後はジャパンCに出走してもらいたい。
ビッグウィークはハナ切ったが、途中で控えて道中は3番手。直線でしぶとく伸びたが、前の2頭には3馬身離されて3着。もっと速い流れで大逃げをしても良かったが、本番前に無理したくないという面もあるのだろう。陣営の思惑通り、スローに落として菊花賞の出走権を確保。馬体は腹目が薄く華奢に映るが、これで走っているので現時点ではいいのだろう。心肺機能が高く、しぶとさのあるタイプ。本番ではヤマニンエルブと一緒に大逃げがありそうだ。
レーヴドリアンは後方を進み、3、4コーナーで外から上がってきたが、直線で一杯になって5着。スローペースで勝負どころでペースアップしたときに外から上がっては止まって当たり前。福永騎手は長丁場の成績が良くないということを裏付ける結果となった。馬体が14キロ増えて少し太かったため、次走は上積みが見込める。展開による面が大きいが、一発狙いに徹して内を突けば可能性はなくはない。
シルクオールディーは後方のまま見せ場なく10着。勝負どころでラップが上がると四位騎手の手が動き、直線では前が詰って一杯に追えなかった。スローの上がり勝負より、スタミナが問われる流れが合うタイプ。脚質とレースが全く逆ではこの結果も仕方ない。かなりのスタミナがあるため、菊花賞に出走できればまだ捨て切れない。ステイヤーズS、ダイヤモンドSなど、長丁場の重賞に出走したときは要注意。
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