高松宮記念
レース展望
春のスプリント王決定戦。過去１０年の１番人気は［３−２−２−３］で５連対。５歳馬は［２−２−０−１］で堅実だが、４歳馬は［０−０−０−１］、６歳馬は［０−０−２−１］で連対がなく不振。２番人気は［１−３−１−５］、３番人気は［３−１−２−４］で各４連対。連対馬２０頭のうち１７頭が５番人気以内。最近５年では１０頭のうち８頭が５番人気以内。上位人気馬が堅実だが、馬連は１０倍以下は２回しかなく、３０倍前後の中穴決着が多い。重馬場の０８年は１３番人気のペールギュントが激走して大波乱になった。
前走芝１２００ｍをステップに連対した１２頭のうち１０頭は前走連対していた。残る２頭には古馬混合Ｇ１で連対経験があった。前走芝１２００ｍを使った馬はこれがひとつの目安になる。年齢別では４歳［１−２−１−４３］、５歳［６−４−３−３３］、６歳［２−３−４−３７］、７歳［１−１−１−２１］、８歳以上［０−０−１−１６］で５歳馬の活躍が目立つ。昨年は５歳馬が２頭しかいなかったが、今年はサンカルロ、ジョーカプチーノ、レッドスパーダ、ワンカラットの４頭が出走する。レース傾向から５歳馬の激走に注意。
ジョーカプチーノはラピスラズリＳ、シルクロードＳを連勝し、芝１２００ｍでは４戦４勝。ラピスラズリＳは前半３Ｆ３３．２秒で逃げ切り勝ち。シルクロードＳは出遅れて後方からメンバー最速タイの３２．６秒で豪快に差し切った。ファルコンＳでも差して勝っているが、そのときの上がり３Ｆは３４．８秒。これまで３３秒台で上がったことがなかった馬が、ラスト３Ｆ３２．６秒で上がったことを評価したい。芝１２００ｍなら逃げ差し自在。ＮＨＫマイルＣを好タイムで制した馬でＧ１に壁はない。スピードと能力の絶対値が高い馬。
ダッシャーゴーゴーは前走オーシャンＳで好位からメンバー２位の３３．８秒で差し切り勝ち。休み明けで１４キロ増、初の５８キロ、外を回って自分から動いて勝ったのだから文句のつけようがない。昨秋にセントウルＳを勝ち、スプリターズＳで２位入線したのはダテではなかった。３歳春までは切れより地力タイプで早い上がりを繰り出せなかったが、今は末脚が強化されて確実に３３秒台で上がれる。これは大きな進化。阪神芝１２００ｍはセントウルＳを勝ったコース。得意コースでスプリンターズＳ降着の愛さを晴らすか。
キンシャサノキセキは一昨年のスワンＳ以降、芝１４００ｍ以下では［５−２−０−０］で重賞５勝、連対率１００％。前走のオーシャンＳは出遅れて後方を進み、メンバー最速の３３．４秒で追い込んで０．１秒差の２着。３コーナーで後方２番手で万事休すと思われたが、そこからリスボリ騎手が馬群を捌いて外に出し上がってきた。休み明けで５９キロを背負い、メンバー最速の末脚を繰り出して２着なら上々といえる。今回は定量５７キロで再度リスボリ騎手が騎乗する。昨年の高松宮記念の勝ち馬で勝てば史上初の連覇となる。
前走オーシャンＳ３着のレッドスパーダ、阪急杯の勝ち馬サンカルロ、昨年のマイルＣＳの勝ち馬エーシンフォワード、昨年のサマースプリントシリーズの王者ワンカラット、スプリントＧ１［０−２−１−２］のビービーガルダン、前走シルクロードＳ２着のアーバニティ、ダ１２００ｍで７戦７勝のサマーウインドなど伏兵は多士済々。レッドスパーダは前走初の芝１２００ｍで０．１秒差の３着なら上々。２走前の阪神カップではキンシャサノキセキにクビ差の２着に粘っている。芝１２００ｍ２戦目で横山典騎手がひと工夫してくるか。
サンカルロは前走阪急杯で久々に重賞制覇。阪神では阪神カップ２着、阪急杯３着があるようにコース相性がいい。昨年のスプリンターズＳ３着馬（繰り上がり）。スタートを決められるかがカギ。ワンカラットは前走馬体が２６キロ増えていた。今回は叩き２戦目、距離短縮と条件が好転する。阪神ではフィリーズレビュー１着、阪急杯２着がある。サマーウインドは久々の芝になるが、ダ１２００ｍ［６−１−０−０］のスリープレスナイトは芝１２００ｍ重賞３連勝でスプリンターズＳを制している。スピードと能力の絶対値が高い馬。
★レース展望で書いたことでも、その後の検討で考えが変わる場合があります。狙い馬の相馬眼的評価、本質＆死角などの詳細は「有力馬診断」、馬場傾向、穴馬などを含めた最終決断は「相馬眼予想」でお届けしています。
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