天皇賞(春)
有力馬診断
■[7]エイシンフラッシュ(1位評価)2着
昨年のダービーをメンバー最速の32.7秒で制した馬。神戸新聞杯はローズキングダムにクビ差の2着に負けたが、道中折り合いを欠いたのが敗因。3馬身差の3着に入ったビッグウィークは菊花賞を制した。ジャパンC8着は筋肉痛で菊花賞を取りやめた後でレースでは馬を前に置けず、タメを作れなかった。有馬記念7着は出遅れて位置取りが悪くなり、勝負どころで外に出せず追い出しが遅れたことが応えている。古馬G1で通用していないが、状態がひと息でレースでもまともに走っていないこともある。前走の大阪杯は休み明けで59キロを背負い、大外枠から終始外を回ってレコードと同タイムの3着。ヒルノダムールと同斤の57キロなら2馬身差をつけて楽勝していたのではないか。復調を示す上々の内容だった。
この好走で馬が気を良くしたのか、最終調教では本来のバネの利いた推進力のあるフットワークが戻ってきた。絶好調だったダービーのときのデキに近づいている。昨年秋はダービーで極限の上がりを繰り出して目一杯に走らせたことが影響したのではないか。今は落ちつきがあり、調教でも力みがない。芝2000mは[3−0−2−0]で堅実に走っているが、ダービー1着、神戸新聞杯2着の走りから長い距離もこなせる。スタミナと切れ味を兼ね備えた馬。本来は外を回っても折り合って進められるタイプで末脚の持続力と最後の爆発力が持ち味。
ラスト5Fを高速ラップでまとめられるトゥザグローリーは強いが、エイシンフラッシュも末脚に持続力があり、爆発力はトゥザグローリーより上。今年は確たる逃げ馬が不在で流れは落ち着きそうだ。過去10年で前走大阪杯出走馬は[3−1−2−20]だが、大阪杯で59キロを背負った馬は[3−1−1−2]に対し、58キロ以下だった馬は[0−0−1−18]。大阪杯から一気の距離延長に耐えられるのはG1馬のみ。エイシンフラッシュは菊花賞で距離を経験していない点がウィークポイント。調子がいいときは自在に立ち回れる持ち味を発揮してカバーできれば。
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