セントウルS
レース回顧

エーシンヴァーゴウは2番手を進み、直線で沈みかけたところでエンジンが点火し、最後はダッシャーゴーゴーを差し返し、ラッキーナインの追撃を振り切ってレースを制した。上位5頭はG1、G2で通用するレベル、6着以下はG3レベルといった結果になった。テイエムオオタカが逃げて前半3F34.1秒の緩い流れ。流れが向いたこともあるが、33秒台で上がった香港馬を完封したことは評価できる。アイビスSDから中3週が続いたが、馬体減りがなく、気配も落ちていなかった。前走の北九州記念は田辺騎手が早めに動いて終いが甘くなったが、4コーナーから直線入り口で少しタメを作ったことで最後まで脚を残していた。田辺騎手が前走の問題点を修正しての勝利。2勝していたカレンチャンを逆転し、サマースプリントシリーズ優勝を決めた。芝1200mをこなしているが、かなりのスピードがあるため、ベストは直線1000m。いずれは海外遠征に踏み切りそうだ。

ラッキーナインは中団から徐々に進出し、メンバー2位タイの33.9秒で内から鋭く伸びて頭差の2着。59キロを背負っていたため、勝ちに等しい内容。7枠13番スタートから内に入れて捌いてきたプレブル騎手は上手いが、58キロを背負てそれができるラッキーナインは絶対能力が高いのだろう。馬体が12キロ減っており、決して万全の状態ではなかったが、これだけ走れるのだから大したもの。スプリンターズSは中2週、中山への輸送など課題はあるが、デキが上向くようなら怖い存在になる。今年はシンガポールからロケットマンが出走予定。日本馬は厳しい戦いになる。

ダッシャーゴーゴーは中団の外から早めに上がって直線で抜け出しかけたが、最後に一杯になって0.1秒差の3着。緩い流れで折り合いを欠き気味に外を回り、58キロを背負って切れ味勝負になったことが応えた。もっと速い流れで地力勝負なら外枠をクリアできるが、流れが緩んだため勝負どころで行きっぷりが良過ぎて押さえが利かなかった。川田騎手はこの馬で2度降着しているため、安易に馬群に入れられないという面もあるのだろう。本番に向けては悪くない内容。2度あることは3度あると言うが、川田騎手が降着を恐れずに攻められるかどうかがひとつのポイントになる。

グリーンバーディーは中団の後ろからメンバー3位の33.9秒で伸びて0.2秒差の4位入線も4コーナーの走行妨害で14着に降着。アングランド騎手は日本で初めての騎乗でしかもテン乗りだった。グリーンバーディーは29キロ増で昨年よりかなり太く映ったが、それでも33秒台で上がったようにさすがに切れる。昨年のスプリンターズSは内枠がアダになって脚を余したため、枠順がひとつのポイントになりそうだ。

サンカルロは後方からメンバー最速の33.5秒で追い込んで0.2秒差の5位入線も4着に繰り上がり。前半の行きっぷりが悪く位置取りが後ろになったが、流れが緩んだことで余計に応えた。最後は内から鋭く伸びており、内容は悪くない。最近は芝1400m以下なら着実に33秒台で上がっている。本番は流れが緩む可能性は低い。昨年はダッシャーゴーゴーに先に入られて脚を余したが、今年も捌けるかどうかがポイントになる。

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