ローズS
レース展望

秋華賞トライアル。07年に外回りの芝1800mに変更された。過去10年で1番人気は[3−3−1−3]で6連対。前走がオークスでない馬は[2−1−1−0]だが、オークス直行馬は[1−2−0−3]でオークス馬は[0−0−0−3]。2番人気は[2−1−2−5]で3連対、3番人気は[1−1−1−7]で2連対。距離変更後の馬連は2倍、230倍、11倍、73倍で堅いか波乱両極端。オークスから直行した馬は[6−4−3−32]で連対した10頭のうち5頭は桜花賞で4着以内に入っていた。オークス直行組は桜花賞の成績を考慮したい。距離変更後の連対馬8頭は全て上がり3Fがメンバー3位以内。末脚の切れ味が問われる。

ホエールキャプチャは阪神JF2着、桜花賞2着、オークス3着。桜花賞は出遅れて後方を進み、大外からメンバー2位タイの34.3秒で鋭く伸びて2着。出遅れと外枠がアダになった。前走のオークスは出遅れて後方を進み、直線で外からメンバー最速の34.0秒で追い込んでクビ+ハナ差の3着。内に進路を取って出遅れをカバーしたが、馬場、展開を考えると位置取りが後ろ過ぎた。早い時期から仕上げてきたが、G1は3戦とも池添騎手が上手く乗れなかった。秋のG1に向けて期するものがあるのではないか。今回は休み明けになるが、坂路で好タイムを連発している。過去10年のローズSで池添騎手は[0−0−1−4](2番人気3頭)。

マルセリーナは桜花賞1着、オークス4着。桜花賞は出遅れた直後に挟まれて位置取りが悪くなったが、メンバー2位の34.3秒で一瞬のうちに突き抜けた。前走のオークスは後方からメンバー2位の34.3秒で伸びて0.4秒差の4着。スタートを決めて中団につけたが、安藤勝騎手が後方4番手まで下げた。当日は内を通った馬が有利な馬場。桜花賞で同じ上がりだったホエールキャプチャから離れて追走し、大外をブン回したのはなぜか。勝ったのは社台・吉田照氏のエリンコート。裏に社台の影がちらつく。今回は休み明けでテン乗りの福永騎手に乗り替わる。阪神外回りは2戦2勝。桜花賞のように末脚爆発か、それとも福永騎手らしい騎乗か。

エリンコートは3連勝でオークス制覇。スタートを決めて中団の少し前を進み、メンバー4位の34.5秒で差し切った。直線で斜行して社台のスピードリッパーと接触して審議になったが、社台の馬同士で降着がある訳はなく過怠金7万円。ホエールキャプチャが出遅れ、マルセリーナは控え過ぎて自滅し、雨で馬場が緩んで上がりが掛かったことがプラスに働いた。笹田調教師は調教助手時代にマックスビューティ、エアグルーヴ、ファインモーションを担当。牝馬の扱いは上手く、池江郎厩舎で使い込まれたレディアルバローザを復活させた。阪神芝1800mは500万条件で勝っている。アメリカで修業してきた後藤騎手の乗り方に注目したい。

クイーンC2着馬マイネイサベル、桜花賞4着馬メデタシ、春の重賞で5、4、6着に善戦したドナウブルー、忘れな草賞2着馬ハッピーグラスは春の実績馬を逆転するには成長力とパフォーマンスアップが必要。夏の上がり馬は500万、1000万条件を連勝したキョウワジャンヌ、リヴァーレ、500万条件を圧勝したビッグスマイル。3頭とも前走直線が平坦の新潟で52キロ。今回は直線に坂のある阪神で54キロ、かつ春のG1実績馬が相手。乗り越える壁は小さくはないが、実績馬の目標は次の秋華賞。3頭とも末脚が切れるため、実績馬の仕上げが甘く、展開によっては突っ込みがあるかもしれない。まずは実績馬の仕上がり具合に注目したい。

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