秋華賞
レース展望

牝馬3冠の最終戦。過去10年で1番人気は[3−2−2−3]で5連対。桜花賞連対馬は[2−1−2−2]で3連対、オークス連対馬は[1−0−1−1]で1連対。単勝2.5倍以下の1番人気は[3−2−1−1]、2.6倍以上は[0−0−1−2]。押し出されて1番人気になった馬は不振。2番人気は[6−1−1−2]で7連対、3番人気は[0−2−1−7]で3連対。2番人気は単勝3倍台までなら[5−0−0−0]で勝率100%。馬連は6年が10倍台、8年が20倍台までに収まっている。1番人気の単勝が10年で最高の3.6倍となった08年は11−8−16番人気で馬連230倍、3連単1000万馬券が飛び出した。

連対馬20頭のうち19頭が前走5着以内。前走6着以下は[1−0−3−64]でローズS15着から巻き返したブラックエンブレムはフラワーC勝ちがあった。前走大敗した馬は重賞勝ちが必要。前走条件戦は[0−0−1−25]、前走OP特別は全て紫苑Sで[0−0−2−33]。紫苑連対馬は[0−0−2−16]で3着止まり。今年の紫苑Sはレコード決着だった。ローズSから連対した16頭のうち13頭はローズSの上がり3Fがメンバー3位以内。今年は最速上がりで2着に突っ込んだマイネイサベルが対象になるが、スローの上がり勝負だった。先週の大原Sは1分56秒8のレコード決着。開催2週目の高速馬場がポイントになる。

ホエールキャプチャは阪神JF2着、桜花賞2着、オークス3着。阪神JFは直線で捌くのに手間取り、桜花賞は出遅れと外枠がアダになり、オークスは出遅れて位置取りが悪くなった。G1は3戦とも池添騎手が上手く乗れていない。秋初戦のローズSは3番手から33.8秒で抜け出して優勝。スローの上がり勝負に対応できたが、最後はマイネイサベルにクビ差まで迫られた。レースのラスト3Fは11.2−10.9−12.0秒でラスト1Fのラップが1.1秒も落ちた。池添騎手は馬が気を抜いたとコメントしている。池添騎手はアヴェンチュラで漁火SとクイーンSを連勝したが、ホエールキャプチャを選んだ。アヴェンチュラに負けられない立場だが、角居厩舎の管理馬に敵対心はない。池添騎手は04年の秋華賞をスイープトウショウで制している。

アヴェンチュラは阪神JFで大外からメンバー2位タイの34.1秒で伸びて0.4秒差の4着。スローペースで後方からでは届かなくて当たり前。まともなレースができていればレーヴディソールに迫ったのではないか。レース後に右前第3手根骨の骨折が判明し全治6ヶ月。復帰戦の漁火Sは好位からメンバー最速の35.4秒で抜け出して2馬身差で圧勝。休み明け、初の古馬相手を克服した。前走のクイーンSは終始外を回る厳しい展開になったが、外から捲ったコスモネモシンを最後に差し返して優勝。3、4コーナーで手が動いたが、最後までいい脚を長く使い、厳しいレースを制した。全姉トールポピーはオークスを勝った後、前向きさがなくなったが、アヴェンチュラは今のところ前向きがある。前走2走は上がりの掛かるレース。高速馬場が課題か。

マルセリーナは桜花賞馬。前走のローズSはで2番手から直線で伸び切れず6着。休み明けで馬体が16キロ増えており、道中折り合いを欠き気味だった。福永騎手がテン乗りだった影響もあるのだろう。馬体は16キロ全てが太いのではなく成長分もある。今回は攻めを強化して馬体を絞って勝負モードか。桜花賞が強かっただけにマイルがベストでなければ。エリンコートはオークス馬。前走のローズSは好位から伸び切れず10着。休み明けで馬体が14キロ増えており、スローの上がり勝負で切れ負け。ローズSでオークス馬は10キロ以上増で臨むのがパターンになっているが、直線で見せ場がなく、少し負け過ぎの感がある。オークスは良発表でも雨が降っており、平均ペースだった。京都は金曜と土曜に雨が降る予定。父はデュランダルでも地力タイプ。

マイネイサベルはローズSで中団からメンバー最速の33.3秒で伸びてクビ差の2着。松岡騎手の負傷で乗り替わった小牧騎手が着狙いに徹したことが上手く嵌ったが、初めて右回りで連対した。京都内回りの克服がカギになる。ピュアブリーゼはオークス2着馬。前走の紫苑Sは1番人気に支持されたが、2番手から失速して12着に終わった。太くはなかったが、見せ場がなかった。休み明け、高速馬場が応えたのか。カルマートは紫苑Sをレコード勝ち。しぶとく伸びてデルマドゥルガーをハナ差で完封した。馬と安藤勝騎手の持ち味が上手く融合された印象。安藤勝騎手は重賞で現在4戦連続2着。カルマートには2度目の騎乗となる。カルマートとは音楽用語で「静かに」という意味。母の母はビーサイレント、母はキープクワイエット。静かなる一族。

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