秋華賞
有力馬診断

■[7]アヴェンチュラ
2走前の漁火Sは好位からメンバー最速の35.4秒で抜け出して2馬身差で圧勝。長期休み明け、初の古馬相手、馬体28キロ増を克服して圧勝した。前走のクイーンSは外から捲ってきたコスモネモシンに交わされたが、最後に差し返した。前半5F58.4秒のハイペースの中、6番手で終始外を回り、3、4コーナーで池添騎手の手が動いたが、最後にひと伸びしてコスモネモシンを差し返したのだから大したもの。いい脚を長く使え、最後にひと伸びする底力がある。クイーンSは好メンバーが揃っており、厳しいレースの経験がないアヴェンチュラは不安があったが、厳しいレースで古馬を撃破したことを高く評価したい。飛びが大きく不器用に映るが、漁火Sでは内でタメて直線で外に出して差し切っている。今回は2枠4番に入ったため、その経験を生かせそうだ。勝負どころでズブく鞍上の手が動くが、直線でエンジンが掛かるとしぶとい脚を使う。切れより地力タイプのため、上がり勝負になると切れ負けの懸念があるが、秋華賞は内回りで短距離馬が出走しているため、流れが速くなることが多い。速い流れで上がりの掛かる展開になれば、搭載エンジンの違いで勝ち負けに持ち込むはずだ。2歳の阪神JFの時点で相馬眼的にレーヴィディソールの次に評価していた馬。レーヴィディールは次走のエリザベス女王杯で復帰する予定。怪物を倒すまで同世代の牝馬には負けられない。岩田騎手は土曜にダローネガで出遅れて2着に負けるなど、他のレースでも駄乗を繰り返していた。大きなレースを勝つ前はこういう騎乗する騎手が多い。

■[7]ホエールキャプチャ
阪神JFは直線で捌くのに手間取り2着。桜花賞は出遅れと外枠がアダになり2着。オークスは出遅れて位置取りが悪くなり3着。G1は3戦とも池添騎手が上手く乗れなかったことが響いたもので力負けではない。ただしスタートに課題があり、最後にガツンと伸びるほど末脚は切れない。本当に強い馬は不利を覆す。勝ち切れないのは、何かが足りないのだろう。オークスでメンバー最速の34.0秒で上がったことで距離の不安は薄れたが、おそらくベストは1600〜1800mあたり。前走のローズSでは3番手から内を突いてメンバー5位の33.8秒で抜け出して優勝。レースのラスト3Fは11.2−10.9−12.0秒。ラスト1Fのラップが1.1秒落ちたことで最後にマイネイサベルとキョウワジャンヌに迫られた。池添騎手は馬が気を抜いたとコメントしているが、スローの上がり勝負で切れ負けしたこともあるのだろう。ラップの落ち込みは距離が原因になることも多い。これまで[4−3−2−0]で全て3着以内を確保。出遅れて厳しい位置取りになってもメンバー1、2位の末脚で3着以内を確保している。スタートを決められれば、好位からのレースもできるように自在性がある。今回は歓声が届くスタンド前からの発走のため、スタートが大きなポイントになる。スタートさえ決められれば、レース巧者だけに大きく崩れることは考えにくい。古馬と戦える点では排気量の多いアヴェンチュラが優位という見立て。

■[6+]キョウワジャンヌ
3走前の鹿ケ谷特別ではメンバー2位の32.7秒で上がって3着ビッグスマイルを0.1秒完封。ビッグスマイルはローズSで0.1秒差の4着に入り、土曜の堀川特別を1分46秒0(稍重)で楽勝している。2走前のエクセル浜松開設記念では後方からメンバー最速の34.3秒で差し切り2馬身差で快勝。勝ちタイム1分20秒4は優秀。新潟芝内1400mは追い込みが決まりにくいが、一頭だけ次元の違う切れ味で一気に突き抜けた。経験則でこういう切れる脚を使った馬は重賞級に育つ馬が多い。前走のローズSはクビ+クビ差の3着。スローを意識して前に行ったこと、ビッグスマイルに外からマークされて直線で何度もぶつかったことが影響してガツンと切れなかったが、上がりはホエールキャプチャを0.1秒上回った。半兄キョウワロアリング、半姉ヘイローフジで短距離に実績のある血統だが、父がハーツクライに変わったことで兄姉より距離適性の幅が広くなっている。2000mがベストだとは思わないが、新潟芝1400mで一気に差し切ったように内回り向きの鋭い決め手がある。さらに3走前に京都で勝ったときのラスト3Fは11.1−11.2−11.2秒の高速ラップ。今の京都は馬場が渋っても高速馬場。この高速ラップの持続力と内回り向きの鋭い切れ味がアヴェンチュラとホエールキャプチャを逆転するための武器。1枠1番はギャンブルになる枠。道中折り合いってロスなく進めて直線で捌ければ一発がある。

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