日本ダービー
レース展望

過去10年で1番人気は[7−0−1−2]で7連対。1番人気の皐月賞馬は[3−0−1−1]で最近3年はアンライバルド12着、ヴィクトワールピサ3着、オルフェーヴル1着。2番人気は[1−1−0−8]で2連対、3番人気は[1−2−1−6]で3連対。最近5年のうち4年で7番人気以下が連対し、馬連は544倍、132倍、37倍、167倍、33倍。昨年は青葉賞馬ウインバリアシオンが10番人気で2着に入った。

過去10年の連対馬には全て重賞勝ちがあった。近年は7着アサクサキングス、9着スマイルジャック、14着ロジユニヴァース、13着リーチザクラウンなど皐月賞で負けた馬の巻き返しが目立つ。皐月賞はトリッキーな中山内回りで紛れがある。7、8枠から連対した2頭のうち1頭は重馬場。良馬場では[0−1−3−31]で1連対のみ。外枠に入った馬は不振傾向。最近4年では1枠1番が[3−1−0−0]で連対率100%。

ゴールドシップは皐月賞を最後方からメンバー最速の34.6秒で上がって2馬身半差で圧勝。3コーナーから内をショートカットして先団に取りつき、直線で一気に抜け出した。内田博騎手の好判断で内を突いたことが功を奏した。ただし勝てたのはコース取りだけではなく、荒れ馬場をこなすパワー&底力があるからこそ。1986年以降の皐月賞で共同通信杯から直行した馬は[0−0−3−14]だったが、データを打ち破った。

これまで[4−2−0−0]で上がり3Fは全てメンバー1、2位。ラジオNIKKEI杯2歳Sでは大外から捲って直線で一旦下がったが、最後にひと伸びしてグランデッツァを交わし2着を確保。並の馬ならあそこからひと伸びできない。あれが底力なのだろう。東京の共同通信杯では好位の内からメンバー2位の33.3秒で逃げたディープブリランテを差し切っている。ダービーを意識して東京を使ったことはプラスに働く。

トリッキーな中山の皐月賞を勝ったことで父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンの競走馬が2年連続で3冠を達成する可能性が出てきた。3冠を阻むのが、昨年の3冠馬オルフェーヴルを管理した池江寿厩舎のワールドエースというのが面白い。共同通信杯から皐月賞に直行した馬は勝てないデータがあったが、逆に共同通信杯と皐月賞を勝ったカブラヤオー、ミスターシービー、ナリタブライアンは全てダービーを制している。

ワールドエースは皐月賞で後方2番手から大外を回ってメンバー2位の34.9秒で追い込んで0.4秒差の2着。スタートしてから前の馬と接触して福永騎手が落馬しそうになるロスがあった。勝ったゴールドシップとはコース取りの差がかなり大きかった。この日の中山は外を通った馬が伸びており、福永騎手はその傾向に合った騎乗をしたもので騎乗を責める訳にはいかない。大外を回って2着を確保したように力は出している。

1986年以降に中山で行われた皐月賞で8〜11番枠は[0−5−7−82]で未勝利。中枠に入った馬はごちゃつきやすい。9番枠のワールドエースはスタートで躓いてデータ通り2着に負けた。それでも長距離輸送で馬体が減らず、初の中山でテンションが上がらず、渋った馬場で大外から切れる脚を使ったなど収穫はあった。ディープ産駒で小柄でも非力ではない。池江寿厩舎の管理馬はG1になると馬体がボリュームアップする。

これまで[3−2−0−0]で上がり3Fは全てメンバー1、2位。きさらぎ賞では大外からメンバー2位の33.0秒で豪快に差し切った。ラスト4Fは11.6−11.3−11.3−11.1秒で尻上がり&持続ラップ。直線の長いコースは合うが、切れ味優先の外差し馬場が理想か。福永騎手はダービーで[0−1−0−11]。2番人気のキングヘイローで14着に終わってから14年。今年はリーディング騎手として挑む。

ヒストリカルはきさらぎ賞で後方3番手からメンバー最速の32.8秒で追い込んで0.2秒差の2着。勝ったワールドエースの上がりを0.2秒上回った。前走の毎日杯は後方からメンバー最速の35.4秒で大外から豪快に差し切った。直線で前が詰まって直線で外に大きく持ち出すロスがあったが、そこから追い出すと猛然と伸びて一気に差し切った。直線では並の馬では届かない位置にいたが、そこから差し切ったのだから凄い。

毎日杯勝ち馬はNHKマイルCで好成績だが、陣営はダービー1本に絞った。カンパニーの半弟。小柄な馬だが、ディープインパクトの血が入ったことで切れ味が増している。スタートが遅く、エンジンの掛かりが遅いため、現時点では直線の長いコースが合っている。音無調教師は皐月賞をヴィクトリー、菊花賞をオウケンブルースリで制しており、ダービーを勝てば3冠トレーナーになる。安藤勝騎手はダービー2勝目が見えたか。

フェノーメノは青葉賞を中団からメンバー最速の34.1秒で差し切り2馬身半差で圧勝。中団から差すレースをしてメンバー最速の末脚で差し切ったことはダービーに繋がりそうだ。東京芝は3戦3勝。先行してしぶとい脚を使うこともできる。鞍上は今年の東京芝2400mで[4−1−0−3]の蛯名騎手。ダービーでは[0−0−1−18]で青葉賞馬ハイアーゲームの3着が最高。青葉賞馬がダービーを勝てば史上初となる。

皐月賞3着馬ディープブリランテ、同4着馬コスモオオゾラ、同5着馬グランデッツァ、京都新聞杯勝ち馬トーセンホマレボシ、NHKマイルC2着馬アルフレード、プリンシパルS勝ち馬スピルバーグなど伏兵は数多い。ディープブリランテは[2−2−1−0]で複勝率100%。東スポ杯2歳Sを勝ったときダービー候補と言われた馬。皐月賞でも前半折り合いを欠いたため、距離2400mをこなして折り合えるかがポイント。

コスモオオゾラは弥生賞を勝ち、皐月賞で4着に入った。馬場が渋ったときは[2−1−0−1]で連対率75%。良馬場では切れ負けの懸念があるため、馬場は渋った方がいい。グランデッツァは札幌2歳SとスプリングSを勝っている。皐月賞は後方3番手からメンバー3位の35.4秒で伸びて5着。Mデムーロ騎手は馬場を敗因にしたが、道中控え過ぎたのが堪えた印象。マルセリーナの半弟。直線の長い東京で巻き返せるか。

トーセンホマレボシは京都新聞杯を2番手から抜け出してコースレコードで圧勝。トーセンジョーダンの半弟。ウィリアムズ騎手が持ってくるか。アルフレードはNHKマイルCで外枠が堪えたが2着を確保。今回は大外枠で武豊騎手の手腕が問われる。スピルバーグは東京芝[2−1−1−0]で上がり3Fは全てメンバー最速。ダービーで4年連続連対中の1枠1番に入った。今週から東京はCコースに変更される。馬場設定に注意。

WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM

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