安田記念
レース展望
過去10年で1番人気は[1−0−1−8]で1連対のみ。唯一連対したのは、前年の勝ち馬で前走ヴィクトリアMを圧勝して単勝1.8倍に支持されたウオッカ。単勝4倍以上は[0−0−0−5]。押し出されて1番人気になった馬は不振。2番人気は[2−2−0−6]で4連対、3番人気は[1−1−1−7]で2連対。連対馬20頭のうち9頭が6番人気以下の人気薄。10年のうち7年で6番人気以下が連対している。
馬連は10年のうち5年が万馬券。かなり波乱傾向が強い。最近5年の連対馬10頭のうち8頭は490キロ以上、残る2頭は474キロ、486キロだった。最近は馬格のあるマイル重賞実績馬が活躍している。外国馬は[1−1−2−20]で2連対。前走チャンピオンズマイルで3着以内に入った香港馬は[1−1−1−9]、安田記念で5番人気以内なら[1−1−1−3]で複勝率50%。今年の香港馬は買いか軽視か。
今年は混戦メンバーでかなり人気が割れそう。まずは2つの前哨戦を制し3頭出しの西園厩舎。サダムパテックは近走不振が続いたが、前走京王杯SCを勝って完全復活。休み明けでも坂路で3週連続好タイムを出して攻めていたが、距離短縮、ウィリアムズ騎手でこれまでの走りが一変した。東京芝では京王杯SC1着、東スポ杯2歳S1着、皐月賞2着があり、芝1600mも守備範囲。またウィリアムズ騎手が持ってくるか。
シルポートは前走マイラーズCを前半3F34.3秒で逃げ切り勝ち。昨年とはコースは違うが、マイラーズCを連覇した。開幕週の渋った馬場が味方したが、4〜6月は[7−4−1−3]でこの時期に調子を上げるタイプでもある。昨年の安田記念は前半3F33.9秒で逃げて0.4秒差の8着に終わったが、1分32秒4で走っている。コスモセンサーは東京新聞杯2着、マイラーズC3着。最近は芝1600mで安定している。
昨年ワンツーを決めた堀厩舎は今年も2頭出し。リアルインパクトは昨年の安田記念を勝ったが、その後は勝ち切れず、前走のマイラーズCはシンガリの18着に終わった。東京芝は[2−2−1−0]の巧者。昨年より4キロ重い58キロを背負う。ストロングリターンは昨年の安田記念で中団の後ろからメンバー2位の33.8秒で伸びてクビ差の2着。3、4コーナーでごちゃついて下がり、位置取りが悪くなったことが堪えた。
昨年は難波S、京王杯SCを連勝して臨んだが、今年は骨折明けの京王杯SC4着に負けている。鞍上はテン乗りの福永騎手。安田記念に向けて手応えは掴んだか。福永騎手は3歳、3歳以上の芝G1で牝馬限定を除くと[2−12−15−110]で勝率1.4%。この条件で1番人気では[0−0−2−7]でカモネギの状態。これが日本のリーディング騎手の現実。先週のダービーは1番人気のワールドエースで4着に終わった。(壁を打ち破って欲しい。壁は越えるためにある)
次に取り上げるのはG1馬。アパパネはG1を5勝している実力馬。前走ヴィクトリアMは中団から伸び切れず0.4秒差の5着。道中内外からぶつけられて折り合いを欠き、直線でごちゃついたことが堪えた。叩き2戦目は[4−0−1−0]でG1を3勝しているが復活できなかった。牝馬限定G1は[5−0−2−1]だが、牡馬混合重賞ではマイラーズC4着、安田記念6着(1番人気)、香港マイル13着に終わっている。
叩き3戦目は[2−0−1−2]で阪神JFとオークスを制している。前走ヴィクトリアMは目一杯に走っていない。昨年のヴィクトリアMは前半5F55.9秒のハイペースでブエナビスタとの死闘を1分31秒9で制した。牡馬混合戦、56キロと条件は厳しいが、負けた安田記念とヴィクトリアMで狙った人はもう一度狙ってもいいのではないか。蛯名騎手は「終わってないよ」とコメント。競馬で勝つためには信じることも必要。
エイシンアポロンは昨年のマイルCS勝ち馬。稍重の馬場と内枠を味方につけて5番手から抜け出した。前走のマイラーズCは14着に惨敗。中山記念を背中の筋肉痛で回避した影響があったか。馬体が10キロ増えていたため、どこまで絞れるかがカギ。休み明けを除き芝1600m前後で渋った馬場なら4戦4勝。馬場が渋ったら要注意。グランプリボスは昨年のNHKマイルを1分32秒2で制したが、近走不振が続いている。
今回は坂路で1番時計を出し攻めている。東京芝では京王杯SCも制しており、大きく崩れていない。先週のダービーを制した矢作厩舎が意地で持ってくるか。マルセリーナは昨年の桜花賞馬。前走のヴィクトリアMは後方の内からメンバー最速の33.5秒で伸びて0.3秒差の3着。出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。昨年のマイルCSは直線で捌くのに苦労して0.4秒差の6着。ディープ産駒の牝馬が激走するか。
中長距離路線から転戦してきたローズキングダム、ペルーサ、昨年のマイルCS2着馬フィフスペトル、東京新聞杯とダービー卿CTを制したガルボ、前走ヴィクトリアM2着のドナウブルーなど伏兵は数多い。ローズキングダムの武豊騎手は社台と和解したのか、単に勝負にならない馬に騎乗するだけか。朝日杯FSでエイシンアポロンに勝っている。ペルーサは天皇賞(秋)で2、3着がある。初のマイルはプラスかマイナスか。
香港からは前走チャンピオンズマイルで2、3着に入ったグロリアスデイズ、ラッキーナインが出走する。グロリアスデイズは重賞未勝利だが[5−3−0−0]で連対率100%。安田記念でホワイト騎手はアルマダで2着がある。ラッキーナインは昨秋に日本に遠征しセントウルS2着、スプリンターズS5着。スプリンターズSでは直線で前が詰まる不利があった。プレブル騎手はブリッシュラックで安田記念を制している。
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競馬アナリストGM
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