マーメイドS
レース展望

06年にハンデ戦に変更された。過去10年で1番人気は[1−0−0−9]で1連対。唯一勝ったアドマイヤグルーヴは単勝1.5倍。ハンデ戦変更後は[0−0−0−6]で不振。2番人気は[3−3−1−3]で6連対、3番人気は[2−2−0−6]で4連対。ハンデ戦変更後は6年のうち5年で7番人気以下が連対し、馬連は53倍、19倍、740倍、52倍、84倍、34倍で全て中穴以上の決着。波乱傾向が強い。

ハンデ戦変更後の連対馬12頭のうち9頭は53キロ以下で残る3頭は54、55、56キロ。昨年は55キロと56キロで決着したが、その前の5年で55キロ以上は[0−0−1−20]で3着が1回あるのみ。53キロ以下の逃げ先行タイプが活躍している。ハンデ戦変更後は開幕週に行われていたが、今年は開催3週目に行われる。芝コースは今週からA→Bコースに変更される。まずは土曜の競馬で馬場傾向を見極めたい。

エリンコートは昨年のオークス馬。オークス優勝後は4走して全て2桁着順に終わったが、G1馬のため、トップハンデ56キロを課せられた。阪神芝は[2−0−0−1]で忘れな草賞を勝っている。ハンデ戦変更後、重ハンデ馬は不振が続いているが、ひと息入れてどこまで復調してくるか。早い持ちタイムがないため、雨で馬場が渋るのはプラスに働きそう。オークス時は雨が降っていた。テン乗りの浜中騎手に乗り替わる。

過去10年のマーメイドSで3歳以上の牝馬限定G1馬は、テイエムオーシャンが59キロで2着、スマイルトゥモローが56キロで7着、アドマイヤグルーヴが57キロで1着、ダイワエルシーエロが56キロで1着、ハンデ戦変更後はレジネッタが56キロで15着、リトルアマポーラが56.5キロで3着、57キロで11着。重い斤量を克服した馬もいる。エリンコートは鞍馬Sを勝ったヘニーハウンドのように復活できるか。

グルヴェイグは1000万条件を2連勝。前走のホンコンJCTは3番手からメンバー2位の33.7秒で抜け出して3馬身差で圧勝。メンバーは弱かったが、広い東京でひと皮剥けたような走りを見せた。父ディープインパクト、母エアグルーヴ、半姉にアドマイヤグルーヴ、半兄にルーラーシップがいる良血馬。昨年グルヴェイグと同じように格上挑戦でエリザベス女王杯に出走したオールザットジャズは福島牝馬Sを制している。

G1で強い馬を相手に揉まれた経験は馬を成長させる。グルヴェイグは2走前に馬体が14キロ増えてひと回り大きくなり、非力な面が少し解消された。格上挑戦のため53キロで出走できるが、前走1000万条件を勝った他の2頭は50キロ。ハンデは3キロ見込まれている。しかも東京で使った後の中1週での出走になる。課題は多いが、良血馬だけに一気の素質開花もあり得る。馬主はサンデーR、鞍上はウィリアムズ騎手。

前走ストークSを逃げ切ってオープン入りしたスマートシルエット、昨年の秋華賞4着馬アカンサス、一昨年の秋華賞2着馬アニメイトバイオ、逃げればしぶといアグネスワルツ、前走パールSを勝ってオープン入りしたシースナイプなど伏兵は数多い。スマートシルエットは夏に調子を上げるタイプでしぶとさが増してきた。阪神芝は[1−1−1−0]で距離2000mも守備範囲。中1週になるが、久々に武豊騎手が騎乗する。

アカンサスは2000mは1F長いが、秋華賞で4着に突っ込んだようにタメれば切れる脚を使える。馬場は渋らない方がいい。アニメイトバイオは近走不振も馬体は絞れてきている。芝2000mは[0−1−1−0]で秋華賞2着、七夕賞3着がある。08年は重馬場で48キロのトーホウシャイン(12人気)、52キロのピースオブラヴ(10人気)で大波乱になった。雨で馬場が悪化したら軽量馬で一発を狙う馬券作戦も一考。

小島茂之調教師からの不服申立ては棄却された。多くの競馬ファンは棄却の理由を見ておかしいと納得できずにいる。JRAに競馬ファンの声は届いたのだろうか。競馬ファンが「公正競馬」に疑問を持てば、馬券を購入する意欲が失われる。規定が悪いのなら、規定を改善するなど前向きな方策を考えるべきなのではないか。もしそれができなければ、競馬ファンはアクションを起こすことになる。JRAトップの英断を期待したい。

WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM

[Home]