宝塚記念
相馬眼予想(抜粋)

阪神は晴れ、芝ダートとも良馬場。例年は開催2週目に行われるが、今年は最終週に行われる。先週はBコースに変更されたが、馬場の内側が荒れており、前に行く馬は内を空けて走っていた。土曜は良馬場に回復したことで各馬外を回す傾向は少し薄れたが、内が荒れているため、外からの差しが決まりやすかった。

土曜メインの米子S(芝1600m)では最後方からフラガラッハがメンバー最速の32.6秒で大外一気を決めている。直線の長い外回りだからできる芸当ではあるが、内側が荒れていることで差しが決まりやすくなっているのは確か。馬場が乾いたことで先週より上がりが速くなっている。決め手のある馬に注意したい。

次に展開だが、逃げるのはネコパンチ。2番手にビートブラック、好位にアーネストリー、フェデラリスト、トゥザグローリー、中団にエイシンフラッシュ、ルーラーシップ、オルフェーヴル、後方からショウナンマイティ、ウインバリアシオンといった展開。ネコパンチが逃げてビートブラックが途中から先頭に立つのだろう。

過去5年の前半5Fと連対馬の脚質は57.5秒(稍重)(追込−差し)、60.6秒(重)(逃げ−差し)、59.0秒(追込−好位)、60.0秒(稍重)(差し−好位)、58.7秒(2番手−追込)。渋った馬場で60秒前後は少し速い流れ。近年は前半5Fが61秒台に落ちたことはない。今年もスローはなさそう。

流れが速くなると差しが決まりやすいが、昨年はアーネストリーが2番手から押し切っている。ただし昨年は開催2週目でレコードが出る高速馬場だった。今年は最終週で昨年より時計が掛かり、外差しが決まりやすい馬場設定。前に行った馬と差し追い込み馬で決着することが多いが、今年は差し追い込み馬同士の可能性がある。

今年の中長距離重賞戦線は日経新春杯をトゥザグローリー、AJC杯をルーラーシップが勝ったが、その後1番人気は不振。阪神大賞典はオルフェーヴルが逸走、日経賞はネコパンチが逃げ切り、産経大阪杯はスローペースでショウナンマイティが大外一気、天皇賞(春)はビートブラックが大逃げで粘り込んでいる。

日経新春杯とAJC杯はレーティングが過去8年で最高レベル。その他のレースはレベルが高くない。能力のある馬が力を出せない状態が続いているのだろう。阪神大賞典と天皇賞(春)はオルフェーヴルが力を出していない。トゥザグローリー、ルーラーシップは有馬記念3、4着。有馬記念はスローでもレベルが高かった。

今年は逃げ宣言をしたネコパンチが逃げてビートブラックが追いかけて2頭が大逃げになる可能性がある。オルフェーヴルは阪神大賞典のように逸走はできないが、天皇賞(春)のように控え過ぎて届かない位置から進めることもできない。中団なら前と離されないように進め、後方ならジリジリと脚を使って追い上げるのだろう。

大逃げを追いかける展開は仕掛けのタイミングが難しいが、ビートブラックが天皇賞(春)を逃げ切ったこともあり、後続は早めに動くはずだ。オルフェーヴルを意識して各馬の仕掛けが遅れる可能性は低い。オルフェーヴルが外を回って強気にロングスパートすれば、他馬も動かざるを得ない。一発があるなら差し追い込み馬か。

能力、適性、脚質、枠順、調子などを総合的に判断して狙いたいのはオルフェーヴル。有力馬のほとんどはレベルの高い有馬記念で負かしている。有馬記念とは斤量が違うが、このレベルの馬が58キロをこなせないとは思わない。昨年秋の絶好調時とは仕上がりが違うが、超一流馬は普通に仕上がればG1でも勝ち負けできる。

大外枠から解放され、距離短縮もプラス。高速馬場もこなせるが、より地力が問われるという点で力のいる馬場の方が合っている。スローペースにはならないため、折り合いもつけやすい。外差しが決まる馬場で外を回って追い上げても大きなロスにはならない。人気は落ちたが、勝ち負けできる下地はあるとみて強気に狙いたい。

ルーラーシップは前走内をロスなく回って内から抜け出して勝ったことを評価。今回は内を生かせる馬場ではないが、その経験は多頭数のレースで生きるはずだ。ウィリアムズ騎手が騎乗するため、スタートと流れ次第で好位につける可能性もある。想定よりも時計の早い決着、高速上がりにならなければ、好勝負するとみる。

穴馬はショウナンマイティ。前4走阪神でメンバー最速上がりを繰り出して連対を確保。前走不利な展開で最速の32.9秒で追い込んだように末脚の威力が増している。これまでのレース結果から直線が長い外回りより短い内回りの方がより末脚の威力を生かせる。オルフェーヴルが早めに動く展開はプラスに働く。

1枠に入ったため、前半から馬場の悪い内を通らされるが、荒れ馬場を苦にしないタイプ。JRAは非社台のウインバリアシオン、ショウナンマイティを不利な1枠に入れたが、ショウナンマイティは荒れ馬場をこなす点を見逃している。今の阪神は外差しが決まる。オルフェーヴルが早めに動けば大外から突っ込んでくるはずだ。

◎オルフェーヴル 1着
○ルーラーシップ 2着
穴△ショウナンマイティ 3着

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