ジャパンC
レース展望

過去10年で1番人気は[3−2−4−1]で5連対。単勝1.4倍以下は[1−0−0−0]だが、単勝1.5〜1.9倍は[0−1−2−0]で2、3着が多い。2番人気は[1−3−1−5]で4連対、3番人気は[1−0−1−8]で1連対。連対馬20頭のうち16頭が5番人気以内。10番人気以下は[0−1−1−74]で1連対のみ。最近5年の馬連は36倍、76倍、10倍、7倍、23倍で中穴決着が多い。

関東馬[2−0−4−22]、関西馬[6−8−5−60]、外国馬[2−1−1−49]。連対した関西馬は14頭のうち13頭が5番人気以内。G1実績のある人気の関西馬を重視。外国馬は06年以降[0−0−1−25]で不振。昨年は前走凱旋門賞を制したデインドリームが1番人気で6着に終わった。外国馬は日本の高速馬場に対応できるかがポイントになる。全馬が不利なく力を出し切るフェアなレースを期待したい。

オルフェーヴルは阪神大賞典で3コーナーで逸走して2着、天皇賞(春)は折り合いを意識して後方でタメ過ぎて11着に終わったが、池江調教師が7割のデキとコメントした宝塚記念は直線で内を突いて抜け出し2馬身差で快勝。まるでワープしたかのように一瞬のうちに抜け出した。海外初戦のフォワ賞は内から差し切って快勝。前走の凱旋門賞は直線で抜け出した後に内に寄れて最後にソレミアに差されてクビ差の2着に終わった。

スミヨン騎手の仕掛けが早かったなど色々な批判はあるようだが、ある意味オルフェーヴルらしい走りだった。世界のホースマンに世界最強レベルと認識させるのには十分な走りだったのではないか。最大目標の凱旋門賞を勝てば引退種牡馬入りの可能性が高かったが、負けたことでジャパンCに参戦してきた。フランス遠征で目一杯の競馬をした後のレースだけに状態面に不安があるが、坂路で急ピッチに乗り込んで仕上げている。

東京芝2400mはダービーを勝ったコース。ダービーは不良馬場で直線で挟まれる不利がありながら、レースのラスト3Fが12.3−12.2−12.0秒で尻上がりだった。昨年の有馬記念ではスローの上がり勝負で大外を捲ってラスト4F11.9−11.4−11.3−11.3秒の尻上がり&持続ラップで勝っている。高速馬場も不良馬場もこなすスーパーホース。気性面は別にしてディープインパクトに近い能力がある。

陣営は凱旋門賞馬ソレミアにリベンジというより、日本馬の方が怖いのではないか。折り合い面はまだクリアできておらず、今回は今年負けた阪神大賞典、天皇賞(春)、凱旋門賞と同じ大外枠に入った。大外枠で折り合いをつけられるか、池添騎手は真価が問われそうだ。東京芝2400mはスタンド前からのスタートで大きな歓声がある。能力は世界最強レベルだが、池添騎手、池江調教師は折り合い以外の死角に気付いているのだろうか。

ジェンティルドンナは史上4頭目の3冠牝馬。オークスはレースレコードで5馬身差で圧勝。勝ちタイム2分23秒6は翌日のダービーより0.2秒速い。秋華賞は超スローの上がり勝負で大外を回る厳しいレースになったが、最後はヴィルシーナとの叩き合いをハナ差で制した。京都芝2000mは紛れがあるコース。秋華賞でウオッカは3着、ブエナビスタは3着(2位降着)に終わったが、ジェンティルドンナは力で捻じ伏せた。

牝馬3冠を達成したメジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネは牡馬混合G1で通用しなかったが、ジェンティルドンナは通用するのだろうか。ジャパンCで秋華賞馬は[0−1−1−0]でファビラスラフインがハナ差の2着、レッドディザイアが0.3秒差の3着に入っている。秋華賞3着の後、エリザベス女王杯を取り消して臨んだウオッカは0.2秒差の4着だった。53キロを味方に古馬の一線級を相手に善戦している。

エリザベス女王杯に出走すれば1着賞金9000万円を手にする可能性が高かったが、陣営は敢えてジャパンCに使ってきた。陣営はオルフェーヴルが相手でも通用するとみているのだろうか。オークスの走りではこのメンバーでは足りないが、秋になっての成長と2キロ減の53キロでパフォーマンスアップの可能性はある。メンバー唯一のディープインパクト産駒。相馬眼的に牝馬初のスーパーホースになる可能性を秘めている。

エイシンフラッシュはスローの上がり勝負になったダービーを制してから勝ち切れないレースが続いていたが、前走天皇賞(秋)を勝ち完全復活。中団の後ろから最内を突いてメンバー最速タイの33.1秒で豪快に差し切った。前半5F57.3秒の速い流れでも2番手以下は離れており実質はスローの上がり勝負。Mデムーロ騎手が脚をタメて持ち味を引き出した。前2年のジャパンCは0.7秒差の8着。流れと折り合いがカギになる。

フェノーメノは天皇賞(秋)で4番手から33.8秒で伸びて半馬身差の2着。内からエイシンフラッシュに差されたが、最後までしぶとく伸びて差を詰めていた。3歳馬が初の古馬相手で1番人気に支持され、正攻法のレースで勝ち負けした。東京芝は[3−2−0−0]で東京芝2400mでは青葉賞を勝ち、ダービーで2着がある。レースが上手く好位からしぶとい脚を使えるタイプ。好枠に入ったため、今回も正攻法のレースか。

ルーラーシップは昨年までG1では5、6、6、5、4着だったが、今年はクイーンエリザベス2世Cを勝ち、宝塚記念2着、天皇賞(秋)3着。馬体が充実して地力が強化され、G1で勝ち負けしている。休み明けの天皇賞(秋)は馬体が18キロ増えていたが、後方からメンバー最速タイの33.1秒で伸びて0.3秒差の3着まで追い上げた。母はジャパンCで2年連続2着のエアグルーヴ。叩き2戦目でウィリアムズ騎手が騎乗する。

凱旋門賞馬ソレミア、前走天皇賞(秋)4着のダークシャドウ、昨年の2着馬トーセンジョーダン、同3着馬ジャガーメイル、一昨年の勝ち馬ローズキングダム、京都大賞典勝ち馬メイショウカンパク、天皇賞(春)勝ち馬ビートブラックなど伏兵は数多い。ソレミアは渋った馬場に実績が集中しており、凱旋門賞は重馬場で勝ちタイムは2分37秒6だった。昨年は凱旋門賞を2分24秒4で圧勝したデインドリームが6着に終わっている。

ダークシャドウは前走天皇賞(秋)で0.4秒差の4着。流れを考えると位置取りが後ろ過ぎた。最近は福永騎手でお茶を濁して外国人騎手で勝負という陣営が多い。東京芝は[5−1−0−1]の巧者。距離2400mは少し長いが、Mデムーロ騎手がどう乗るか。オルフェーヴルが王者の貫録を示すか、ソレミアに返り討ちに合うのか、3歳馬ジェンティルドンナ、フェノーメノが頂点を極めるのか、ルーラーシップが初の国内G1制覇を達成するのか、興味が尽きない一戦になった。能力と末脚の威力が問われるハイレベルなレースになる。

★先週の予想結果

◆競馬道場(競馬アナリストGM)
東スポ杯2歳S 馬単660円 3連単6,330円的中![◎○☆]

◆MR予想(万馬券MR)
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