ヴィクトリアマイル
レース展望

06年に新設された古馬牝馬限定G1。過去7年で1番人気は[2−2−0−3]で4連対。連対したのはウオッカ(2回)とブエナビスタ(2回)。単勝1倍台は[2−1−0−0]、2倍台は[0−1−0−2]、3倍以上は[0−0−0−1]で信頼度は単勝オッズに比例する。2番人気は[2−0−0−5]で2連対、3番人気は[0−1−2−4]で1連対のみ。過去7年のうち5年で7番人気以下が連対し、馬連は10倍、307倍、16倍、53倍、24倍、2倍、27倍で中穴決着が多い。一線級の古馬牝馬が揃うが堅くない。

年齢別では、4歳[5−6−3−53]、5歳[2−1−2−27]、6歳[0−0−2−17]、7歳以上[0−0−0−7]で4、5歳馬の活躍が目立つ。6歳以上は[0−0−2−24]で3着止まり。5歳で連対した3頭は1、2番人気。7番人気以下で連対した5頭は全て4歳馬。穴で人気の盲点になった4歳馬の激走に注意。10番人気以下で3着以内に入った3頭は前走ダービー卿CT2着、福島牝馬S1着、中山牝馬S1着で3頭とも重賞で連対していた。穴で前走重賞連対がフロック視されて人気にならなかった馬に注意。

ハナズゴールはリゲルSと京都牝馬Sをメンバー最速の末脚で差し切って連勝。2戦とも本格化を窺わせる勝ち方だった。前走阪神牝馬Sは中団の後ろからメンバー5位の33.7秒で伸びて0.3秒差の4着。陣営は渋った馬場は問題ないとコメントしていたが、切れ味が持ち味の小柄な馬だけに良発表でも雨で緩んだ馬場が堪えたのだろう。前走から1キロ増の55キロ、Bコース変更、土曜に雨が降る予報が出ている点が課題だが、距離が1F延びるのはプラス。久々の関東圏のため輸送で馬体が減らず、良馬場なら巻き返しがありそうだ。

ヴィルシーナは昨年の桜花賞、オークス、秋華賞2着馬。牝馬3冠を達成したジェンティルドンナはジャパンCを制している。2走前のエリザベス女王杯は重馬場で前に行った馬に厳しいレースになったが、しぶとく伸びてクビ差の2着。前走産経大阪杯は0.8秒差の6着。休み明けで大外枠から終始外を回ったことが堪えたが、牡馬の一線級とは現時点では力差があるのだろう。牝馬限定重賞では[1−5−0−0]で連対率100%。芝1600mは[1−1−0−0]でクイーンC1着、桜花賞2着がある。陣営が狙うのは1着だけか。

オールザットジャズは福島牝馬Sを2連覇。芝1800mは[5−3−1−2]でベストなのだろう。昨年のヴィクトリアマイルは16着に終わったが、内を通った馬が有利な馬場で外枠から出遅れて外々を回り、全く力を出せなかった。陣営は岩田騎手を確保している。サウンドオブハートは洛陽Sと阪神牝馬Sを連勝。長距離輸送をクリアして馬体が減らなくなった。桜花賞後に骨折した馬が、復帰後は4戦3勝。さらに相手が強くなる点と高速決着が課題か。欧州遠征を引き上げたオルフェーヴルの日本での主戦池添騎手が3戦連続で騎乗する。

中山牝馬S勝ち馬マイネイサベル、エリザベス女王杯勝ち馬レインボーダリア、一昨年の阪神JF勝ち馬ジョワドヴィーヴル、昨年のヴィクトリアマイル勝ち馬ホエールキャプチャ、同2着馬ドナウブルー、重賞4勝の実力馬フミノイマージン、前走阪神牝馬S2着のイチオクノホシ、京都牝馬S2着馬エーシンメンフィスなど伏兵は多士済々。雨で馬場が渋ると不利に働く馬がいるため、レース当日の馬場状態に注意を払いたい。

マイネイサベルは府中牝馬S1着、中山牝馬S1着、福島牝馬S2着と重賞で堅実に走っている。前走福島牝馬Sは輸送して14キロ増で少し太かったか。3走前のエリザベス女王杯は7着に終わったが重馬場だった。松岡騎手が騎乗停止のため、柴田大騎手に乗り替わる。マイネル&柴田大騎手のG1確変モードもありえる。レインボーダリアは前走マイラーズCで7着に終わったが、牡馬相手のG2で0.3秒差なら悪くない。高齢馬不振のデータを破って連対できるか。実力が接近しているため、馬場状態、枠順など外部条件に注意したい。

WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM

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