日本ダービー
レース展望

過去10年で1番人気は[6−0−1−3]で6連対。1番人気の皐月賞馬は[4−0−1−1]でネオユニヴァース、ディープインパクト、メイショウサムソン、オルフェーヴルが2冠を達成した。2番人気は[1−1−0−8]で2連対、3番人気は[2−1−1−6]で3連対。6番人気以下で連対した4頭は14、12、7、10番人気。最近6年の馬連は544倍、132倍、37倍、167倍、33倍、56倍で全て中穴以上の決着。最近5年で皐月賞馬は[1−0−1−3]で1連対。皐月賞馬の不振が波乱に拍車をかけている。

連対馬20頭のうち15頭が前走3着以内。前走4着以下は皐月賞、NHKマイルC組が巻き返している。前走G2で負けた馬は[0−0−0−30]、前走OP特別は[0−0−1−21]で不振。前走G1好走馬と前走G2勝ち馬を重視したい。過去10年の連対馬には全て重賞勝ちがあり、6番人気以下で連対した4頭はきさらぎ賞、スプリングS、京成杯、青葉賞を勝っていた。穴で前走皐月賞で負けた重賞勝ち馬と前走G2勝ち馬に注意。最近5年で1枠1番は[3−1−0−1]で連対率80%。今年は武豊騎手のキズナが入った。

ロゴタイプはベコニア賞、朝日杯FS、スプリングS、皐月賞を4連勝。前走皐月賞は内ラチ沿いの7番手から勝負どころで外に出して早めにスパートし、メンバー3位の35.3秒で外からエピファネイアを捻じ伏せた。1分58秒0のレコードで勝ち、距離不安を払拭。スタート後にコディーノと接触し、4コーナーでカミノタカハラとも接触したが、最後までしっかり走ったように精神面が強いのだろう。心肺機能が高く、末脚の持続力があり、速い流れでも簡単にはバテないタイプ。東京では2歳時にベコニア賞をレコードで勝っている。

過去10年でスプリングSと皐月賞を連勝した馬は[1−1−0−1]でネオユニヴァースとメイショウサムソンが勝ち、アンライバルドが12着。過去10年で朝日杯FS勝ち馬は[0−1−0−7]でローズキングダムが2着。ロゴタイプは芝1200mでデビューし、距離を延ばしてパフォーマンスを引き上げてきた。距離2400mと東京で決め手勝負になったときに課題があるが、底力で捻じ伏せるか。今回はCデム−ロ騎手に乗り替わる。日本ダービーを乗り替わりで勝てば、1985年のシリウスシンボリ以来28年ぶりとなる。

キズナは[4−0−1−1]で毎日杯と京都新聞杯を連勝した。ラジオNIKKEI杯2歳S3着は馬体増、スローの上がり勝負、直線で内外から挟まれたことが堪えている。弥生賞5着は武豊騎手が控え過ぎて位置取りが悪くなり、直線で前が詰まってトップギアに入らなかった。毎日杯は後方3番手からメンバー最速の34.3秒で大外一気を決めて3馬身差で圧勝。前半5F58.6秒のハイペースで上がりの掛かる消耗戦になり持ち味を生かせた。京都新聞杯は出遅れて最後方からメンバー最速の34.5秒で外から豪快に差し切った。

毎日杯と京都新聞杯は皐月賞と比べるとメンバーが弱かった。ただし毎日杯の勝ちタイム1分46秒2は変則2冠を達成したディープスカイに0.2秒差の好タイム。レースレベルは低くない。過去10年のダービーで前走G2勝ち馬は[0−6−2−11]で未勝利。京都新聞杯勝ち馬は[0−2−1−6]でハーツクライとインティライミの2着が最高。非社台の馬だけに武豊騎手が社台の包囲網をいかに潜り抜けるかがひとつのポイント。確変モードの1枠1番に入ったが、脚質的に乗り難しい。武豊騎手の腕に期待する部分が大きくなる。

エピファネイアは新馬、京都2歳S、ラジオNIKKEI杯2歳Sを最速上がりで3連勝。弥生賞は3番手から早めに先頭に立ったが、最後に一杯になって0.1秒差の4着。休み明け、大外枠、テン乗りのビュィック騎手で道中力んでいた。皐月賞は7番手から直線で抜け出しかけたが、ロゴタイプに差されて半馬身差の2着。1、2コーナーで折り合いを欠いたことが最後に響いている。まだ折り合い面をクリアできていない。スローペースの経験しかなかった馬が、ハイペースで外を回って1分58秒1で走り、能力の高さを証明した。

母シーザリオは日米オークス馬。福永騎手はシーザリオで[5−0−0−0]、エピファネイアで[3−1−0−0]でまだ連対を外していない。調教後の馬体重は4キロ減。当日の馬体重に注意。日本ダービーで福永騎手は[0−1−0−12]でアサクサキングスで2着がある。昨年は1番人気のワールドエースで4着に終わった。日本ダービー初騎乗となった98年のキングヘイロー(皐月2着馬、2番人気)は掛かって14着に終わった。あれから15年。折り合いが最大のポイント。ソエっ気が出たため、最終調教は坂路に切り替えている。

コディーノは新馬、札幌2歳S、東スポ杯2歳Sを3連勝した後、朝日杯FS2着、弥生賞3着、皐月賞3着と勝ち切れないレースが続いている。朝日杯FSは3コーナーで外に出したときにガツンと掛かって先頭に並びかけたことが堪えている。弥生賞は横山典騎手が折り合いを重視して内にこだわって位置取りが悪くなり、直線でもスムーズさを欠いた。皐月賞はスタート後にロゴタイプと接触したことで道中力んで走り、勝負どころで外から同じ社台系のエピファネイアにマークされて馬場のいい外に出せず、追い出しが遅れたことが堪えている。

3戦連続で中山を使って2、3、3着。半兄ラヴェルソナタ、半姉パストフォリアは右回りでは[0−0−0−4]、[0−0−0−3]。コディーノは右回りが下手ではないが、急坂のある中山は持ち味が生かしにくいのか。弥生賞、皐月賞は生ぬるい仕上げだったことも影響している。ただしテンションが上がるため強い調教ができない面もある。藤沢和厩舎は3頭出しで水曜に東京に輸送して異例の東京追いを敢行している。どこまで攻めてくるか。今回は横山典騎手からウィリアムズ騎手に乗り替わる。テン乗りと距離2400mがカギ。

NHKマイルC勝ち馬マイネルホウオウ、同3着馬フラムドグロワール、青葉賞馬ヒラボクディープ、同2着馬アポロソニック、プリンシパルS勝ち馬サムソンズプライド、きさらぎ賞勝ち馬タマモベストプレイ、共同通信杯勝ち馬メイケイペガスター、東スポ杯2歳S2着馬レッドレイヴンなど伏兵は多士済々。上位3、4頭で堅いのか、それとも伏兵が突っ込めるのかどうかが焦点。穴をあけるには3番手以内から粘り込むか、メンバー1、2位の上がりを繰り出して突っ込むかがパターン。今週からCコースに変更される点も考慮したい。

WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM

[Home]