宝塚記念
レース展望
過去10年で1番人気は[3−3−1−3]で6連対。前走G1で連対した4、5歳馬が休み明けでなければ[2−3−1−0]で複勝率100%。2番人気は[1−2−1−6]、3番人気は[1−2−3−4]で各3連対。6番人気以下が7連対と多い。最近5年の馬連は10倍、26倍、51倍、16倍、10倍。最近は以前ほど荒れなくなったが、人気馬と人気薄で中穴決着になることが多い。連対馬20頭のうち12頭にG1勝ち、6頭にG1で2着、2頭にG2勝ちがあった。前走3着以内を確保したG2以上の実績馬が活躍している。
年齢別では3歳[0−0−0−5]、4歳[6−3−4−35]、5歳[1−5−2−35]、6歳[2−1−3−22]、7歳以上[1−1−1−28]で4歳馬が活躍。4歳馬は3番人気以内なら[3−3−3−6]で複勝率60%。前年のクラシックで好走した4歳馬が活躍している。7歳以上の高齢馬は07年以降連対がなく不振。阪神で行われた9年の連対馬18頭のうち16頭に阪神芝で連対があった。京都など直線が平坦なコースに実績が集中している馬は危険。時期的に馬場が渋ることが多い。馬場が渋ったら重の巧拙を重視したい。
ジェンティルドンナは昨年牝馬3冠とジャパンCを制し、年度代表馬に選出された。ジャパンCは内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー2位タイの32.8秒でオルフェーヴルとの激しい競り合いをハナ差で制した。レースのラスト4Fは11.9−11.7−11.5−11.5秒の尻上がり&持続ラップ。日本から牝馬初のスーパーホースが誕生したのではないか。直線で斜行してオルフェーヴルにぶつかって審議になったが、どんな形でも3歳秋の時点でオルフェーヴルを負かすということは、能力が世界レベルに到達したことを示している。
前走ドバイシーマクラシックは2、3番手の外につけたが、セントニコラスアビーに競り負けて2着。直線で伸び切れなかったのは、ぶっつけで臨んだ影響か。今回はドバイ遠征明けになるが、1週前調教は坂路でベストウォーリアを子供扱いする迫力のある動きを見せている。阪神芝は[3−0−0−1]でお茶を濁したチューリップ賞4着を除き勝っている。自在性があり前にも行けるが、岩田騎手はどう乗るか。ここでかなり強い勝ち方をしても社台はオルフェーヴルを引退させずにジェンティルドンナと2頭で凱旋門賞に挑戦して欲しい。
ゴールドシップは昨年皐月賞、菊花賞、有馬記念を制し、最優秀3牡馬に選出された。昨年の有馬記念では最後方から大外を捲ってメンバー最速の34.9秒でまとめて豪快な追い込みを決めている。小回りの中山で最後方から大外捲りで突き抜けたのだから大したもの。心肺機能の高さは現役トップレベルか。ただしジェンティルドンナ、オルフェーヴルは出走していなかった。今年は阪神大賞典を勝ったが、天皇賞(春)はフェノーメノに0.9秒差の5着に終わった。JRAが芝を刈り込んで馬場を高速化したことがマイナスに働いている。
ゴールドシップがスパートしたときに高速ラップが刻まれたことも影響したのだろう。ただ本来のゴールドシップならこんな負け方はしない。有馬記念では何度もギアチェンジしたが、阪神大賞典では最後にギアが上がらず13.0秒掛かった。昨年秋のデキに戻っていなかったのではないか。これまで[8−2−0−2]で5着に負けた2戦は高速馬場の日本ダービーと天皇賞(春)。今回は台風の影響が残れば緩い馬場か。フェノーメノには2戦2敗。馬場、展開を含め、タフなレースの方が持ち味を生かせる。出遅れ癖はまだクリアできていない。
フェノーメノは昨年日本ダービー2着、天皇賞(秋)2着に終わったが、今年の天皇賞(春)で断然人気のゴールドシップを破ってG1初制覇を飾った。7番手から徐々に進出して4コーナーで先団に取りつき、メンバー最速の36.2秒で抜け出して後続を完封。3、4コーナーでゴールドシップが上がってくるのを待ってから追い出し、直線であっさり抜け出した。上がりの掛かる展開で勝ち、スタミナも証明された。日本ダービーと天皇賞(春)でゴールドシップに先着したように高速馬場ではレースが上手いフェノーメノに分があるのだろう。
昨年のジャパンCは好位から33.5秒で伸びたが、先行した32.8秒で上がったジェンティルドンナに0.8秒差の5着。高速馬場の東京で切れ負けした。昨秋は東京に拘って使ったが、究極の切れ味が問われないコースの方が合っている。昨年より心身ともに成長しており、今の阪神ならジャパンCのように切れ負けする可能性は低い。自在性のあるレース巧者で好位からしぶとい脚を使えるタイプ。トリッキーな阪神芝2200mを味方につけて天皇賞(春)のようなレースができないか。青鹿毛だけにレース当日の日差しは弱い方がいい。
前走天皇賞(春)2着のトーセンラー、重賞3勝の実力馬ナカヤマナイト、AJC杯勝ち馬ダノンバラード、前走目黒記念4着のヒットザターゲット、1000万条件を2連勝してきたローゼンケーニッヒなどが伏兵か。トーセンラーは昨年G3で勝ち切れないレースが続いたが、今年は京都記念を勝ち、天皇賞(春)2着。デビュー当時より馬体に実が入り本格化してきている。京都は[3−1−2−1]だが、阪神は[0−0−2−0]。直線が平坦で長い京都外回りがベストだが、阪神でも大崩れしていない。馬場が渋っても根性で克服するか。
ナカヤマナイトは芝2200m[1−1−0−1]でオールカマー1着、AJC杯2着がある。G1は[0−0−0−6]で昨年の宝塚記念は2.6秒差の8着。渋った馬場では[2−1−0−2]で5着以内を確保。ナカヤマフェスタの再現はあるか。ダノンバラードは阪神[1−0−1−0]、京都[2−2−2−0]で複勝率100%。渋った馬場では[2−1−1−1]で4着以内を確保。テン乗りの川田騎手がガツンと追って持ってくるか。ローゼンケーニッヒは末脚の切れ味が増している。ピンポイントだが、展開次第で出番はないか。
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競馬アナリストGM
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