有馬記念
レース展望
ファン投票で選ばれた馬たちによるドリームレース。過去10年で1番人気は[6−3−0−1]で9連対。良馬場では[6−3−0−0]で連対率100%。2番人気は[2−0−1−7]で2連対、3番人気は[0−1−2−7]で1連対のみ。連対馬20頭のうち15頭が5番人気以内だが、前2年は1番人気と7、10番人気で決着した。最近は1番人気と人気薄で決着するケースが目立つ。最近6年の馬連は221倍、294倍、7倍、5倍、31倍、37倍。本命を押さえながら人気薄を絡めて中穴以上を狙う馬券作戦が有効。
年齢別では3歳[3−4−2−29]、4歳[6−3−1−22]、5歳[1−1−4−30]、6歳[0−0−1−21]、7歳以上[0−2−2−14]。3、4歳馬が活躍しているが、今年は菊花賞で好走した3歳馬がおらず、4歳馬はジャパンC惨敗のゴールドシップと重賞未勝利のラブイズブーシェのみ。5番人気以内の5歳馬は[1−0−2−8]で不振だが、今年はチャンスがある。天皇賞(秋)、ジャパンC、菊花賞連対馬が不在で秋G1で連対した馬は凱旋門賞2着のオルフェーヴルのみ。前2年のように人気薄の突っ込みに注意。
オルフェーヴルは今年大阪杯1着、フォワ賞1着、凱旋門賞2着。凱旋門賞は中団から伸び切れずトレヴに5馬身差の2着。武豊騎手のキズナに外から被せられたのを見て池江調教師は何を思ったか。それ以前に凱旋門賞を勝つには日本馬を愛する日本人騎手を乗せるべきなのだろう。芝2400〜2500mは[5−3−0−0]で一昨年の有馬記念を大外から捲ってメンバー2位タイの33.3秒でまとめて勝っている。09年の有馬記念を制した全兄ドリームジャーニーと同様に小回り向きの機動力がある。まともに走ればあっさりか。
有馬記念を最後に現役を引退し種牡馬入りする。当日の最終レース終了後に引退式が行われるが、過去の有馬記念でレース出走後に引退式が行われた馬は、03年シンボリクリスエス1着(1人気)、06年ディープインパクト1着(1人気)、07年ダイワメジャー3着(6人気)、11年ブエナビスタ7着(2人気)。ここまで来ると勝つより、無事に種牡馬入りすることの方が大事とも言えなくもないため、陣営がどこまで仕上げてくるか注目したい。歴史にも記憶にも残るスーパーホース。現役最後の走りをしっかりと目に焼き付けたい。
ゴールドシップは高速馬場の天皇賞(春)で5着に終わったが、力のいる馬場の宝塚記念を3馬身半差で圧勝。今秋は京都大賞典5着、ジャパンC15着に終わった。京都大賞典はゴリゴリ仕掛けて先行し、7F目から5F57.1秒の高速ラップが刻まれる展開であれほど強引な騎乗をしては勝てなくて当たり前。ジャパンCはスローの上がり勝負で後方からでは厳しかったとはいえ、後方のまま15着というのは負け過ぎ。京都大賞典で内田博騎手が前半からゴリゴリ仕掛けて負けたことで信頼関係が崩れ、馬が走る気をなくしたのではないか。
ただし陣営は色々と理由をつけていつもより調教が軽かったことを付け加えておく。高速馬場のジャパンCより、荒れ馬場の有馬記念連覇が最大目標という意識があったのではないか。高速馬場ではダービー、天皇賞(春)、京都大賞典と全て5着に負けている。今の中山はゴールドシップ向きの力のいる馬場で時計が掛かる。さらに陣営は世界最高レベルのムーア騎手を乗せてきた。ガツンと追っても全くブレない騎乗フォームはゴールドシップを走る気にさせるか。今回からブリンカーを装着する。まともに走るかどうかは神のみ知る領域か。
エイシンフラッシュは今年大阪杯3着、クイーンエリザベス2世C3着、毎日王冠1着、天皇賞(秋)3着と堅実に走っていたが、前走ジャパンCは逃げて10着に惨敗した。スローの上がり勝負は得意な馬だが、初めて逃げたことで馬が戸惑ったのだろう。昨年の有馬記念は直線で内から抜け出して見せ場を作ったが、最後に一杯になって0.5秒差の4着。Mデムーロ騎手が尿管結石で急遽、三浦騎手が騎乗するアクシデントがあった。有馬記念は7、2、4着で11年にオルフェーヴルの2着がある。引退レースのため、仕上がり面に注意。
前走ジャパンC4着のアドマイヤラクティ、前走金鯱賞3着のウインバリアシオン、前走ジャパンC3着のトーセンジョーダン、宝塚記念2着馬ダノンバラード、オルカマー勝ち馬ヴェルデグリーン、金鯱賞勝ち馬カレンミロティック、ステイヤーズS勝ち馬デスペラード、中山記念勝ち馬ナカヤマナイト、前走ジャパンC6着のルルーシュなど伏兵は多士済々。アドマイヤラクティは天皇賞(春)が0.8秒差の4着、ジャパンCが0.1秒差の4着。中山芝は[2−0−1−0]でAJC杯3着がある。ウィリアムズ騎手で好位づけもあるか。
ウインバリアシオンは屈腱炎を克服し、前走金鯱賞3着で望みをつないだ。ダービー、神戸新聞杯、菊花賞でオルフェーヴルの2着に入った馬。神戸新聞杯のように早めに動くオルフェーヴルを尾行する作戦か。トーセンジョーダンは前走ジャパンCで2番手から粘ってハナ+クビ差の3着。有馬記念は0.3秒差の5着が2回。内田博騎手では2戦2勝。ルルーシュはジャパンCで先行して伸び切れず0.2秒差の6着。中山芝[0−0−0−3]で昨年の有馬記念は1.5秒差の8着。いい脚を長く使いバテない持ち味を福永騎手が生かせれば。
WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM
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