阪神カップ
レース回顧
リアルインパクトは前半3F35.0秒の緩い流れで逃げて上がりを34.8秒でまとめ、そのまま逃げ切った。スタートからムーア騎手が仕掛けてハナを切り、マイペースに持ち込んで逃げ切った。前半から手綱を動かして速く見せかけたところにムーア騎手の技術力を感じさせた。リアルインパクトは切れより地力タイプで荒れ馬場は合うタイプ。関西圏では[0−0−0−6]で結果が出ていなかったが、ムーア騎手で走りが一変した。日本の騎手と世界レベルのムーア騎手はひと味もふた味も違う。11年の安田記念以来勝ち星がなかった馬が2年半ぶりに勝利を挙げた。馬体が絞れずに530キロを超えたときがあったが、2戦連続関西に輸送したことで514キロまで絞れたことも良かったのだろう。切れる脚はないため、地力が問われる馬場のときは要注意。阪神カップは荒れた内を通る内枠はごちゃつきやすく、10番より外枠に入った馬が激走する傾向がある点に注意したい。今年は5枠10番と7枠14番で決着した。最近は前残りで波乱になることが多い。前残り予想をもっと取り入れていきたい。
ガルボは2番手から上がりを34.7秒でまとめてクビ差の2着。これで阪神カップは2年連続2着。昨年は15番人気、今年は10番人気で穴をあけた。阪神カップはキンシャサノキセキとサンカルロが連覇したように好走した馬が何度も好走することが多い。阪神芝1400mは適性の差が出やすいのだろう。ガルボは寒くなると調子を上げるタイプで連対は冬場に集中している。今年も寒くなって例年通り調子を上げてきた。今の調子をキープできるようなら1、2月も注意したい。
クラレントは5番手からメンバー2位タイの34.5秒で伸びて0.1秒差の2着。直線に坂があるコースでは上体が起き上がるため良くないが、前につけたことで粘り込めた。半兄リディルはスワンSを好タイム勝ちしたが、クラレントは芝1600〜1800mが合っている。東京芝重賞で3勝を挙げる東京巧者。今年も東京新聞杯に出走したら注意したい。
サンカルロは後方から馬群に突っ込んでメンバー最速の34.4秒で伸びて4着。完全前残りの展開で届かなかった。阪神芝1400mで前半5F57.0秒以下なら[3−1−0−0]だが、57.1秒以上では[0−0−2−3]。今回は流れが緩んで前半5F57.9秒だった。減った馬体が戻って調子を上げていたが、展開に左右される面がモロに出た。
ラトルスネークは中団からメンバー2位タイの34.5秒で伸びて5着。流れが緩んで内に馬群が密集したため、馬群を捌くのに苦労して脚を余した。結果的に1枠1番がアダになった。白秋Sを圧勝したパフォーマンス、調教の動きから重賞で勝ち負けできるレベルに到達しているが、3戦連続でまともに走っていない。阪急杯で外めの枠に入ったら注意したい。
ダイワマッジョーレは中団の内から伸び切れず7着。荒れた内で揉まれて直線で伸び切れなかった。マイルCSでは3番手につけただけに流れを考えると蛯名騎手が控え過ぎた感があるが、荒れた緩い馬場で小柄な面がマイナスに働いたこともあるのだろう。相手なりに堅実に走るタイプ。調教、レースで前向きさが失われないうちは押さえておきたい。
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