AJC杯
レース回顧
ヴェルデグリーンは中団から捲って4コーナーで先団に取りつくと直線で外から差し切ってレースを制した。サトノシュレンが逃げて前半5F61.1秒。ラスト5Fから緩急のあるラップが続き、持続力と決め手が問われる展開。荒れ馬場と風の影響で時計、上がりとも掛かった。ヴェルデグリーンは出遅れて後方から追い込んで届かないレースが続いていたが、スタートを決めて中団につけ、4コーナーで前を射程圏に入れることができた。最後に外から捻じ伏せたのは、G2のオールカマー勝ちの貫録か。これで中山芝2000〜2200mでは5戦5勝。G1で強いメンバーと戦って地力が強化されている。中山芝2200mのG2を勝った馬は同コースで激走することが非常に多い。ヴェルデグリーンは秋のオールカマーで要注意。
サクラアルディートは7番手から早めに動いて4コーナーで2番手につけ、直線でしぶとく伸びてクビ差の2着。前走中山金杯は内田博騎手が出遅れて後方のまま全く見せ場がなかったが、今回はベリー騎手がスタートを決めて本来の好位で流れに乗るレースができた。この日の中山で好騎乗が目立ったベリー騎手がかなり上手く乗っている。サクラアルディートは重賞で不振が続いていたが、これで重賞&距離にメドが立った。本来はレース巧者で相手なりに走るタイプ。ベストは[3−4−0−4]の芝1800m。中山記念、エプソムCで注意したい。ジャヤパンCのデニムアンドルビーなど、内田博騎手から乗り替わった馬は一変することが多い。
フェイムゲームは中団から直線で内を突いて鋭く伸びて0.1秒差の3着。直線で前が壁になり、内に切れ込んで伸びてきた。直線で外に出せれば、勝ち負けになっていたかもしれない。ひと叩きされたことで馬体が引き締まり、気配が良くなっていた。距離2200mをこなし、古馬重賞でやれるメドが立った。半兄バランスオブゲームは中山芝[4−2−0−2]でG2では[4−2−0−0]。フェイムゲームも時計の掛かる中山が合っている。
レッドレイヴンは中団からしぶとく伸びたが、直線で叩き合いに負けて0.1秒差の4着。前走美浦Sは3番手から最速上がりで楽勝。今回は道中の位置取りが後ろ過ぎた。叩き合いに負けたのは、馬体20キロ増が堪えたのだろう。パドックでは腹目が太く映った。藤沢和厩舎は中山で1番人気になる馬を太め残りで出走させることが多い。昨年以降の重賞で藤沢和厩舎は[1−1−5−24]で連対率6.5%。1番人気は[0−0−0−4]、3番人気以内は[0−1−3−9]。人気を裏切ることが非常に多い。
ケイアイチョウサンは中団から伸び切れず10着。重賞で最後方ポツンを続けた横山典騎手が色気を出して中団につけたが、そのぶん伸び切れなかった。馬場が荒れた内を突いたことも堪えている。ひと叩きされて最終調教の動きは良くなっていたが、パドックでは脚捌きに硬さがあった。重賞で連戦してきた疲れが出たのではないか。ラジオNIKKEI賞で内から差し切った横山典騎手は、内から差すことに拘っている。まだ外を回って差し切る体力がないのだろう。
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