京都記念
レース回顧

デスペラードは前半5F63.7秒のスローペースで逃げて直線で馬群に埋もれかけたが、そこからひと伸びしてレースを制した。超スローペースで逃げていても普段後方から進めたときとより遅い流れ。逃げて超スローペースに持ち込んだ横山典騎手の好騎乗。昨年の阪神大賞典のレース展望でゴールドシップに勝つには逃げる手があると書いたが、ここで横山典騎手がやってきた。荒れた稍重の馬場で適度に時計が掛かったのもプラスに働いている。以前は追い込み一辺倒だったが、ステイヤーズSで好位差し、今回が逃げ切りと脚質の幅を広げている。今年はG1で馬券圏内にステップアップする可能性が出てきた。間隔が空いて馬体が14キロ増えて少し太く映ったため、次走は上積みが見込める。今後は阪神大賞典から天皇賞(春)になりそう。逃げ馬不在ならまた逃げる手もある。

トーセンラーは中団の外からメンバー最速タイの34.0秒で伸びて0.1秒差の2着。外から捲ったトゥザグローリーの後ろから差し切る勢いで伸びてきたが、最後に止まったのは、休み明け、58キロ、稍重の馬場が堪えたのだろう。それでも今後に向けて格好をつける2着。厳しい条件で崩れなかったことを評価したい。馬体は14キロ増えて少しフックラ映ったが、パワーアップした感もあった。438キロでデビューした小柄なディープインパクト産駒。馬体に実が入って充実し、本格化してきている。昨年は天皇賞(春)に直行したが、今年は安田記念を目指す予定。

アンコイルドは内ラチ沿いの2、3番手からしぶとく粘って0.3秒差の3着。外枠から後藤騎手がスタートを決めて前に行き、内ラチ沿いの絶好位につけたことが功を奏した。パワータイプだけに荒れた稍重の馬場も良かったのだろう。他馬より軽い56キロも有利に働いている。馬体は12キロ増えて少し太く映っただけに次走は上積みが見込める。重賞では[0−2−2−4]で未勝利だが、着実に地力が強化されている。

ラキシスは好位から34.1秒で伸びて3着に頭差の4着。スタートが遅く、いつもより位置取りが悪くなったことが堪えた。最初から行く気を見せず、川田騎手が大事に乗った感もある。馬体が10キロ増えていたが、まだ腹目が少し細く映った。これから馬体に実が入って腹目がパンとすれば本格化するのではないか。今後は重賞レースを使いながら地力強化を図り、秋のエリザベス女王杯を目指すことになりそうだ。

ジェンティルドンナは好スタートから2番手につけたが、直線で伸び切れず6着。勝負どころでトゥザグローリーに外から来られて直線で前に入られ、トップギアに入らなかった。それよりも道中馬を前に置けず、終始掛かり気味に走っていたことが堪えたのではないか。テン乗りの福永騎手がかなり下手に乗っている。デビュー以来最低のレースだった。中5週以内は7戦7勝。ドバイ(外国人騎手)で巻き返しを期待したい。

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