阪神大賞典
レース回顧

ゴールドシップはスタートが遅かったが、すぐに押し上げて2番手につけ、4コーナーでバンデを交わして先頭に立つとメンバー最速の34.5秒で上がって3馬身半差で圧勝した。バンデが逃げて前半5F63.2秒のスローペース。ゴールドシップは前半掛かり気味だったが、中盤から折り合うと早めに動いて後続を引き離し勝負を決めた。能力&スタミナのある馬に2番手からメンバー最速上がりでまとめられては、後続の馬は手も足も出なくて当然。阪神大賞典を2連覇したが、昨年よりレース内容がいい。休み明けで馬体が10キロ増えて少しフックラ映ったが、馬体の張りは良く、パドックでは落ち着いて周回していた。リフレッシュしていい時のデキを取り戻しつつある。次走は天皇賞(春)に向かう予定。重い馬場の阪神、中山、札幌、函館、では[8−2−1−0]に対し、逆に高速馬場になりやすい京都、東京では[2−0−0−4]でダービー5着、天皇賞(春)5着、京都大賞典5着、ジャパンC15着に終わっている。高速馬場に対応できるかが最大のポイントになるが、今回2番手から正攻法のレースで勝ったことでクリアする下地はできたとみたい。

アドマイヤラクティは5番手からメンバー2位の34.9秒で伸びて0.6秒差の2着。3着バンデとの叩き合いをクビ差で制した。中間一頓挫あり、陣営は仕上げ途上と弱気だったが、最終調教の動き、気配はむしろ前走時より良くなっていた。陣営のコメントと最終調教の動き&気配にギャップがあるときは激走することが多い。逆に陣営が強気なコメントをするときは連対を外すことが多い。厩舎コメントに惑わされず、自分の眼で判断したい。昨年は天皇賞(春)とジャパンCで4着に入った。昨年の天皇賞(春)当時より力をつけているため、メンバー次第で馬券圏内があってもおかしくない。今年のハーツクライ産駒は5番人気以内なら[2−4−0−3]で連対率66.7%。最近活躍が目立つため注意したい。

バンデは半5F63.2秒のスローペースで逃げて4コーナーでゴールドシップに交わされた後もしぶとく粘って2着にクビ差の3着。ゴールドシップに一気に交わされて並の馬なら惨敗するケースだが、直線で再度エンジンが掛かってアドマイヤラクティに食い下がった。ゴールドシップに2番手からマークされる展開で厳しかったが、持ち味のしぶとさを見せた。パドックではひと叩きされて馬体が10キロ絞れ、腹回りがスッキリし上積みを感じさせた。次走は天皇賞(春)に向かうが、賞金的に出走できるかどうか。バンデが大逃げしてゴールドシップが後方から捲る形になれば、勝ち負けに持ち込む可能性がまだ残されている。馬場が渋ればプラスに働くが、ゴールドシップも渋った馬場は得意。あとは松田騎手がどこまで強気に大逃げを打てるかだろう。

サトノノブレスは出遅れて6番手を進み、勝負どころで上がってきたが、直線で伸び切れず1.6秒差の4着。3着バンデに6馬身差をつけられた。上がり35.9秒は、逃げたバンデより0.3秒遅い。馬体の張りが良く仕上がりは良かったが、出遅れて前に行けなかったことが堪えた。直線が平坦コースでは[3−2−0−0]で日経新春杯1着、菊花賞2着があるが、直線に坂があるコースでは[0−1−2−3]で重賞では3着止まり。次走の天皇賞(春)は直線が平坦なコース。その点で変わり身が見込めるが、今回大きく離されただけにまだ一線級相手に通用するメドは立っていない。

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