日経賞
レース回顧

ウインバリアシオンは後方に控え、3コーナー過ぎから大外を捲って直線入り口で先頭に立つとそのまま押し切ってレースを制した。トレイルブレイザーが逃げて前半5F63.6秒のスローペース。ウインバリアシオンは大外から捲ってメンバー最速の33.9秒でまとめる横綱相撲のレースで快勝。レースのラスト4Fは全て11秒台のラップが刻まれたが、それで大外から捲って勝ったのだから強い。昨年の有馬記念2着馬が同コースで能力の高さを見せつけた。追い込みタイプでも小回り、荒れ馬場をこなすタイプ。中山のタフな馬場で持ち味を存分に生かせた。昨年秋に復帰してから少しずつ馬体が絞れてきており、今回は8キロ減でさらに引き締まっていた。G1は[0−3−1−2]でオルフェーヴルの2着が3回ある。屈腱炎を克服した馬で一戦ごとが勝負になるが、G1初制覇に向けて一歩前進した。

ホッコーブレーヴは後方からメンバー2位の34.3秒で伸びて0.3秒差の2着。スローペースでも各馬が早めに動く展開でラスト1Fのラップが落ちたところを大外からガツンと伸びて2着を確保した。少し展開が嵌ったのは確かだが、末脚の威力がないと中山であの脚は使えない。昨秋はAR共和国杯が0.5秒差の6着、ジャパンCが0.6秒差の12着。G1、G2を使われて力をつけている。直線の長いコースが合うため、東京芝2500mの目黒記念に出走したら要注意。昨年9月以降の中山重賞で田辺騎手は[2−3−1−9]で複勝率40%。中山芝2200m以上で乗れているため注意したい。

ラストインパクトは中団の内で脚をタメ、直線で最内からしぶとく伸びて際どい3着争いを制した。4コーナーから直線で馬群に包まれて持ち前の機動力を生かせなかったが、最後までしぶとく伸びて3着を確保したことを評価したい。レースを使われながら、着実に地力が強化されている。距離適性の幅が広く、相手なりに堅実に走るタイプ。切れより地力タイプのため、直線の長いコースより小回りコースの方が合っている。母スペリオルパールはビワハヤヒデ、ナリタブライアンの半妹。適性を生かせるコースなら今後も堅実に走りそうだ。

サトノアポロは2番手からしぶとく粘って3着にハナ差の4着。休み明けで全く人気がなかったが、最後までしぶとい脚を使って見せ場を作った。中山重賞ではAJC杯4着、オールカマー4着があり、これで3回目の4着。本来は差しタイプだが、先行してしぶとく粘ったことは今後に繋がりそうだ。次走は一度使った上積みが見込める。国枝厩舎の管理馬は中山芝重賞に強い。

フェノーメノは3番手につけたが、直線で伸び切れず5着。休み明けで58キロを背負い、折り合いを欠いては厳しかった。中山のタフな馬場も影響している。それでも長期休み明け、勝ったウインバリアシオンより2キロ重い58キロを背負って0.5秒差なら及第点か。最後は勝てないとみた蛯名騎手が目一杯に追わずに余力を残している。馬体は8キロ減で太め感なく仕上がっていたが、全体的に少し筋肉が落ちていた。次走は天皇賞(春)で2連覇を目指す。ひと叩きされてどこまで良くなってくるか注目したい。

[Home]