宝塚記念
レース回顧

ゴールドシップは出遅れたが、スタンド前で外から上がって4番手につけ、メンバー最速の35.2秒で抜け出して3馬身差で圧勝した。芝コースは良に回復したが、湿り気が残って力のいる状態。ヴィルシーナが逃げて前半5F62.4秒のスローペース。後続が外を回って追い上げるときに高速ラップが刻まれたことで外から追い上げた差し追い込み馬はみな不発に終わった。ゴールドシップは昨年の宝塚記念と同様に正攻法のレースで快勝。スローペースでもレースの上がりは35.6秒。馬場に湿り気が残って時計、上がりが掛かったことが有利に働いている。時計の掛かる阪神では行きっぷりが良く、正攻法のレースができる。3週連続で調教に騎乗した横山典騎手との呼吸もピッタリだった。今後もこのコンビは継続しそうだ。過去6年の宝塚記念でステイゴールド産駒が5勝。ゴールドシップは来年は3連覇を目指すようだ。重い馬場なら強いことをあらためて証明したため、秋は凱旋門賞に挑戦する可能性が高くなった。父ステイゴールドもそうだったが、こういう気難しい馬は外国に行くとまじめに走る。ホクトベカから17年。横山典騎手の最高レベルのパフォーマンスを期待したい。

カレンミロティックは3番手からメンバー4位の35.8秒で伸びて3馬身差の2着。勝負どころで手応えが悪かったが、最後までしぶとく伸びて2着を確保した。阪神芝は[3−2−2−3]の巧者。渋った馬場は得意ではないが、58キロを背負って緩い馬場でパフォーマンスを引き上げた。スローペースで前残りになったことが有利に働いている。昨年の金鯱賞を2番手から抜け出して圧勝した馬。近走は重賞で善戦止まりが続いていたが、今最も勢いがあるハーツクライ産駒が得意の阪神で波乱を演出した。池添騎手は過去10年の宝塚記念でスイープトウショウ、ドリームジャーニー、オルフェーヴルで3勝を挙げている。研究に研究を重ねてどうすれば好走できるか分かっているのだろう。今後は休養して秋のG1を目指す予定。

ヴィルシーナは逃げて内ラチ沿いの最短コースを通り、最後までしぶとく粘って0.7秒差の3着。4、5着とは同タイムの接戦だったが勝負根性で粘り切った。内枠からスローペースで逃げて持ち味のしぶとさを発揮。道中流れが緩んで差し馬が外から追い上げにくい展開を作ったことが大きかった。他の馬が走らな過ぎた感もあるが、よく粘っている。ずっと後塵を拝してきたジェンティルドンナに初めて先着した。ヴィクトリアマイルを勝った後に安田記念ではなく、宝塚記念を選んだ陣営の選択は正解だった。昨年ヴィクトリアマイルを勝った後不振に陥ったが、前向きさが戻って復活してきた。秋のG1戦線も盛り上げてくれそうだ。

デニムアンドルビーは好位の内を進み、絶好の手応えで直線に向いたが伸び切れず0.7秒差の5着。直線で外から寄られてごちゃついたことが堪えたが、伸び切れなかったのは、いつもより前につけて勝ちに行ったぶんもあるのだろう。後方から大外を回って追い込む馬が、好位から正攻法のレースができたことは今後に繋がりそうだ。ひと叩きされたことで馬体のバランスが良くなり、パドックではキビキビとした歩様で周回していた。帰厩して10日で出走した前走より仕上げは進んでいた。今後は府中牝馬S、エリザベス女王杯から昨年2着のジャパンCになりそう。牡馬相手にやれる能力がある牝馬。負けて人気を落とした後は要注意。

ウインバリアシオンは中団から外を回って追い上げようとしたが、4コーナーで手応えが悪く、直線でも伸び切れず7着。メンバー3位の35.6秒で上がったが、外を回った馬には厳しい展開で届かなかった。勝負どころで手応えが悪かったのは、微妙に距離が短いこともあるのだろう。芝2400m以上は[2−5−1−1]に対し、芝2000〜2200mは[0−0−1−4]で3着止まり。荒れ馬場をこなすステイヤーで大事に使っていけば有馬記念で勝ち負けできるとみていたが、陣営は色気を出して宝塚記念を使ったことが今後に響く可能性がある。陣営がどうケアしていくのか注目していきたい。

ホッコーブレーヴは後方の内から上がってきたが、直線で前が詰まってほとんど追えず8着。手応えが良かっただけにまともなら掲示板はあったのではないか。きっちり仕上げてきていたが、全く力を出せなかった。今年の重賞で戸崎騎手は1番人気[2−1−0−2]、2番人気[0−1−1−4]だが、3番人気以下では[0−0−2−22]で連対なし。G1では[0−1−0−9]で桜花賞2着(レッドリヴェール)があるのみ。今年70勝でリーディング独走中だが、重賞では駄乗が多い。中山向きの馬を東京向きとコメントするなど、理解に苦しむコメントも目立つ。ホッコーブレーヴはAR共和国杯で注意したい。

ジェンティルドンナは好スタートから4番手につけたが、直線で全く伸びず9着。スタンド前で外からゴールドシップに来られて徐々に位置取りが悪くなったことが堪えたが、それでも直線で伸びなさ過ぎ。ドバイ遠征明けでも仕上がりは悪くなかったが、休み明けと良発表でも渋った馬場が堪えたのか。京都記念でも惨敗したが、今回はそのときのように折り合いを欠いていなかった。今後は休養してジャパンC3連覇を目指す予定。中2〜5週では[8−0−0−0]でG1−6勝。昨年と同様に天皇賞(秋)を叩いてジャパンCに向かうことになりそうだ。最も手が合うムーア騎手を確保できるかがポイントになる。

[Home]