函館記念
レース回顧
ラブイズブーシェは出遅れて後方を進み、大外から捲ってメンバー最速の36.0秒で抜け出しレースを制した。トウカイパラダイスが逃げて前半5F59.6秒。緩急のあるラップで前に行った馬は直線で失速し、差し追い込み馬が上位を独占した。ラブイズブーシェは得意の函館で最速上がりで差し切って快勝。やはり函館では「水を得た魚」のような走りだった。滞在で調子も良かったが、差し馬向きの展開になったことも味方している。前走G2の目黒記念でタイム差なしの2着に入った馬がハンデG3で同斤の56キロ。重賞未勝利のアンコイルドとリルダヴァルは57キロ。このあたりを見てもハンデは恵まれていた。過去10年の勝ち馬10頭のうち8頭が4番人気以内、8頭が3〜6番枠に入っていたが、ラブイズブーシェはこの条件を満たしていた。これで函館芝は[3−0−1−1]、札幌芝は[0−1−0−0]で良馬場では3着以内を確保。次走はサマー2000シリーズの優勝を目指して札幌記念に向かう予定。古川騎手は前週のマリーンSをロイヤルクレストで勝ち自信をつけている。札幌でも注意したい。
ダークシャドウは中団の後ろからメンバー3位タイの36.3秒で伸びて0.1秒差の2着。前走エプソムCより斤量は1キロ軽かったが、トップハンデ58キロを背負い、あらためて地力があることを示した。右回り、テン乗りのローウィラー騎手に不安があったが、差し馬向きの展開になったことがプラスに働いている。最近のハンデ重賞で重ハンデ馬は不振が続いていたが、天皇賞(秋)2着がある実力馬がそれを払拭した。昨年の戸崎騎手の駄乗続きで馬が萎えてしまっていたが、ようやく心身ともに復調してきた。ベストは[3−1−0−1]の東京芝2000m。今年7歳になったが、天皇賞(秋)に向けてもうワンランクステップアップしておきたい。
ステラウインドは中団からしぶとく伸びて0.3秒差の3着。1枠スタートから内をロスなく回り、4コーナーで馬込みで我慢して脚をタメたことが最後の伸びに繋がっている。前走ジューンSでメンバー2位の34.0秒で差して好タイムで勝ち、脚質展開に成功したことが今回に繋がっている。馬体は12キロ増えていたが、全体的にボリュームアップした印象。12年の青葉賞3着馬が本格化しつつある段階に入った。今年5月以降の重賞で三浦騎手は[0−3−3−4]で複勝率60%。以前は重賞では駄乗が目立ったが、最近は人気薄を持ってきている。騎乗馬の質が上がるとリーディング争いに絡んでくる可能性がある。今後も注意していきたい。
アドマイヤフライトは後方からメンバー2位の36.2秒で伸びて0.3秒差の4着。大外からいい脚を使ったが、1枠1番がアダになり位置取りが悪くなったことが堪えた。藤岡康騎手がテン乗りだったことも影響している。本来は中団より前につけてしぶとい脚を使うタイプ。芝2200〜2400mは[3−3−0−0]で安定して走っているが、芝2000mも守備範囲。重賞を使われて少しずつ地力が強化されてきている。
グランデッツァは2番手から直線で抜け出しかけたが、ラスト1Fでパッタリと止まって10着に終わった。緩急のあるラップで前に行った馬に厳しい展開になったことで距離適性の差がモロに出た印象。芝2000m以上は[0−0−1−3]、57キロ以上は[0−0−0−5]で不振が続いている。芝1800mは[4−1−0−0]、芝で56キロ以下は[3−1−1−0]。この条件が揃ったときに狙いたい。
アドマイヤタイシはスタートを決めて5番手につけたが、勝負どころで手が動いて直線で伸び切れず12着。外枠に入った馬はサクラアルディードの6着が最高。アドマイヤタイシは相手なりに走るタイプだが、大外枠と差し馬向きの展開が影響して惨敗した。調子は悪くないため、条件が揃えば巻き返しがある。近年は馬場改良が進み、馬場の内側が荒れていても内枠は不利にならないことが多い点を考慮していきたい。
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