キーンランドC
レース回顧

ローブティサージュはスタートを決めて中団の少し前につけ、直線で外に持ち出して追い出すとメンバー5位の34.4秒で上がって接戦を制した。フォーエバーマークが逃げて前半3F34.1秒。ローブティサージュは馬込みで脚をタメ、ラスト1Fから鋭く伸びて差し切った。2歳時に阪神JFを勝ったときもそうだったが、ゴール前の混戦に強いタイプ。前走函館スプリントSは後方から2着に突っ込んだが、今回は2戦目の芝1200mで行きっぷりが良くなり、中団より前につけてきっちり差し切った。時計、上がりの掛かる洋芝、滞在競馬も合うのだろう。これで芝1400m以下では[1−2−1−0](全て重賞)。阪神JFを勝った後、不振が続いていたが、距離を短くして復調してきた。サマースプリントシリーズの優勝を狙える位置にいるが、セントウルSの結果次第になる。今年のスプリンターズSは新潟で行われる。全面野芝と左回りに課題があるが、新潟は連続開催で馬場が荒れて時計が掛かる可能性がある。5月から重賞で激走が目立ていた三浦騎手はようやく今年重賞初制覇。今年は騎手の世代交代が進みそうだ。

レッドオーヴァルは中団からメンバー最速の34.2秒で外から鋭く伸びてクビ差の2着。中団に控えて終いを生かす自分のレースができたが、3、4コーナーで外を回ったロスが大き過ぎた。最後は鋭い脚を使っており、強いレースをしている。勝ったローブティサージュは馬込みでロスなく進めており、枠順とコース取りの差が大きかった。昨年の桜花賞2着馬が芝1200mで完全復活。馬体が6キロ増えてボリュームアップし、パドックで落ち着いて周回していたように滞在競馬も合うのだろう。左回りのオークスは距離2400m、高松宮記念は不良馬場で惨敗したが、新馬、未勝利戦ではメンバー最速の末脚を繰り出している。左回りの芝1200mでさらに覚醒する可能性があるのではないか。短距離王国・安田隆厩舎の管理馬。賞金的に出走できるかが課題だが、スプリンターズSで激走する可能性が出てきた。

マジンプロスパーは外枠スタートから2、3番手につけ、直線で早めに先頭に立ってしぶとく粘りクビ+頭差の3着。内枠で揉まれると良くないタイプ。昨年のスプリンターズS4着以来となる芝1200m&外枠という条件で久々に力を出した。ごちゃついたり、外を回された馬が多い中、自分の勝ちパターンに持ち込めたことが大きかった。休み明けだったが、馬体が絞れて510キロを切ったことも良かったのだろう。北海道は初めてだったが、切れより地力タイプで時計の掛かる洋芝は合っている。

ブランダムールは中団の外からしぶとく伸びて0.1秒差の4着。4コーナーで外を回り、そこで前の馬に離されたが、直線でレッドオーヴァルと一緒に伸びてきた。前走UHB賞はハンデ52キロで0.1秒差の3着だったが、今回は54キロで0.1秒差の4着。洋芝が得意なこともあるが、ここにきて地力が強化されている。内枠でもう少しロスなく進めれば馬券圏内があったかもしれない。

エイシンブルズアイは中団の内からメンバー2位タイの34.3秒で伸びて0.1秒差の5着。直線で前が壁になって追い出しが遅れたことが堪えた。最後は鋭く伸びていただけにスムーズなら際どいレースになっていた。これまで芝1600〜1800mを使われてきたが、外国産馬でスピードがあり、折り合いをつけやすい芝1200mは合っている。馬体の造りが目立つため、今後要注意。

スマートオリオンは好位から伸び切れず0.3秒差の7着。函館スプリントSで前が詰まって何もできなかった武豊騎手は直線で前が詰まらないように3、4コーナーで少し外を回して自分のスペースを確保したが、直線で全く伸びなかった。1、2、4、5着は53〜54キロ。3着の重賞3勝馬マジンプロスパーは56キロ。重賞1勝馬が57キロを背負ったことが微妙に影響したか。物足りない内容。

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