セントウルS
レース回顧

リトルゲルダは内ラチ沿いの好位につけ、4コーナーから直線で外に持ち出すと先に抜け出したハクサンムーンとの叩き合いを制し、サマースプリントシリーズの優勝を決めた。アンバルブライベンが逃げて前半3F32.9秒のハイペース。リトルゲルダは前走北九州記念と同じ1枠1番から同じようなレースをして優勝。上がりは北九州記念がメンバー4位の34.1秒、今回がメンバー8位の34.0秒。1枠1番が有利に働いた面はあるが、丸田騎手が内ラチ沿いをロスなく回って持ち味のしぶとさを上手く引き出した。中2週で馬体が8キロ増えて少しフックラ映ったが、3走前に10キロ減ったのが戻ったぶんもあるか。鮫島厩舎は夏の重賞に強く、2年前にもパドトロワがサマースプリントシリーズを優勝している。次走はスプリンターズS。セントウルSで開幕週の高速馬場をこなしたが、荒れ馬場、渋った馬場をこなすタイプ。今年のスプリンターズSは新潟連続開催で荒れ馬場で行われる可能性が高い。重賞2連勝は1枠1番から上手く立ち回っただけに外枠に入ったときに真価が問われそうだ。

ハクサンムーンは大外枠スタートから2番手につけ、メンバー10位の34.6秒で上がって0.2秒差の2着。直線で一旦先頭に立ったが、リトルゲルダとの叩き合いに敗れた。休み明け、57キロ、前半3F32.9秒のハイペースで大外枠から終始外を回ったことを考えると上々の内容。2番手に控えてレースができたことは今後に繋がりそうだ。休み明けで馬体が12キロ増え、パドックでは発汗していたが、気合は乗っていた。少し馬体に余裕があったため、次走のスプリンターズSでは攻めを強化できる。勝負の仕上げを施してくるのだろう。最近2年のスプリンターズSはセントウルSで2着に負けたロードカナロアが制している。休み明けのセントウルSで目一杯に仕上げず、余力を残すことがスプリンターズSの必勝パターンになりつつある。昨年のスプリンターズSで前半3F32.9秒のハイペースで逃げてロードカナロアの0.1秒差の2着に粘った馬。この内容ならG1初制覇が見えてきたか。新潟連続開催の荒れ馬場がカギになる。

エピセアロームは中団からメンバー5位の33.9秒で伸びて0.3秒差の3着。2着ハクサンムーンとは半馬身差。内枠スタートからロスなく回って脚をタメ、上がりを33秒台でまとめており、力は出している。いつもより位置取りが後ろになったのは、ハイペースだったからなのだろう。一列前につけていたリトルゲルダが勝ったことを考えるともう少し積極的なレースをしても良かったか。勝てばサマースプリントシリーズ優勝だったが、浜中騎手は少し消極的な騎乗だった。社台は前週にサマー2000シリーズを制しただけに大人の事情でもあったのか。勝ち切れないレースが続いているが、昨年秋以降の芝1200mでは必ず勝ち馬から0.3秒差以内で走っている。夏に3戦したため、上積みは見込みにくいが、CBC賞前に坂路で49.8秒を出していた馬が、今回は53.4秒。馬場の違いはあるが、G1前に余力を残した可能性がある。

マヤノリュウジンは離れた最後方からメンバー最速の32.9秒で伸びて0.4秒差の5着。大外から物凄い脚を使ったが、位置取りが悪過ぎた。ハイペースで追走に苦労したことが敗因ともいえるが、追い込んで2連勝しただけに池添騎手は最初から追い込むレースをするつもりだったのだろう。昨年のスプリンターズSでは前半3F32.9秒のハイペースで5番手につけており、前に行こうと思えば行けるだけの脚力はある。全面野芝の阪神でいい脚を使ったことで池添騎手は手応えを掴んだのではないか。セントウルSは開幕週で前に行った馬が残りやすいが、今年のスプリンターズSは新潟連続開催の最終週に行われる。内が荒れて外差しが決まりやすい馬場になればチャンスが広がる。昨年のスプリンターズSは穴馬で狙って15番人気で3着に激走した。2着ハクサンムーンとはクビ差。父キングヘイローのG1初制覇は左回りの高松宮記念だった。

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