有馬記念
レース展望

ファン投票で選ばれた馬たちによるドリームレース。過去10年で1番人気は[6−3−0−1]で9連対。07年にメイショウサムソンが稍重で8着に終わったが、良馬場では[6−3−0−0]で連対率100%。2番人気は[2−0−2−6]で2連対、3番人気は[0−1−1−8]で1連対のみ。連対馬20頭のうち15頭が5番人気以内。最近3年は1番人気が勝ち、2着に7、10、4番人気が入った。最近5年の馬連は7倍、5倍、31倍、37倍、8倍で中穴止まり。本命を押さえながら人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

年齢別では3歳[3−3−1−30]、4歳[5−3−2−22]、5歳[2−2−4−35]、6歳[0−0−1−18]、7歳以上[0−2−2−15]で3、4歳馬が活躍している。6歳以上の高齢馬は[0−2−3−33]で09年以降連対なく不振が続いている。牡馬は[9−7−10−111]で16連対、牝馬は[1−3−0−9]で4連対。牝馬は1番人気なら[1−2−0−0]だが、2番人気以下は[0−1−0−9]で5番人気の1連対のみ。ジェンティルドンナは初の中山で1番人気になりそうにない。データを破れるか。

今年はG1馬が10頭出走する豪華メンバー。ジェンティルドンナ、ジャスタウェイ、トーセンラー、ヴィルシーナは有馬記念がラストランになる。ジェンティルドンナの引退式は同日の最終レース終了後に行われる。1番人気はジャパンCを圧勝したエピファネイア、今年の世界最高レーティングのジャスタウェイ、ファン投票1 のゴールドシップが単勝3倍台で並びそうなムード。有力馬は折り合い、距離、コースなど何らかの不安を抱えている。内回りの中山芝2500mはトリッキーなコース。馬の器用さ、騎手の腕が問われそうだ。

エビファネイアは昨年皐月賞2着、ダービー2着、菊花賞1着。不良馬場の菊花賞を3番手から抜け出して5馬身差で圧勝した。今年は大阪杯3着、クイーンエリザベス2世C4着、天皇賞(秋)6着と善戦止まりが続いていたが、スミヨン騎手に乗り替わった前走ジャパンCを3番手からメンバー2位タイの35.0秒で抜け出して4馬身差で圧勝した。折り合いが難しい馬は渋った馬場の方が走るのに気を使うため、折り合いがつくことが多い。湿り気の残った馬場がプラスに働いたのは確かだが、勝ちタイム2分23秒1はかなり優秀。芝2400mで先行して圧勝したことで凱旋門賞制覇に向けて一歩前進した。ただしまだ折り合いに不安を残している。

中山では弥生賞4着、皐月賞2着がある。重い馬場をこなすタイプで今の中山は合うのではないか。弥生賞ではテン乗りのビュイック騎手が騎乗し、大外枠から掛かって自滅している。今回はテン乗りの川田騎手が道中上手く抑え込めるかが最大のポイント。日本では菊花賞から3、4、5、4番枠と全て内枠でJRAが保護しているが、今回は公開抽選のため外枠もありえる。過去10年でジャパンC勝ち馬は[2−0−0−2]で1番人気なら[2−0−0−0]で勝率100%。角居調教師は温厚に見えるが、中身は鬼というか勝負師。そうでないとこれだけの成績を残せない。ここを勝てば年度代表馬の可能性が高まる。渾身の仕上げでくるのだろう。

ジャスタウェイはドバイデューティフリーを6馬身差で圧勝し、今年の世界最高レーティングを記録。凱旋門賞は8着に終わったが、国内では昨年のエプソムCから2、2、2、1、1、1、2着で7戦連続連対を確保している。前走ジャパンCは1枠1番から内ラチ沿いの中団を進み、4コーナーから直線で外に出してメンバー4位の35.1秒で伸びて4馬身差の4着。昨年の天皇賞(秋)を1分57秒5で圧勝したが、そのときも緩い馬場だった。この日の馬場で2分23秒8で走れば、普通の年なら優勝できるタイム。内ラチ沿いをロスなく回って勝ったエビファネイアが強過ぎたとしか言いようがない。それでも長い距離をこなすメドは立ったか。

今回はさらに距離が100m延びて2500m。大箱の東京芝2400mをこなせば、小回りの中山芝2500mはこなせると考えるのが自然か。中山では中山金杯3着、中山記念1着(稍重、3馬身半差)がある。左回りの方が得意だが、このレベルの馬になるともう回りは問わないか。有馬記念でディープインパクトに勝ったハーツククライの産駒。今回はディープインパクト産駒が7頭出走する。ディープインパクト産駒を一掃して頂点に立てるか。今年のG1で福永騎手は[0−2−1−12]。自身が騎乗した馬がG1を勝つケースが目立つ。ディープインパクト、オルフェーヴルはラストランVを飾った。福永騎手の渾身の騎乗を期待したい。

ゴールドシップは今年阪神大賞典1着、天皇賞(春)7着、宝塚記念1着、札幌記念2着、凱旋門賞14着。天皇賞(秋)は高速馬場と出遅れが敗因。札幌記念はハープスターに負けたが、斤量5キロ差があった。凱旋門賞は後方から大外ブン回しでは届かなくて当たり前。昨年宝塚記念以降3勝しているが、いずれも4番手以内につけていた。12年の有馬記念で大外一気を決めたため、大外一気のイメージが強いが、近年は重い馬場で先行したときに結果を出している。札幌記念、凱旋門賞で後方に控える必要はあったのだろうか。ただしスタートが遅く、気分屋のため、ゲートを出てみないと前に行けるかどうかは分からない。岩田騎手はどう乗るのだろうか。

中山では皐月賞1着、有馬記念1、3着。昨年は後方から早めに捲って2着ウインバリアシオンに0.2秒差の3着。昨年はジャパンCを惨敗した後で調子がひと息だったか。今年は凱旋門賞の後、有馬記念1本に絞って調整されている。坂のある阪神では[5−1−0−0]で宝塚記念を連覇。時計の掛かる馬場で最後の直線に坂があるコースが合うタイプ。だから最終週で馬場が荒れているグランプリレース(有馬記念、宝塚記念)に強いのだろう。岩田騎手は今年の阪神大賞典で騎乗し2番手から抜け出して3馬身半差で圧勝している。そのときのイメージでスタートが決まれば先行策もあるか。岩田騎手は昨年ウインバリアシオンを2着に持ってきた。

G1−6勝の女傑ジェンティルドンナ、天皇賞(春)を連覇したフェノーメノ、ダービー馬ワンアンドオンリー、京都大賞典と金鯱賞を連勝したラストインパクト、昨年の有馬記念2着馬ウインバリアシオン、エリザベス女王杯勝ち馬ラキシス、昨年のジャパンC2着馬デニムアンドルビー、皐月賞2着馬トゥザワールド、昨年のマイルCS勝ち馬トーセンラー、ヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナ、昨年の最優秀3歳牝馬メイショウマンボ、前走金鯱賞2着のサトノノブレス、一昨年の有馬記念2着馬オーシャンブルーが出走する予定。現役最強レベルの馬が揃い、まさにドリームレースとなった。全馬が不利なく力を出し切るレースを期待したい。

ジェンティルドンナは前走ジャパンCで1番人気に支持されたが、好位から直線で伸び切れず0.9秒差の4着。緩い馬場が影響して不完全燃焼に終わったため、有馬記念に使ってきた。右回りの桜花賞、秋華賞を勝っているが、ベストは左回りで直線の長い東京コース。良馬場でスタミナよりも瞬発力が問われるような展開になるかがカギ。フェノーメノは天皇賞(秋)14着、ジャパンC8着に終わったが、長期休み明けを除き右回りの芝2500m以上は[3−0−0−0]。中山ではセントライト記念、日経賞を勝っている。切れより地力タイプにシフトしており、東京より中山の方が合うタイプ。ある程度いい馬場でスタミナの問われる展開になれば。

ウインバリアシオンは昨年の有馬記念で2着に入り、今年は日経賞を勝ち、天皇賞(春)2着に入ったが、宝塚記念は7着、前走金鯱賞は15着に終わった。金鯱賞は休み明けで馬体が12キロ増えていたとはいえ、後方のまま全く見せ場がなかった。芝2400〜2500mは[2−4−0−1]、中山芝2500mは[1−2−0−0]。適度に荒れて時計が掛かる中山は合っている。G1は[0−4−1−3]でオルフェーブルの2着が3回あるが、今回はオルフェーヴルはいない。6歳になって馬体のバランスが良くなり、心身ともに本格化している。叩き2戦目は[0−4−0−1]で連対率80%。G1で藤岡康騎手は[1−1−2−18]で連対率9%。

★先週の予想結果

◆競馬道場(競馬アナリストGM)
おかげさまで12月24日でサイト開設15周年を迎えました。(GMのコメントあり)

◆MR予想(万馬券MR)
有馬記念は穴馬で攻められるのかどうかを見極めて勝負してみたいと思います。

WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM

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