京都金杯
レース回顧

ウインプリメーラは好位の外からメンバー5位タイの33.9秒で抜け出すと最後はテイエムタイホーの追撃を半馬身振り切ってレースを制した。ニンジャが逃げて前半3F34.6秒、5F58.4秒の平均ペース。開幕週で内にグリーンベルトがある馬場で道中5番手以内につけた馬が3着まで独占。ウインプリメーラは京都巧者で好位からひと脚使えるタイプ。トーセンスターダムが出遅れ、オメガヴェンデッタが折り合いを欠き、エキストラエンドが3コーナーで最後方など恵まれた部分もあったが、自分の勝ちパターンに持ち込んで重賞初制覇を飾った。最後に差されて2、3着に終わることが多い馬だが、今回は切れる脚を使える馬が中団より前にいなかった。パドックでは叩き3戦目で馬体のバランス良くなり、前走より気配が良くなっていた。得意の京都で前走リゲルSより1キロ減の53キロ、有力馬の中では内枠に入ったことも良かったのだろう。京都金杯は開幕週で内にグリーンベルトがあり、内枠からある程度前につけられる馬が有利な傾向がある。ウインプリメーラは6歳牝馬でも現役続行が決定。今春はヴィクトリアマイルが目標になる。

テイエムタイホーは外枠スタートから5番手につけ、メンバー3位の33.8秒で伸びて0.1秒差の2着。前走阪神カップでブービーの16着(6人気)に終わった馬が13番人気で激走した。前走惨敗でハンデ57キロ、開幕週の内が有利な馬場で外枠は不利に映ったが、OP特別の六甲S、タンザナイトS勝ちがダテではないことを示した。昨年3月の武庫川S(阪神芝1600m)を逃げて2馬身差で圧勝したが、2着はサトノアラジン、3着はウインプリメーラだった。ウインプリメーラと同様に好位からひと脚使えるタイプ。流れにもよるが、京都金杯はこういうタイプが合っているのだろう。最近の重賞は芝1200mでも芝1600mでも流れが緩む傾向。基本的に前残りを考慮して予想した方が良さそうだ。テイエムタイホーは今年7歳になったが、昨年後半に馬体がボリュームアップし、それをキープできている。ベストは芝1400m。阪急杯で要注意。

ミッキーラブソングは好スタートから2番手につけ、直線でしぶとく粘って0.3秒差の3着。最後はシベリアンスパーブに迫られたが、頭差で3着を確保した。2走前のタンザナイトSでテイエムタイホーに0.2秒差の2着。斤量2キロ差から3キロ差に広がったが、今回も0.3秒差で差は詰まらなかった。本来はもう少しタメて切れ味を生かしたいタイプ。前に行き過ぎたが、久々に希望していた内枠に入ったため、小牧騎手が積極的に乗ったのだろう。父キングカメハメハ、母コイウタ(ヴィクトリアマイル1着)。ベストは1400mだが、1200mより1600mの方が合っている。橋口調教師は引退が近い。次走は2月末の阪急杯か。

エキストラエンドは後方からメンバー最速の33.4秒で追い込んで0.5秒差の7着。スタート後は中団あたりにいたが、徐々に位置取りが悪くなり、3コーナーで最後方では厳しかった。休み明け、7歳という年齢もあるのか、少しズブくなってきている。京都金杯は一昨年が2番枠で1着、昨年が1番枠で2着。前2年はJRAが社台へのお年玉なのか、有利な1枠に入れていたが、今年は社台へのお年玉設定がなかった。

トーセンスターダムは出遅れて最後方から大外を回ってメンバー8位タイの34.0秒で上がって0.8秒差の10着。前残りの展開&馬場で出遅れは致命的だった。外枠も堪えている。芝1800mは[4−0−0−1]で京都なら[3−0−0−0]。だいぶ先だが、5月の都大路Sに出走したら要注意。

オメガヴェンデッタは中団から伸び切れず0.8秒差の12着。道中折り合いを欠き、岩田騎手がなだめていたが、それによって徐々に位置取りが悪くなり、直線に向いたときは既に圏外だった。馬体が8キロ増えていたことも影響したのだろう。元・短距離王国・安田隆厩舎の管理馬。路線を決めてレース慣れさせたい。

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