日経新春杯
レース回顧

レーヴミストラルは出遅れて最後方を進み、2位を0.9秒上回るメンバー最速の33.1秒で豪快な大外一気を決め、2馬身差で圧勝。直線での伸び脚はインパクトがあった。ダコールが逃げて前半5F62.0秒のスローペース。レースのラスト4Fは11.6−11.7−11.8−11.6秒。前残りの展開だったが、前に行った馬がトップハンデ58キロを背負ったダコールとサトノノブレスだった。レーヴミストラルはスローペースで最後方からでは普通は厳しいが、33秒台で上がった馬が自分しかいなかった。その点で少しメンバーに恵まれていたか。パドックでは雄大な馬体が目立っていたように本格化してきたようだ。レーヴ一族は脚元が弱く、引退に追い込まれる馬が多いが、レーヴミストラルは菊花賞を使わずに大事に使ってきたことが良かったのだろう。レーヴ一族を知り尽くしている松田博調教師がさすがだ。次走は京都記念。松田博調教師の引退前にもうひと花あるかもしれない。ただし、前に行って33秒台で上がれる馬がいるかどうかという点を考慮したい。

シュヴァルグランは中団の後ろからメンバー2位タイの34.0秒で伸びて0.3秒差の2着。4コーナーで外から上がってきたプロモントーリオにぶつけられてバランスを崩し、それによって追い出しが遅れたことが堪えた。それでも最後は3着サトノノブレスをハナ差交わして地力があることを見せた。シュヴァルグランは自在性があり、好位からのレースができるタイプ。前走はテン乗りのルメール騎手が後方2番手から差し切って楽勝したため、控え過ぎる可能性がある点にリスクがあるとみていたが、その通りになった。ルメール騎手は重賞で控えて差すレースをすると2〜4着に負けることが多い。シュヴァルグランはヴィルシーナの半弟で重賞を勝てる力を持っている。今、力をつけているところ。無理使いだけは禁物。

サトノノブレスは2、3番手からメンバー8位の34.3秒で伸びて0.3秒差の3着。勝ち馬より2キロ、2着馬より4キロ重い58キロを背負っており、そのぶん最後がジリジリになった。一時期惨敗が続いたが、AR共和国杯4着、金鯱賞3着、日経新春杯3着と善戦を続けている。池江厩舎の管理馬は一度不振に陥ると復活できない馬が多いが、サトノノブレスは頑張っている。日経新春杯を54キロ、小倉記念(G3)を57キロで勝った馬。そのあたりを考慮すると武豊騎手が言う通り、少しハンデが重かったか。

プロモントーリオは後方から外を回って上がって、直線で伸び切れず0.5秒差の6着。上がりはメンバー6位タイの34.2秒。スローペースで前残りになるとみたMデムーロ騎手が途中から動いて上がっていったぶん、最後伸び切れなかった。2走前のオルフェーヴルM(京都芝2000m)でメンバー最速の33.5秒で差し切ったが、そのときは高速馬場の影響が大きかった可能性がある。切れより地力タイプ。もう少し時計、上がりの掛かる馬場で狙ってみたい。

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