シルクロードS
レース回顧

ダンスディレクターは1枠1番からスタートを決めて好位につけ、逃げたローレルベローチェをメンバー2位の33.3秒で差し切って重賞初制覇。ローレルベローチェが逃げて前半3F33.7秒(稍重)の平均ペース。2番手以下は離れており、実質は上がり勝負になった。ダンスディレクターは出遅れたり、折り合いを欠いたり、レースが下手な馬で出世が遅れていたが、今回はスタートを決めて好位の内で折り合い、直線で切れる脚を使って抜け出す優等生の内容で快勝。落馬負傷明けの浜中騎手が上手く乗ったが、馬が成長してレースを覚えてきたこともあるのだろう。内めの枠から前につけた馬がに入った馬が1〜4着に入ったように、展開、馬場が味方したのは確かだが、最後はまだ余裕があった。相馬眼的に以前から高松宮記念を狙えると言い続けてきた馬がようやく心身ともに本格化してきた。これで前3走重賞で2、2、1着となったが、重、稍重、稍重と渋った馬場だった。小柄な馬でも道悪を苦にしない点は評価できるが、折り合いの難しい馬は渋った馬場の方が折り合いがつきやすい。死角があれば、そのあたりか。祖母スカラシップはダービー馬ウイニングチケットの全妹。馬主を含め、陣営の思いが詰まった馬。次走は阪急杯、または高松宮記念に直行する予定。

ローレルベローチェはスタートを決めて押してハナを切り、上がりを34.4秒でまとめて0.2秒差の2着。ダンスディレクターが外枠から外を回ったら逃げ切れたかもしれない。絶対に逃げると腹を括って強気な逃げを打った中井騎手が馬の持ち味を引き出している。最近のスプリント重賞は、前に行く馬が揃っていてもハイペースにならない傾向があり、今回も競ってくる馬がいなかった。3連勝で淀短距離Sを制し、重賞初挑戦で2着。ここにきて馬体がボリュームアップし、着実に力をつけている。本番でも中井騎手が強気な逃げを打てば、見せ場以上があってもおかしくない。

ワキノブレイブは好位からメンバー9位の33.7秒で伸びて0.5秒差の3着。4着セカンドテーブルとの競り合いをハナ差で制した。14年の京洛Sを1分7秒4で勝った馬で好位からしぶとく脚を使えるタイプ。小牧騎手が好位で流れに乗って上手く流れ込んだ。シルクロードSは3年連続の出走で5、16、3着。前が有利な展開で好位で流れに乗れれば、これくらい走ってもおかしくないが、今回は他の有力馬が走らな過ぎた感が強い。

ビッグアーサーは大外枠スタートから中団につけ、大外からメンバー3位タイの33.4秒で伸びて0.6秒差の5着。中盤に勢いがついたときにMデムーロ騎手が掛かったと思ったのか、そこで抑えたことで位置取りが悪くなったことが堪えた。最後は外から伸びて力を見せたが、結果的に大外枠が影響した印象。近年の京都の芝重賞は枠順の影響を受けやすい点に注意したい。時期的に仕方ない面もあるが、ずっと馬体が太い状態で走っている。相馬眼的に高松宮記念を狙える馬だが、未だに重賞を勝てず、賞金的に出走を確定できないでいる。賞金加算に失敗したため、次走はオーシャンSを使うことになった。

サトノルパンは出遅れて後方から押して中団に押し上げ、メンバー6位タイの33.6秒で伸びて0.6秒差の6着。前走京阪杯はスタートを決めて好位からスパッと抜け出したが、今回は出遅れて前半に脚を使ったことが堪えた。前走より1.5キロ重いトップハンデ57.5キロ、稍重の馬場も影響したことを考慮したい。稍重をこなせないことはないが、切れ味タイプでパンパンの良馬場の方が合っている。芝1200mなら折り合いがつく。芝1200mのレースに慣れて脚質の幅を広げている点を評価したい。

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