東京新聞杯
レース回顧
スマートレイアーはハナを切ってスローペースで進め、メンバー7位タイの33.5秒で後続を引き離して逃げ切った。前半3F36.0秒、5F60.6秒のスローペースになり、前に行った3頭で決着。スマートレイアーはこれまで逃げたことはなかったが、東京芝1800mの500万条件でスローペースで2番手からメンバー最速の32.8秒でまとめて勝ち、3走前の米子Sでは先行してメンバー最速の34.4秒でまとめて勝っている。いつもはスタートが遅く追い込むレースになることが多いが、吉田隼騎手がスタートを決めたことが大きかった。内を通った馬が有利な馬場で内めの枠から単騎逃げでスローペース。中団から32秒台で上がれるダノンプラチナが出遅れ、ダッシングブレイズがラチに接触して競走中止。かなり恵まれた面があったことを考慮したい。長距離輸送で馬体が減ることが多いが、今回は4キロ増。陣営が輸送で減ることを考慮してソフトに仕上げた効果なのだろう。今後は阪神牝馬Sからヴィクトリアマイルに向かうことになりそうだ。
エキストラエンドはスタートを決めて内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー7位タイの33.5秒で伸びて0.3秒差の2着。出遅れることが多い馬だが、岩田騎手がスタートを決めて内ラチ沿いの好位につけたことが功を奏した。内を通った馬が有利な馬場、スローペースで岩田騎手はこれしかないという乗り方だった。調教の動きが良くなり、パドックでは馬体が6キロ絞れて気配が良くなっていた。今年8歳になったが、大きな衰えはなく、マイルG3ならまだやれそうだ。岩田騎手は昨年のエリザベス女王杯のヌーヴォレコルト以来、重賞で18戦ぶりに連対した。ラチに接触したダッシングブレイズの隣にいたことで心理的な影響が気になるが、これで流れが変わるかもしれない。
マイネルアウラートは2番手からメンバー11位の33.8秒でまとめて0.5秒差の3着。11番人気で穴をあけた。流れを考えると上がりは物足りないが、内が有利な馬場、スローペースを生かして粘り込んだ。柴田大騎手が馬場と展開を考慮して上手く乗っている。馬体に派手さはないが、ここにきて末脚の持続力が増してきた印象を受ける。流れが速くなる芝1400mの方が持ち味を生かせそうだ。好走しても人気にならないタイプ。またどこかで穴をあけそうだ。
ダノンプラチナは出遅れて後方を進み、メンバー3位タイ33.0秒で大外から追い込んで0.5秒差の4着。完全前残りの展開で出遅れは致命的だった。それでも後方から伸びて4着まで追い上げたように地力があるところを見せた。馬体は11キロ増えていたが、元々少し馬体がガレ気味だっただけに全てが太めということではない。今後は国内に専念し、春は安田記念が目標になる。まだ課題は色々とあるが、最大パフォーマンスを発揮できれば、安田記念で勝ち負けできるのではないか。斤量の克服がカギになる。
テイエムタイホーは大外枠スタートから3、4番手につけたが、直線で伸び切れず0.5秒差の5着。スローの上がり勝負で最後までバテずに伸びていたが、切れより地力タイプだけに切れ負けした。内を通った馬が有利な馬場で大外枠も厳しかった。内枠ならもっと粘れたのではないか。連闘後のレースだったが、引き続きボリューム感のある馬体をキープできていた。マイネルアウラートと同様に好走しても人気にならないタイプ。条件が揃ったときは注意したい。
ダッシングブレイズは中団の内につけ、直線で最内を突いたが、ラチに接触して浜中騎手が落馬し競走中止。浜中騎手が狭い最内を突いて勝負に来たが、馬がラチに接触してバランスを崩した。その後の検査で左橈骨遠位端骨折、左第2指中手骨々幹部近位骨折、左第4指基節骨基部骨折、左第4指中手骨頚部骨折と診断された。復帰までに時間が掛かりそうだ。ダッシングブレイズは故障なし。浜中騎手がダッシングブレイズで重賞を勝つ日を楽しみに待ちたい。
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