京都記念
レース展望

過去10年で1番人気は[4−3−0−3]で7連対。前走重賞連対馬は[3−3−0−1]、牡馬なら[2−3−0−0]で堅実。前走日経新春杯を勝ったレーヴミストラルには好データだが、過去10年で前走日経新春杯は[0−0−2−12]、勝ち馬はトウカイワイルドが9着、カポーティスターが6着に終わっている。日経新春杯(ハンデ戦)と京都記念は同じG2でもメンバーレベルが違うことが多い。2番人気は[1−2−4−3]で3連対、3番人気は[2−2−2−4]で4連対。連対馬20頭のうち18頭が5番人気以内、残る2頭は6番人気。最近5年の馬連は11倍、15倍、23倍、42倍、30倍で中穴決着が多い。

1〜3着馬30頭のうち29頭にG1、G2連対またはG3勝ちがあった。残る1頭にはG2で4着があった。重賞実績のない馬では通用しない。年齢別では4歳[5−2−1−21]、5歳[4−1−5−22]、6歳[1−7−3−22]、7歳以上[0−0−1−25]。4、5歳馬が9勝で勝つことが多く、6歳馬は2着が7回と多い。7歳以上は3着が1回あるのみ。高齢馬の出番は少ない。牝馬は[1−1−0−14]で2連対。連対したブエナビスタ、メイショウベルーガには京都芝2200m以上のG2以上で3着以内があった。これを満たさない1番人気のジェンティルドンナが6着、ハープスターが5着に終わっている。

レーヴミストラルは未勝利、アザレア賞、青葉賞を3連勝し、日本ダービーは1.3秒差の9着。その後は復帰に時間が掛かったが、休み明けのAR共和国杯(重)をメンバー最速の33.8秒で追い込んで0.4秒差の3着まで追い上げた。金鯱賞はメンバー最速の34.4秒で追い込んで0.4秒差の8着。2000mでは忙しかったか。前走日経新春杯は出遅れて最後方からメンバー最速の33.1秒で豪快な大外一気を決め、2馬身差で圧勝。前半5F62.0秒のスローペースでレースのラスト4Fは11.6−11.7−11.8−11.6秒。前残りの展開を末脚の威力で捻じ伏せた。2位を0.9秒上回る末脚は強烈だった。

レーヴダムール、アプレザンレーヴ、レーヴドリアン、レーヴディソールの半弟。レーヴ一族は脚元が弱く、引退に追い込まれる馬が多いが、レーヴミストラルは菊花賞を使わずに大事に使ってきたことで素質が開花してきた。松田博調教師の集大成。3月からは高野厩舎に転厩する予定になっている。昨年の京都記念は前半5F61.2秒、後半5F58.1秒で前残りになり、メンバー最速の33.3秒で追い込んだキズナは3着に終わった。日経新春杯は前半5F62.0秒、後半5F58.7秒。スローペースでも33秒台で上がった馬がレーヴミストラルしかいなかった。途中で動くと切れが鈍るタイプ。今回も後方からのレースか。

タッチングスピーチは夏の札幌芝2000mの500万条件で後方からメンバー最速の34.2秒で豪快な大外一気を決めた。小回りの札幌でインパクトのある勝ち方だった。ローズSは後方2番手からメンバー2位の33.9秒で外から豪快に突き抜け快勝。ミッキークイーンが休み明け、馬体8キロ増で出遅れもあったが、直線でひと伸びして突き放している。勝ちタイム1分45秒2は過去9年で2番目に速く、レースレベルはかなり高い。秋華賞は後方からメンバー2位タイの34.4秒で伸びて0.3秒差の6着。最後に猛然と伸びてきたが、ルメール騎手の消極的な騎乗でスムーズさを欠き、力を出し切れなかった。

前走エリザベス女王杯は後方からメンバー3位タイの34.3秒で伸びてクビ+ハナ差の3着。道中武豊騎手のノボリディアーナと岩田騎手のヌーヴォレコルトに外からマークされて外に出せなかったことが堪えた。直線半ばでかなり厳しい位置にいたが、ラスト100mから猛然と伸びてゴールした直後には先頭に立っていた。もう少しスムーズなら勝っていたのではないか。3歳でまだ本格化していない状態でヌーヴォレコルトとハナ差の接戦をしたことを評価したい。馬体の厚みが増してパワーアップして欲しいが、どこまで成長してくるか。浜中騎手が落馬負傷のため、今週から復帰する福永騎手が騎乗する予定。

福島記念と中山金杯を連勝したヤマカツエース、昨年のダービー3着馬サトノクラウン、前走有馬記念6着のトーセンレーヴ、昨年の日経新春杯&日経賞勝ち馬アドマイヤデウス、前走AJCC3着のショウナンバッハ、一昨年のダービー馬ワンアンドオンリー、昨年の京都記念2着馬スズカデヴィアス、前走チャレンジC2着のヒストリカルなど伏兵は数多い。例年は少頭数で行われるが、今年は17頭の多頭数になりそう。ヤマカツエースは芝2000m[2−0−1−1]で4着以内を確保。距離はさらに1F延びるが、京都記念はスローペースになることが多いだけに問題ないか。ラスト5Fが速くなり過ぎなければ。

サトノクラウンはデビューから3連勝で東スポ杯2歳S、弥生賞を勝ち、ダービーで3着に入った実力馬。前走天皇賞(秋)は好位から全く伸びずに17着。休み明けで古馬G1というのは厳しいのは確かだが、敗因はそれだけではない。ひと息入れてどこまで仕上がってくるか。トーセンレーヴはアンドロメダS、ディセンバーSを連勝し、有馬記念で後方からメンバー最速の34.4秒で伸びて0.3秒差の6着に入った。直線でスムーズなら3着に迫れたかもしれない。母ビワハイジ、半姉にブエナビスタがいる馬が本格化してきたか。アドマイヤデウスは前走有馬記念で0.3秒差の7着。昨年の日経賞は強かったが、復調に手間取っている。

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