京都記念
レース回顧

サトノクラウンはスタートを決めて2番手につけ、メンバー最速タイの36.6秒で早めに抜け出し、2着に3馬身差をつけて圧勝した。勝ちタイムは2分17.7秒。重馬場で前半5F63.6秒のスローペースだったが、中盤から12秒台前半のラップが続き、前に行った馬にも厳しい流れ。サトノクラウンは先行して抜け出す横綱相撲の内容で圧勝。前走天皇賞(秋)は仕上がり不足で惨敗したが、ひと息入れて立て直し、一気にパフォーマンスを引き上げた。稍重の皐月賞を勝ったときも強かったように、こういうタフな馬場の適性が高いのだろう。欧州血統でスノーフェアリーに似たようなタイプ。タフな馬場をこなすことは、今後も大きな武器になる。秋は同厩のドゥラメンテと一緒に凱旋門賞に挑戦することになりそうだ。Mデムーロ騎手は馬の能力、適性の分析、展開の読みが優れている。今年はリーディングを獲るのではないか。

タッチングスピーチは中団からメンバー最速タイの36.6秒で伸びて0.5秒差の2着。勝負どころで反応が悪かったが、直線でしぶとく伸びて2着を確保。休み明け、タフな重馬場、初の牡馬相手で能力があることを示した。細身の牝馬だが、渋った馬場は苦にしないタイプ。サトノクラウンに離されたのは、福永騎手が復帰した直後ということもあるのではないか。リフレッシュして馬体が8キロ増え、パドックでは活気が戻っていた。これから馬体が成長して地力が強化さ、勝負どころでの反応が良くなれば、相馬眼的にもっと上を目指せる馬。ドバイシーマクラシックに挑戦するプランがあるが、現状は未定。

アドマイヤデウスは6番手の内からメンバー4位タイの36.9秒で伸びて0.5秒差の3着。内枠のため仕方ないが、馬場の荒れた内を通ったことが堪えた印象。それでも最後までしぶとく伸びて際どい3着争いを制した。これで1〜3月は[4−0−2−0]で3着以内を確保。寒い時期は安定して走っている。昨年の天皇賞(春)は熱中症で惨敗。気温が上がってきたら割り引きたい。次走は昨年強い勝ち方をした日経賞になりそう。G1ではJRAの外枠攻撃で不振が続いている。日経賞で内めの枠に入ったら要注意。

ヒストリカルは後方からメンバー最速タイの36.6秒で伸びて3着にクビ差の4着。渋った馬場を苦にしないタイプ。距離2200mが嫌われて10番人気だったが、外から伸びて見せ場を作った。レースを使いながら少しずつこなせる距離を広げている。半兄カンパニーが8歳で天皇賞(秋)、マイルCSを制したように奥手の一族。12年の毎日杯以来、重賞で勝ち星がないが、流れや馬場が向けば、久々の重賞制覇があってもおかしくない。

ヤマカツエースは中団からしぶとく伸びて3着にクビ+ハナ差の5着。道中内で脚をタメ、勝負どころで外にだしてしぶとく伸びたが、最後は脚色が一緒になった。重馬場もあるが、距離的なものもあるか。3戦連続で馬体が8キロ、6キロ、12キロ増。昨年夏から使い込んでいるため、攻められない影響もあるのだろう。今後はひと息入れて香港のクイーンエリザベス2世Cを目指す予定。

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