小倉大賞典
レース回顧

アルバートドックは1枠スタートから内ラチ沿いの後方を進み、直線で最内からメンバー34.4秒で抜け出してレースを制した。スマートオリオンが逃げて前半5F59.4秒の平均ペース。緩急のある流れで前に行った馬は厳しくなり、差し追い込み馬が上位を独占した。アルバートドックは内ラチ沿いを通って内を突く、川田騎手の一発狙いの騎乗が見事に嵌って重賞初制覇。松田博厩舎が最後の重賞を勝利で飾った。直線が平坦な京都では[3−1−3−1]で菊花賞を除き3着以内を確保。スピードに乗った状態から、もう一段ギアを上げられるタイプ。こういうタイプは小回りのローカルコースが合う馬が多いが、やはり直線が平坦な小倉は合っていた。折り合い次第になるが、距離の融通性があり、芝2000mでも問題ない。今後は須貝厩舎に転厩し、次走は大阪杯か、中日新聞杯あたりになりそうだ。特にローカル重賞で注意。

ダコールは後方を進み、3コーナーから外を回って進出し、メンバー2位の34.6秒で伸びて頭差の2着。勝ち馬より3キロ重いトップハンデ58キロを背負い、大外を回ったもので勝ちに等しい内容。勝ったアルバートドックは終始内ラチ沿いの最短コースを通っていた。これで小倉では[2−3−1−2]、小倉大賞典では2、3、2着となった。良発表でも雨の影響が残った緩い馬場。ダコールが出走するときはなぜか馬場が渋ることが多い。それでもトップハンデ58キロを背負い、8歳馬でも衰えがないことを示した。ローカルの芝1800〜2000m重賞で注意していきたい。

ネオリアリズムは後方から早めに捲って直線で抜け出したが、最後に内外から交わされて0.1秒差の3着。外を回っていい脚を長く使い、重賞のメドを立てた。小倉に滞在していたこともあるが、馬体20キロ増で少し太かった。最後に脚が鈍ったのは、そのあたりの影響もあるのだろう。昨夏以降に勝った3戦は前半5F59.3秒、59.1秒、58.1秒、負けた2戦は61.6秒、62.3秒のスローペース。今回は前半5F59.4秒。スローペースになると折り合いを欠いて自滅する点に注意したい。その点で流れが速くなりやすい芝1800mの方が合っている。

ハピネスダンサーは好位につけたが、勝負どころで外から捲られて位置取りが悪くなり、メンバー4位タイの35.0秒で追い上げて0.2秒差の5着。緩い馬場、緩急のある流れで前に行った馬には厳しい展開になったが、最後までしぶとく伸びたように力をつけている。理想はパンパンの良馬場でもう少し緩い流れ。馬体がボリュームアップして地力が強化されているところ。牡馬相手でもハンデG3なら通用していい。

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