中山記念
レース回顧

ドゥラメンテはスタートは少し遅かったが、好位の外につけ、勝負どころで早めに動いてメンバー4位タイの34.1秒で抜け出すと最後はアンビシャスの追撃をクビ差完封してレースを制した。カオスモスが逃げて前半3F36.5秒、5F59.4秒。前半は流れが緩んだが、中盤から高速ラップが続き、持続力と底力が問われる展開になった。ドゥラメンテは好位の外から早めに動いて勝ちに行く、正攻法のレースで優勝。最後はアンビシャスに迫られたが、2キロ重い57キロを背負っており、着差以上の内容といえる。骨折明けで馬体が18キロ増えていたが、ほとんどが成長分で太くはなかった。全体的に実の入りが良くなり、さらにパフォーアップしていた。馬体の造り、気配などから8.5分程度の仕上げか。昨年の2冠馬が骨折を乗り越えて好スタートを切った。次走はドバイシーマクラシック(芝2400m)。中山記念を強い内容で勝ったヴィクトワールピサはドバイWC、ジャスタウェイはドバイDFを制している。現役唯一のスーパーホース。世界に能力の高さと末脚の威力を見せつけたい。秋の最大目標は凱旋門賞になる。

アンビシャスは後方2番手からメンバー最速の33.6秒で鋭く伸びてクビ差の2着。勝ったドゥラメンテの上がりを0.5秒上回る末脚を繰り出したが、結果的に位置取りが後ろ過ぎた。昨秋の毎日王冠と天皇賞(秋)で外を回って掛かったため、ルメール騎手は外枠スタートということもあり、様子を見ながらの騎乗だった。馬を前に置きやすい内枠ならもう少し違ったレースができたかもしれない。それでも折り合えば、切れる脚を使えることをあらためて示した。休養して立て直したことで馬体が6キロ増え、全体的にパフォーアップしていた。昨年の天皇賞(秋)で掛かりながら0.2秒差の5着に入ったのは、やはりダテではない。今年は中距離路線で活躍できそうだ。注目していきたい。

リアルスティールは中団の内からメンバー4位タイの34.1秒で伸びて0.1秒差の3着。道中折り合って直線で最後までジリジリと伸びてきたが、差し切る勢いはなかった。休み明けで馬体が8キロ増え、パドックでは少しフックラと映り、テンションも高かった。同馬主のドゥラメンテが復帰、次走ドバイ遠征があるため、多少仕上げに余裕を持たせたのだろう。それでも休み明け、初の古馬相手だったことを考えると内容は悪くない。昨年は菊花賞を使ったが、折り合い面を考えると中距離が合っている。次走はドバイターフ(芝1800m)に向かうことが決定した。デビュー以来騎乗してきた福永騎手からムーア騎手に乗り替わる。

イスラボニータは中団の外から伸び切れず9着。1コーナーで外に振られるロスがあり、勝負どころでもずっと外々を回り、4コーナーでは大きく外に膨れていた。レース巧者でもっとまともなレースができる馬だけに不可解なレースぶりだった。昨年の中山記念より仕上がりは良さそうだったが、大人の事情でもあるのか。

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