阪急杯
レース回顧
ミッキーアイルはハナを切ってハイペースで飛ばし、上がりを34.7秒でまとめてレースを制した。前半3F33.8秒、5F56.4秒で勝ちタイム1分19秒9はコースレコード(1994年スワンS、サクラバクシンオー)と同タイム。これまで前半3Fを33秒台で飛ばしたのは14年のマイルCS13着しかない馬が、33.8秒で飛ばし、レコードと同タイムで勝ったことを評価したい。馬体が8キロ増えて全体的に実の入りが良くなったことから見ても、5歳になって本格化したのではないか。14年のスワンSを逃げ切ってから2番手以下に控えるレースを続けていたが、多少流れが速くても逃げた方が持ち味を生かせるようだ。まさに肉を切らせて骨を断つといったレースだった。スピードの絶対値が高いため、芝1200mにも対応できる。次走は昨年0.1秒差の3着に終わった高松宮記念。強烈な末脚があるダンスディレクターを完封できるかどうか、レースが楽しみだ。
オメガヴェンデッタは好位の外からメンバー7位の34.3秒で伸びて0.1秒差の2着。直線で内からブラヴィッシモに前に出られたが、最後に差し返して2着を確保。武豊騎手がスタートを決めて好位につけ、上手く乗っている。前2走は馬体6キロ増、8キロ増で太め残りだったが、今回は12キロ減で久々に馬体が絞れていた。ただし、パドックではまだ少しモッサリと映った。その点でビッシリと仕上げて活気が出れば、上積みが見込める。これで芝1400m重賞では[0−1−2−0]で京王杯SC3着、スワンS3着、阪急杯2着。母ビハインドザマスクは6歳で京都牝馬Sを制したように奥手の一族。以前、短距離王国と言われた安田隆厩舎の管理馬。次走は賞金的に出走可能なら高松宮記念を目指すことになりそうだ。少しタフな馬場は合っている。
ブラヴィッシモは内枠スタートから内ラチ沿いの3、4番手につけ、直線で上手く捌いて一旦は2番手に上がったが、最後にオメガヴェンデッタに交わされて0.1秒差の3着。内枠を生かして川田騎手が上手く乗って現状の力を出し切ったが、最後に伸び切れなかった。それでもオープイン入り2戦目、重賞初挑戦で1分20秒0で走って0.1秒差の3着なら今後のメドは立った。まだ4歳馬で地力が強化されているところ。能力の絶対値が高いため、今年はどこかで重賞を勝てそうだ。賞金を加算して秋のスプリンターズS、スワンS、阪神カップなどに備えたい。
ミッキーラブソングは中団からメンバー5位タイの34.2秒で伸びて0.1秒差の4着同着。橋口調教師最後の重賞で小牧騎手が目一杯に追ったが、最後のひと伸びがなかった。伸び切れなかったのは、速い流れで道中仕掛けながら追走したこともあるのだろう。大きな不利はなく、現状の力は出している。
サドンストームは中団の後ろからメンバー3位の34.0秒で伸びて0.1秒差の4着同着。前2走惨敗、休み明けで13番人気だったが、最後に外から鋭く伸びて見せ場を作った。昨年の阪急杯(不良)でもメンバー3位の36.5秒で伸びて0.3秒差の4着に入っている。7歳馬でも衰えはなさそうだ。
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