阪神大賞典
レース回顧

シュヴァルグランは中団の後ろを進み、勝負どころで外から上がり、メンバー最速の34.9秒で差し切って2馬身半差で圧勝した。カレンミロティックが逃げて前半5F6.17秒のスローペース。中盤にラプが落ちたが、ラスト5Fからペースアップして末脚の持続力とスタミナが問われるレースになった。シュヴァルグランは勝負どころで早めに動いて4コーナーで先団を射程圏に入れる理想的なレースぶりで重賞初制覇。初めての3000m戦で折り合いに問題なく、スタミナがあることを示した。前走6キロ増えた馬体が10キロ減って全体的にスッキリしていた。ここで重賞を勝とうと仕上げたのだろう。ヴィルシーナの半弟で成長力があるハーツクライ産駒。昨年夏以降は[4−2−0−0]。堅実なレースぶりが評価され、天皇賞(春)ではかなり人気を集めそうだ。今回は55キロだったが、天皇賞(春)では58キロを背負う。その点を考慮する必要がある。

タンタアレグリアは中団からメンバー2位の35.5秒で伸びて0.4秒差の2着。勝ったシュヴァルグランと一緒に上がってきたが、直線であっさり突き放された。昨年の菊花賞4着馬。スタミナはあるが、同斤の4歳馬シュヴァルグランに突き放されたレースぶりは物足りなさが残る。それでも前走極悪馬場のダイヤモンドSを使って中3週でそれほど攻められない状況だったことを考えると及第点か。輸送しても馬体が減らず、テンションが上がらないのはいい傾向。菊花賞で57キロを経験しており、シュヴァルグランより斤量の経験値は高い。切れより地力タイプ。タフな馬場&流れで内をロスなく回る形が理想か。

アドマイヤデウスは内ラチ沿いの3番手につけたが、直線で前が壁になって外に持ち出す大きなロスがあり、0.9秒差の3着。直線で致命的なロスがあったが、最後までしぶとく伸びて3着を確保。直線でスムーズなら最低でも2着争いできたのではないか。パドックでは馬体の張り、気合乗りとも良く、引き続き調子が良さそうだった。これで1〜3月は[4−0−3−0]で3着以内を確保。寒い時期に走るタイプでこの時期は安定して走っている。逆に4〜6月は[0−0−0−3]で昨年の天皇賞(春)ではレース中に熱中症なり惨敗。次走天皇賞(春)は調子が落ちがないことが条件になる。

トーホウジャッカルは3、4番手の外を進み、直線で一杯になって7着に終わった。前半行きたがったり、3コーナーで外から上がってみたり、色々とチグハグなレースぶりだった。昨年の札幌記念以来のレースで馬体が18キロ増え、体に少し余裕があった。それでも前走より歩様が少し柔らかくなっており、その点でこの内容でも次走に期待がない訳ではない。菊花賞を3分1秒0のレコードで制した馬。時計、上がりが掛かる阪神より、京都の方が合っている。天皇賞(春)が高速馬場、かつ内枠に入ったら注意したい。

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