大阪杯
レース回顧

アンビシャスは外から上がって2番手につけ、メンバー2位タイの33.4秒で逃げたキタサンブラックを交わしてレースを制した。キタサンブラックが逃げて前半5F61.1秒のスローペース。ラスト3Fの上がり勝負になり、レースの上がりは33.6秒。完全前残りになり、前に行った2頭で決着した。アンビシャスは昨年春以降差すレースをしていたが、横山典騎手が昼休みに音無調教師に前に行きたいと相談し、調教師が馬主に了承をとった模様。スローの上がり勝負になり、横山典騎手の作戦が見事に嵌った。ここが目標でない有力馬が消極的なレースで負かしに来なかったことも良かったのだろう。前走中山記念でドゥラメンテにクビ差まで迫り、リアルスティールを完封したことはダテではなかった。折り合いが難しい馬。横山典騎手がかなり上手く乗っている。今後は休養して宝塚記念を使うか、もしくは毎日王冠から天皇賞(秋)を目指す予定。今年の中距離路線で活躍できる馬。

キタサンブラックはハナを切ってスローペースで進め、メンバー5位タイの33.6秒でまとめてクビ差の2着。最後にアンビシャスに交わされたが、2キロ重い58キロを背負っており、実質は勝ちに等しい内容。スローペースでラスト3Fを11秒台でまとめて粘り込むタイプだが、今回はラスト3Fを11.3−10.9−11.4秒の高速ラップでまとめている。スローペースだったが、初めて33秒台の上がりを繰り出した。馬体の造りを含め、4歳になってひと皮剥けてきた印象。主戦の北村宏騎手が復帰したが、次走天皇賞(春)はこのまま武豊騎手が騎乗することになった。武豊騎手は平成の盾男。3番手から盤石のレースぶりで連勝を続けているゴールドアクターにキタサンブラックと武豊騎手がどう挑むのか楽しみだ。

ショウナンパンドラは中団の外から早めに動いてメンバー最速の33.3秒で上がって0.2秒差の3着。Bコースに変更されたことで前が残りやすくなり、かつスローペースでこれだけ上がりが速くなるとさすがに厳しい。それでも外を回って早めに動き、最速上がりを繰り出したことを評価したい。さすがにジャパンC勝ち馬というところを見せた。馬体は14キロ増えていたが太くはなく、休み明けでも仕上がりは良かった。今後はヴィクトリアマイルから宝塚記念に向かう予定。

ラブリーデイは中団からメンバー2位タイの33.4秒で伸びて0.4秒差の4着。スローの上がり勝負になった京都大賞典はメンバー最速の32.3秒で差し切ったが、今回は直線でスムーズさを欠いて追い出しが遅れ、一杯に追えなかった。内の好枠に入ったが、結果的に前に行かなかったことが響いた印象。次走はクイーンエリザベス2世C。香港遠征前で多少仕上げに余裕を持たせたが、レースでも目一杯という感じではなかった。

ヌーヴォレコルトはスタートを決めて内ラチ沿いの3番手につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の6着。切れより地力タイプでスローの上がり勝負は合わない。上がりが速くなった昨年のヴィクリアマイルと同じような負け方だった。次走クイーンエリザベス2世Cで香港遠征が控えており、強気なレースをする状況でなかったこともあるのだろう。次走は岩田騎手から武豊騎手に乗り替わることが決定。武豊騎手に流れが来ている。

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