マイラーズC
レース回顧

クルーガーは出遅れて後方を進み、直線で最内からメンバー最速の34.0秒で抜け出してレースを制した。開幕週の馬場でサンライズメジャーが逃げて前半3F34.1秒、57.9秒の平均ペース。道中内ラチ沿いをロスなく回ってきた3頭で決着した。クルーガーは出遅れて後方からのレースになったが、内ラチ沿いをロスなく回り、最後はポッカリと空いた内を突いて差し切った。初のマイル戦で重賞初制覇。2走前の初富士Sのラスト5Fは57.7秒。先行して11秒台の高速ラップでまとめたキャンベルジュニアを中団から差し切ったのはやはりダテではなかった。元々時計の掛かる馬場を得意にしていたが、ここにきて高速ラップの持続力勝負に対応できるようになってきている。昨年は2000m以上を中心に使われていたが、有力馬診断に書いた通り、馬体の造りがマイル向きにシフトしてきた感がある。高野調教師もそれを感じていたから敢えてG2のマイル戦に使ってきたのだろう。勝ったことで安田記念の優先出走権を確保。左回りは中日新聞杯しか経験がないが、今年のメンバーならチャンスはありそうだ。

ダノンシャークは内ラチ沿いの7番手からメンバー2位の34.2秒で抜け出したが、最後にクルーガーに差されてクビ差の2着。1枠1番スタートからロスなく進めて直線で馬群を割って伸びたが、最後はクルーガーに切れ負け。それでも勝ち馬より1キロ重い57キロを背負っており、実質は勝ちに等しい内容。14年のマイルCSを勝ってから馬券圏内がなく不振が続いていたが、得意コースで久々に連対を果たした。最終調教の動きが良くなっていたようにようやく調子が上向いてきたのだろう。今年8歳になったが、大きな衰えはない。安田記念は3年連続で出走して3、4、10着。何らかのアドバンテージが欲しいが、8歳という年齢が嫌われて人気がないようなら少し絡めても面白いかもしない。

クラレントは3番手からしぶとく伸びて0.1秒差の3着。昨年の安田記念3着(12人気)の後、不振が続いていたが、久々に馬券圏内を確保した。内ラチ沿いをロスなく回ったことが有利に働いたのは確かだが、前に行った馬の中では最先着だったように力があるからこその3着。最終調教の動きが良くなっていたようにように激走してもおかしくない下地はあった。次走は安田記念。昨年3着に粘ったように左回りが得意である程度前につけてしぶとい脚を使えるタイプ。昨年は穴馬で狙ったが、今年も条件が揃ったら注意したい。

フィエロは後方から大外を回ってメンバー3位の34.3秒で伸びて0.4秒差の4着。スタートは悪くなかったが、道中徐々に位置取りが悪くなり、大外から追い込んだが、最後まで逆手前のまま走っていた。1〜3着馬は内ラチ沿いをロスなく回ってきただけに大外をブン回したことも堪えている。まともなレースができればあっさり勝ってもおかしくない馬だが、テン乗りの鮫島良騎手が上手く乗れず、得意の京都で初めて馬券圏内を外す結果になった。次走の安田記念ではMデムーロ騎手が騎乗する予定。東京ではひと息のレースが続いているが、Mデムーロ騎手でひと押しがあるかもしれない。

アルバートドックは後方からメンバー4位の34.4秒で伸びて4着にハナ差の5着。直線で外からフィエロに寄られてスペースがなくなり、外に持ち出すロスがあった。そこがスムーズならもう少しやれたのではないか。距離をこなしているが、芝1600〜1800mが最も切れる脚を使える印象。まだ芝1600mは2戦しかしていないが、これから何戦かしてマイルの流れに慣れてくればもっとやれそうだ。

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